野戦服のポケットの中身 Part1

今日は久々に好評?の"中身シリーズ"でいきたいと思います。テーマはずばり、「ドイツ兵の野戦服のポケットの中身」
当時の写真などでポケットが膨らんでいるのを見るたびに何が入っているんだろう?と疑問に思っていました。できればドイツ兵だった人に聞くのが一番なのですが、もちろんその様な人は知己におらず、いたとしても高齢の為、本人が覚えているかどうか。賛否両論あるかと思いますが自分なりに"こんなのが入ってたのでは?"と想像した内容を紹介したいと思います。


画像にマウスを当てると膨らんだポケットの中身が・・・

それでは、胸ポケットに入っていた(と思われる)アイテムから見ていきましょう。


◆ 兵隊手帳(Soldbuch)
04-17-2011 02;22;22PM.JPG  krete_CT18.jpg

やはりガチなのは兵隊手帳(Soldbuch)でしょう。胸ポケットに入れて常に携帯し、捕虜になる可能性がある場合は破棄するよう規定されていました。


◆ 手帳(Notizbuch)
dairy1.jpg  
全員必携アイテムというわけではないでしょうが、日記やメモを取る場合は必要ですね。


◆ 万年筆(Schreibewaren)
pen0.jpg
"ペンは剣よりも強し"筆記具の王様、万年筆です。ドイツにはモンブラン、ペリカンなど一流メーカーが存在しており、入隊記念に家族や友人から贈られた兵士も多かったのではないでしょうか。ちなみにエーデルマンが学生の頃、胸ポケットに万年筆を挿すのが憧れでした。(おっと、世代がバレますね)
※上記の万年筆は当時のものではありません。今から25年ほど前に購入したものです。


◆ 兵隊歌集(Soldaten Liederbuch)

songbook0.jpg  

兵隊歌集ポケット版は胸ポケットサイズに作られています。そういえば小学生の頃、遠足に行くバスの中で平凡・明星の付録の歌本に載っている歌謡曲を皆で合唱したものです。(う、ますます年がバレるなぁ・・・)


◆ ハーモニカ(Harmonika)

hahner4.jpg


合唱もハーモニカの伴奏があれば完璧です。HOHNERのハーモニカもドイツが誇る名機ですね。

hahner5.jpg

なお、このハーモニカの箱には「第66歩兵連隊第3中隊 Hans Brandt クリスマス 1942」のスタンプが押してあります。
(Hans兵士に送られたクリスマス特別配給品でしょうか)


◆ ホイッスル(Trillerpfeifen)
hoistle1.jpg

こちらは楽器ではなく、下士官用のホイッスルです。ベークライト製で携帯用のランヤードが付いています。一番上の写真のように第2ボタンにランヤードの端を結び、右胸ポケットに入れます。


◆ 皮膚解毒剤(Hautentgiftungssalbe)

haut5.jpg    haut6.jpg

毒ガスが付着した皮膚を洗浄(解毒)する軟膏のボトルとそのコンテナーです。素早く対処できるようコンテナーごと胸のポケットに入れることとされていました。

decontamination.jpg
こちらはタブレットタイプの解毒剤(Hautentgiftungsmittel)で上記同様胸のポケットに入れるよう規定されていました。
これらの解毒剤については改めてガスマスクのアクセサリーで取り上げたいと思います。


◆ コンドーム(Kondom)

condom.jpg  

官給コンドーム(未開封)です。上から押すとゴムの"ぐにゃっ"とした感触があります。


        condom3.jpg

ネットで拾った画像ですが、上記の袋に入っているモノもこんな感じでは無いでしょうか。(確実に使えないでしょうけど)

◆ 抗神経痛剤(Antineuralgie)


            antineuralgie1.jpg

いわゆる鎮痛剤で頭痛や歯の痛みに効き、戦場では必需品でした。他にはバイヤー製薬のアスピリンが有名ですね。

asprin5.jpg  

◆ ニベアクリーム(NIVEA CREME)

nivea0.jpg
ニベアクリームは雑嚢の中身で取り上げましたが、"パン袋"より野戦服のポケットの方が相応しいのかも知れません。しもやけや火傷の手当てに使う以外に面白い使用法が『最強の狙撃手』(Albrecht Wacker著)に書かれています。なんとニベアクリームを食べると黄疸に似た症状が出る為、仮病を装い戦線から離脱する手口に使われたとのこと。


