洗面用具(Hygieneartikel)

先日急に奥歯が痛み出したので歯医者に行ってきました。診断の結果、重度の歯周病とのことで、歯茎を切って膿を摘出してもらいました。(今、顔が2倍に腫れ上がっています)
ちなみに海外での歯の治療は保険が一切効かないため、一回の処置に数万かかり非常に痛い出費です。
こうならないよう、普段からきちんと歯のケアをしておけば良かったと猛烈に反省しています。
(子供には"毎日歯をきちんと磨きなさい"と言っているのですが、親の面目丸つぶれです)

senmen4.jpg 
さて、今回はそんなこともあってドイツ兵の洗面用具に再度スポットを当てたいと思います。過去に雑嚢の中身背嚢の中身軍用タオルで紹介しているのでそちらもご覧下さい。

reibert2.jpg  
ドイツ軍の歩兵操典「REIBERT」には、健康を保つためには手洗いや歯磨きが重要であると書かれています。
(1939年版のREIBERTから)
reibert3_20130714091313.jpg  
毎朝の洗面(体?)風景


◆ 歯磨き(Zähne putzen)

歯は最低でも朝と夜、できれば毎食後に磨くこととされていました。濯ぐ際にはお湯を使うこと、冷水は歯のエナメル層を傷つける恐れのあるため避けるよう指導されていました。また歯茎を傷つけないようブラシは硬くないもの、柄は木製以外が推奨されていました。

まずは歯ブラシから。

bursten03.jpg  
こちらはプラスチック製の歯ブラシで硬毛になっています。

bursten01.jpg
こちらは透明のセルロイドでできています。ブラシが歯の形状に合わせて湾曲しているのが分かります。
bursten5.jpg
柄の部分にラッパのロゴマークと商品名の「Xira」とジュッターリン体で書かれています。

続いて歯磨き粉です。現代ではチューブ入りの練り歯磨き粉が主流ですが、第二次大戦当時はこのような箱入りの歯磨き粉が一般的でした。
zahnseife01.jpg
SOLIDOX社の歯磨き粉です。このSOLIDOXですが、元々はノルウェイのメーカーで現代でも存在しています。


   zahnseife5.jpg
歯磨き粉を四角く固めたものが入っています。
zahnseife02.jpg
こちらはLeo-Zahnseife(ライオン歯磨き粉)です。

zahnseife6.jpg
SOLIDOX同様、固形の歯磨き粉が入っています。


◆ 髭剃り(Rasieren)

兵士は毎日髭を剃るよう義務付けられていました。特に歩哨、点呼、上官への報告、特別な機会(パレードなど)の前には髭を念入りに剃る必要がありました。ただし水が手に入らない場合や特殊な環境下におかれた部隊、たとえば山岳猟兵やUボート乗員は免除されたようです。もちろん髭剃りはオシャレという側面のみならず、ノミやシラミの駆除という意味でも必要でした。

なお、折りたたみ式の剃刀がありますが、所有していないため今回は安全カミソリのみを紹介します。
rasieren5.jpg  
こちらはFASAN(キジ)というメーカーの安全剃刀で、本体はプラスティック製です。

rasieren2.jpg
替え刃各種。オレンジ色の包み紙の刃は1箱に10枚入っています。

grooming.jpg

以前紹介した折りたたみ式鏡にアルミ製の剃刀とシェーバーブラシ、替え刃のセットです。髭剃りクリームが無かったので探しておりました。
rasier-serife1.jpg

こちらが探していた髭剃りクリームとその容器。左側の粉を水に溶かしてブラシで泡立てます。

case1.jpg
このようなアルミ製の専用の容器で泡立てます。本来は中にガラスの器が入っているのですが失われてしまっています。割れてしまったのでしょうか?


case2.jpg

ガラスの器が無くても泡を立てるには困らない気がしますが・・・。

rasieren4.jpg


◆ 手洗い(Handwäsche)