最強の狙撃手最強の狙撃手
(2007/03)
アルブレヒト ヴァッカー

商品詳細を見る
 

◆ 小銃アクセサリー(Zubehör für Gewehr)

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マズル・キャップ、予備の弾薬クリップの収納はポケットに。

◆ 裁縫キット(Kameradenhilfe)

kameradenhilfe.jpg  

"Kameradenhilfe"(戦友の助け)というDRAHOMA社の裁縫キットです。ドイツ軍は身嗜みに非常に厳しい軍隊で兵士は衣服の管理は自分で行うことが義務付けられており、上記のようなポケットサイズの裁縫キットを携帯していました。

  kameradenhilfe03.jpg
糸針、予備のボタンがセットになっており、ほつれや破れの簡単な修理、ボタンの縫付け位はできるようになっています。
まだまだ「野戦服のポケットの中身」は続きますが、一度この辺りで区切って"Part 2"で残りを紹介したいと思います。


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野戦服のポケットの中身 Part2

皆様こんにちは。前週に引き続き「野戦服のポケットの中身 Part2」ということで残りのアイテムを紹介したいと思います。その前にちょっとだけ、ドイツ軍野戦服のポケット(腰ポケット)の構造について。

  pocket.jpg pocket6.jpg
ドイツ軍の野戦服のポケットは立体的な構造になっており、上の写真のようにポケットのフロントとサイドにある蛇腹式のプリーツ(ヒダ)により、嵩張るモノも入れることができます。

左側はM36野戦服、右側はM34/35野戦服の腰ポケットです。
pocket7.jpg  
右側のポケットを見るとサイドにプリーツがあるのが判ります。一方左側にはサイドプリーツがありません。この野戦服は外出着によく見られる着丈を詰める改造が施されており、ポケットを一度外して付け直す過程でプリーツが失われてしまったものと思われます。スマートになった反面、容量は減少しますが、外出着は見た目重視、実用は二の次と考えられていたことがよく判ります。

なお、M41野戦服以降は工数削減の為、袋状のポケットを貼り付けた構造になります。
pocket8.jpg
左側はM36野戦服、右側はM41野戦服のポケットです。

さて、それではポケットの中身に移りたいと思います。まずは下の写真をご覧ください
下記は「FELDBLUSE Ther German soldier's feld tunic 1933-1945」から拝借した写真ですが、ノルマンディで連合軍が捕虜にしたドイツ兵のポケットから出てきたアイテムを撮影したものです。

Pocket contents
アイテムが重複していることから、複数のドイツ兵から集められたものと思われます。
前回の記事で紹介した手帳やホイッスル、皮膚洗浄剤や万年筆、裁縫道具などが写っています。捕虜の中には衛生兵もいたようで、医療器具や薬瓶なども見られます。変わったところでは卵型の木型(靴下の修理用)やガーターベルト(彼女からのプレゼントで幸運のお守り?)などのアイテムもあります。


◆ポケットナイフ(Taschenmesser

knife1.jpg

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上の写真でも複数種類写っているのがこのポケットナイフです。普段の生活に欠かせないナイフはいざという時には武器にもなりました。上の2つのナイフは一般的なタイプで酒保で購入することができました。市販のナイフを購入して所持する場合もありドイツ兵ごとに種類があったと言っても過言ではありません。


◆ 折りたたみ式スプーン・フォーク(Essbesteck)

spoone.jpg
 spoon.jpg

スプーンとフォークがセットになったもの。カトラリー(テーブル食器)は以前雑嚢の中身として紹介しましたが、野戦服のポケットにも入れられていたようです。(写真にも同型のものが写っています)


◆ 缶切り(Dosenöffner)

canopener1.jpg
こちらも雑嚢の中身アイテムですが、この缶切りはポケットに一つ忍ばせておけるくらいのコンパクトさです。


◆ ハンドタオル(Handtuch)

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紙製タオルです。タオルは折り曲げられており、広げるとヨコ32cmタテ23cmです。このタオルはパリに3箇所あった「Soldatenheim 」(慰安所)で配られたもので写真には写っていませんが側面に住所が印刷されています。また当時の標語「Vorsicht bei Gesprächen. Feind hört mit!」(言動に注意!敵が聞いている)が赤い文字で印刷されています。
その他、ハンカチやちり紙なども入っていました。

◆ ハンカチ(Taschentücher)


  handkerchief.jpg

上記は陸軍の兵士に支給されたハンカチです。Soldbuch(兵隊手帳)にも項目があり、通常2枚支給されていました。

handkerchief2.jpg
このハンカチにはRBナンバーのスタンプが押されています。


◆ 野戦糧食(Verpflegung)


cigalliro1.jpgKB4.jpg


  schokakola10.jpg        


野戦糧食は以前の日記で取り上げました。これこそ雑嚢の中身ですが、戦闘中にすぐ取り出して食べられるような行動食を兵士はポケットに入れていました。


◆ 煙草(Tobacco)

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食後の一服のお楽しみ、煙草です。戦場において緊張や恐怖感を和らげるのにも効果がありました。レーションの中身として巻き煙草が兵士に配られた他、煙草紙(Zigarette-Papier)による手巻き煙草も一般的でした。
“Efka”のパッケージには"Allerfeinstes Zigaretten Papier"(他にはない最高級の煙草紙)と書かれています。


pipe1.jpg
パイプ(Pfeife)も当時のドイツ軍ではポピュラーな喫煙スタイルです。こちらはウッドパイプで吸い口はベークライト製になっています。(フランスの老舗パイプメーカー「Bruyere」製)


◆ ライター&マッチ(Feuerzeug und Zündholzschachtel)

lighter.jpg  
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オイルライターは2つとも長さ5.8cmでアルミ製です。ライター、マッチともに煙草に火を付ける以外に、焚き火やストーブ、ランプの点火に使用します。マッチ専用のベークライト製の防水ケースもあります。(下記追加)

◆ マッチコンテナー(Streichholz Behälter)

match container1 match container2
  match container3

防水仕様になっており、マッチを水気から守ります。また中には濡れても大丈夫な防水マッチが入っています。

◆ 洗面用具(Toiletten Artikel)


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こちらは標準的なアルミ製の櫛(Kamm)です。身だしなみを大切にするドイツ兵にとって必需品だったらしく、持っていない兵士には部隊が給料天引きで支給したそうです。(ハルトマンさん、情報ありがとうございます)


grooming.jpg

本来、鏡と髭剃り道具は背嚢の中身ですが、上の写真に写っているので加えました。


◆ シュカート(Skat)
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カードゲームはどの国にも共通する兵士の余暇の過ごし方です。ドイツ軍兵士の間ではシュカートが人気で兵営内や移動中の車両、そして前線でも空き時間を見つけてはゲームに興じました。


◆ 軍務用眼鏡(Dienst-Brille)

dienstbrille4.jpg  
軍務用眼鏡は基本的に顔にかけ、ポケットにはケースのみ入れていたと思います。


◆ 財布(Brieftasche)

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財布は酒保や駐屯地での買い物に必要な小銭入れとして以外に恋人や家族の写真を入れておく場所でもありました。


◆ 略帽(Feldmutze)


M34cap3.jpg

略帽は野戦服のポケットに入れて持ち運ぶこととされていました。なお写真でよく見かけるウエストベルトに挟むのは正規の方法ではありません。ちなみに映画「Cross of Iron」で兵士が肩章の間に挟んでいましたが、試してみたところ幅が狭すぎて略帽が入らず・・・


◆ 防寒具

winter1.jpg  
手袋、マフラー、トークです。野戦服というよりもコートのポケットの中身なのかも知れませんが。

他にもポケットに入りそうなものはまだまだありますが、際限が無いのでこのあたりで締めたいと思います。
まとまりの無い内容でしたが、2週に渡ってお付き合いありがとうございました。

Pocket contents1


・・・おっと、重要なものを忘れるところでした。

◆ 包帯(Verbandpäckchen)
bandage.jpg

野戦服には包帯専用のポケットが用意されています。

pocket9.jpg  

こちらのポケットは中身が明確すぎる為、敢えてアップするまでも無かったのかも知れませんが。


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