手洗いは毎食前にする規則でした。その際、ブラシを使うことが望ましいとされ、特に爪と指の間は念入りに洗うよう指導されていました。
seife2_20130714120208.jpg
こちらは石鹸(Seife)と石鹸箱です。水洗いでもOKでしたが、できれば石鹸で洗う方がより清潔ですね。
手以外に顔、耳、首、胸、脇の下も洗うこととされました。

seife3.jpg

以上、洗面用具をざっと紹介しました。これらのほとんどは軍から支給され、個人でも酒保で買うことができました。

operation.jpg

いやー今回久々に歯の痛みを経験しましたが、痛みは集中力を低下させ、仕事の効率を著しく落としてしまいますね。
軍隊としてはこのような生活習慣から来る疾病の予防策は徹底的に行い、戦闘力の維持に努めたのはとても理解できます。


FC2 Blog Rankingに参加しています。

←ポチっと応援お願いします!

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
スポンサーサイト

ニベアクリーム (NIVEA CREME)

先週のショカコーラに引き続き、缶モノとしてドイツ兵士に愛用されたニベアクリーム(NIVEA CREME)を紹介します。
ニベアは超がつくほど有名な製品であり、用途も簡単明瞭・・・と思いきや実は意外な使い方もあったりします。
これまで過去の記事(雑嚢の中身野戦服のポケットの中身)でコンテンツとして取り上げましたが、缶のバリエーションもいくつか入手できたので個別に記事にしたいと思います。

NIVEA1.jpg
■ 誕生

ニベアクリームの歴史については、かなり詳しく同社のサイトで説明されておりますが、今回は簡潔にまとまっているWikipediaから抜粋しました。

ニベア (NIVEA) は、ドイツバイヤスドルフ社の化粧品ブランドである。ラテン語で「雪のように白い」を意味する niveus/nivea/niveum に由来する。
1900年、2代目オーナーのオスカー・トロプロヴィッツが、新しい乳化剤「Eucerit」を発明し、それを使ったクリームを Eucerin として売り出した。1911年、新ブランド「ニベア」に移され発売された。

NIVEA16.jpg  NIVEA14.jpg

ちなみにこのサイト、言語を選択することで世界各国のバージョンに切り替えることができます。
個人的な女優さんの好みもありますが、やはり日本のサイトが最高。いや~癒されます。


■ 内容

現代と変わらず、トレードマークである青い円形のアルミ製もしくはスチール製の缶(通称"青缶")にクリームが入っております。
ガラスビンやチューブ状の容器もあるようですが、一般的には缶での使用が多かったでしょう。
NIVEA9_2013102520354446f.jpg
クリームの全成分

水、ミネラルオイル、ワセリン、グリセリン、水添ポリイソブテン、シクロメチコン、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンアルコール(Eucerit)、パラフィン、スクワラン、ホホバ油、オレイン酸デシル、オクチルドデカノール、ジステアリン酸Al、ステアリン酸Mg、硫酸Mg、クエン酸、安息香酸Na、香料

容量は70ccm (ml)と170ccm(ml)の2種類があります。

■ 使用法

保湿成分により肌のうるおいを保つというスキンケアが主ですが、他にも下記のような使用例が報告されています。

-リップクリーム
-日焼け止め
-シェービングクリーム
-保革クリーム
-鼻血(出血)止め

なんというオールマイティさ!
さすがに最後の鼻血止めはまさか~と思いましたが、本当のようです。真面目にこちらで紹介されております。

また、以前紹介しましたが、ニベアクリームを食べると黄疸に似た症状が出る為、仮病を装い前線から離れる手口に使われた、なんて独特の使用法もあったようです。(最強の狙撃手より)


最強の狙撃手
 
ちなみに、女性に優しいエーデルマンは、お肌のトラブルにお悩みの女性を口説く助ける為に使うことでしょう!

NIVEA18.jpg

■ バリエーション

NIVEA13_20131025225034872.jpg

1911年から現代までのニベアクリーム容器の変遷です。1931年もしくは1935年に発売されたタイプが大戦中に使用されていたタイプと言えるでしょう。兵士はニベアクリームを地元の店や酒保で買うことができたと思います。
NIVEA10.jpg
こちらは商品ナンバー368で70ml入り容器です。直径7.5cm、深さ2cmの缶でアルミ製です。
おそらく戦前の1935年に販売されたタイプでしょう。

表側:FUR HAUS UND SPORT(家庭及びスポーツ用) ZUR HAUTPFLEGE(スキンケア)
裏側:NIVEA -CREME ist ein vielfach bewährtes Hausmittel.
(ニベアクリームは実績のある家庭常備薬です。)
Ihr Euzeritgehalt bewirkt ein rasches Eindringen in die Haut, die dadurch geschmeidig und widerstandsfähig bleibt u.in Luft u. Sonne allmählich u.natürlich bräunt.
(乳化剤「Eucerit」がお肌に素早く浸透し、肌をしっとり感を与え長く持続し、ゆっくりと自然な日焼けを促します。)

えっ?日焼け防止ではなく、日焼けを促す?たぶん翻訳の過程で間違った可能性がありますね。。。

 NIVEA11.jpg

こちらも同じ商品ナンバーで70ml入りですが、薄いスチール製です。もちろん、戦争が始まり、貴重なアルミニウムの温存対策であることは間違いありません。

裏側:NIVEA-CREME ist ein vorzugliches Mittel zur Pflege der Haut und des Korpers.
(ニベアクリームは肌と体のケアに優れた薬剤です。)
Sie schutzt die Haut vor den Einflüssen der Witterung, erhält sie geschmeidig, erhöht die bräunende Wirkung der Sonnenstrahlung und bringt Linderung der verschiedensten Beschwerden.
(天候による影響から肌を守り、うるおいを与え、太陽光による日焼けの効果を高め、様々な肌のトラブルを緩和します)

うーん、やはり日焼けオイルのような記述。

実は今まで知らなかったのですが、日焼け止めオイルも日焼けオイルも結局は紫外線を防ぎ、過度の日焼けをさせないという意味では一緒なんだそうです。
昨今、日本では美白がもてはやされていますが、元々肌の色が白い西欧人にとって、日焼けは健康の証、程よく焼けている方が見た目も肌の状態としても望ましいということなんでしょう。
NIVEA12.jpg 最後にこちらは商品ナンバー363、170mlの大型容器です。直径は9.5cm、缶の深さも3cmとなります。
上記と同様スチールで出来ていますが、字体を見ると1931年に販売されたタイプのようです。

裏側:NIVEA CREME ist ein unvergleichliches Schonheitsmittel fur Erwachsene und Kinder.
(ニベアクリームは大人と子供の美容を助ける比類の無いものです。)
Sie schützt die Haut vor den Einflüssen der Witterung, erhält sie geschmeidig, erhöht die bräunende Wirkung der Sonnenstrahlung.
(天候による影響から肌を守り、うるおいを与え、太陽光による日焼けの効果を高めます。)

NIVEA8.jpg
当時の価格は70mlが0.5ライヒスマルク、170mlが1.2ライヒスマルクです。
Rabatt verboten(値引きは禁ずる)とあり、バイヤスドルフ社の自社製品への自信が伺えます。

北は北極圏から南はサハラ砂漠、さらに高度上空で戦ったドイツ兵の、いや連合国兵士の肌をもニベアクリームは守ったことでしょう。


FC2 Blog Rankingに参加しています。

←ポチっと応援お願いします!

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
Profile

エーデルマン

Author:エーデルマン
脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

↓管理人へのMailはこちらからどうぞ↓

Calender
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
Category
FC2 Counter
検索フォーム
最新記事
Comments
Archive
ブロとも申請フォーム
Links
RSSリンクの表示
Flag Counter
エーデルマンの参考文献
Ss-brigadefuhrer Und Generalmajor Der Waffen-ss Theodor "Teddy" Wisch
Ss-brigadefuhrer Und Generalmajor Der Waffen-ss Theodor "Teddy" Wisch
個人秘蔵の未公開写真が満載でLSSAHファンは必読の書。著者は友人

WWII ドイツ軍兵器集 〈火器/軍装編〉 (1980年) ワイルドムック
WWII ドイツ軍兵器集 〈火器/軍装編〉 (1980年) ワイルドムック
長年教科書だった本。小宮氏の「ドイツ軍の全貌」の解説がすごい

最強の狙撃手
最強の狙撃手
ドイツ軍No.2スナイパーの回顧録。狙撃シーンもすごいが、当時の兵士の生活も垣間見れる一冊

第2次大戦ドイツ軍装ガイド
第2次大戦ドイツ軍装ガイド
鮮明な写真による軍装品説明はブログ写真撮影の参考にしています

ドイツ軍装備大図鑑: 制服・兵器から日用品まで
ドイツ軍装備大図鑑: 制服・兵器から日用品まで
軍装品のカタログとも言えるボリュームは圧巻。実は密かに打倒を狙っていたり・・・

第2次大戦ドイツの自動火器
第2次大戦ドイツの自動火器
実物のFG42実射レポートを読めるのはこの本だけ

“グロースドイッチュランド”師団写真史―東部戦線におけるGD機甲擲弾兵師団1942‐1944
“グロースドイッチュランド”師団写真史―東部戦線におけるGD機甲擲弾兵師団1942‐1944
ドイツ国防軍好きなら買って損はなし

図説ドイツ軍用銃パーフェクトバイブル (歴史群像シリーズ Modern Warfare MW)
図説ドイツ軍用銃パーフェクトバイブル (歴史群像シリーズ Modern Warfare MW)
ドイツの軍用銃の専門書でビジュアル的に見ていて楽しい

ドイツの小銃拳銃機関銃―歩兵兵器の徹底研究 (光人社NF文庫)
ドイツの小銃拳銃機関銃―歩兵兵器の徹底研究 (光人社NF文庫)
ドイツ軍用銃のバイブル的な書。ドイツ軍スナイパートップ3への一問一答が興味深い

Feldbluse: The German Soldier's Field Tunic, 1933-45
Feldbluse: The German Soldier's Field Tunic, 1933-45
M33からM44までドイツ陸軍の野戦服を網羅。特にM36以前の野戦服は必見

Rations of the German Wehrmacht in World War II
Rations of the German Wehrmacht in World War II
とにかく当時のドイツ兵が食べていた糧食にこだわった一冊

武器と爆薬―悪夢のメカニズム図解
武器と爆薬―悪夢のメカニズム図解
迫撃砲はどうやって砲弾を飛ばすのか?小銃擲弾は?ほかにも大砲や爆弾のしくみを源文マンガでわかりやすく解説

グラフィックアクション GRAPHIC ACTION 1993年 No.17
グラフィックアクション GRAPHIC ACTION 1993年 No.17
このシリーズは市場で見つけたら買うべし

ドイツ武装親衛隊軍装ガイド (ミリタリー・ユニフォーム)
ドイツ武装親衛隊軍装ガイド (ミリタリー・ユニフォーム)
WSS専門だけど全部実物!

鼠たちの戦争〈上〉 (新潮文庫)
鼠たちの戦争〈上〉 (新潮文庫)
映画「スターリングラード」の原作本的な内容だが100倍面白い

鼠たちの戦争〈下〉 (新潮文庫)
鼠たちの戦争〈下〉 (新潮文庫)


スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1943 (朝日文庫)
スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1943 (朝日文庫)
塹壕から故郷へ送った兵士の手紙が興味深い「クリスマスはドイツ風に」の章は涙なくしては読めません

ケルベロス 鋼鉄の猟犬 (幻冬舎文庫)
ケルベロス 鋼鉄の猟犬 (幻冬舎文庫)
ヒトラーが暗殺された後の撤退戦を描いた架空小説。小道具にこだわるところがマニアっぽい

eBay
QR CODE
QR