フードコンテナー (Essenbehälter)

タイトルとは関係ないですが、最近になってやっと『フューリー』を観ました。ボービントン戦車博物館のティーガー戦車を使ったという話題作で、今まで見た中では一番リアルな戦争映画ではありますね。
出演者もブラピはじめ素晴らしい演技をしているのですが、こういう趣味をしていると、どうしても細い所が気になってしまい、ストーリーに集中できないのはちょっと残念でした。

さて、今回はドイツ軍のフードコンテナー(Essenbehälter又はSpeisenträgerとも言う)を紹介したいと思います。


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フードコンテナーはフィールドキッチン(Feldküche 別名シチュー砲)で調理した食べ物を前線部隊へ運搬するのに使われました。
容量は約12リッターで、ドイツ軍の糧食メニューである、シチューや肉・ソーセージなどの運搬に使用可能です。    

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フードコンテナーは通常、大型フィールドキッチン(Gross Feldküche)には6個、小型フィールドキッチン(Kleine Feldküche)には4個装備されていました。

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フィールドキッチンは安全な後方に置かれる為、離れた前線へは毎日作った糧食を運搬する必要があります。よってフードコンテナーは前線を維持する上で無くてはならない装備品でした。

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しかしながら総重量20キロ以上にもなるフードコンテナーを背負って前線まで糧食を届けるのは重労働で、また狙撃手の標的となりやすく危険を伴います。
このことから運搬作業に従事する兵士は、隠れたヒーローで前線の兵士から大変感謝されたのは間違いありません。

ドイツのTVドラマ『ジェネレーション・ウォー』ではこのフードコンテナーが何度か出てきます。

ジェネレーション・ウォーDVD-BOXジェネレーション・ウォーDVD-BOX
(2014/06/04)
フォルカー・ブルッフ、トム・シリング 他

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このドラマは3話完結で1941年のソ連侵攻から終戦までを男女5人の視点で描いているのですが、時代考証はしっかりしており、野戦服を始めとする小道具もきちんと再現されています。
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1941年の冬季戦線のシーン。フードコンテナーもアルミ製でフィールドグレイ色に塗装されています。
個人的には実物を使用しているんじゃないかと思ってます。


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フードコンテナーは二重構造になっていて保温性が高く、糧食を入れる内容器は取り外せ簡単に洗えるようになってます。
コンテナー本体及び内部容器は初期はアルミ製、後期にはスチール製となります。スチール製の内容器は後期の飯盒水筒と同じく、錆防止のためエナメル加工が施されています。

写真のフードコンテナーの場合、本体はスチール製ですが、内容器も上蓋内側もアルミ製となっており、移行期のモデルのようです。また逆のパターン(本体がアルミ製で内部がスチール製)も存在しています。

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上蓋の蝶ボルトは手でもしっかり閉められる構造で、横にしても内容物が漏れません。

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フードコンテナー専用レードル(Schöpflöffel)です。1938年の刻印があります。
激戦地スターリングラードで発掘されたものらしくアルミ製ですが、かなり朽ちこみがあります。
スチール製でエナメル加工のあるレードルも近年見つかっています・

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このようにレードルは上蓋の内側に収納できます。上蓋の淵には密閉の為のゴムパッキンが見えます。



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こちらのストラップはコットンと革の組み合わせですが、すべて革のタイプもあります。


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朝の洗面作業。フードコンテナーを使ったお湯の配給があったのでしょうか?右側の兵士がレードルで中身をすくっています。

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兵装が緩いため、前線からはかなり離れた場所と思われます。記録係がいる典型的な給食ラインです。シチュー鍋から飯盒に糧食が配給されています。

最後に資料本の紹介です。

Gulaschkanone: The German Field Kitchen in World War II and Modern ReenactmentGulaschkanone: The German Field Kitchen in World War II and Modern Reenactment
(2011/02/28)
Scott L. Thompson

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『Gulaschkanone』は一年ほど前に購入したフィールドキッチンについての資料本です。レストアされた“シチュー砲”と共にフードコンテナーなどのアクセサリーの写真も満載です。

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左側はスチール製の内部写真と専用レードルで飯盒にスープを入れる写真、右側はスープ以外にソーセージや塩漬けキャベツが入っています。

この本を見ていると、だんだんフィールドキッチンが欲しくなってくるのは気のせいでしょうか。
当然買う金なんてどこにも無いし、あっても簡単に手に入るものでは無いのでタミヤのプラモデルで我慢しておきます。

foodcontainer27.jpgfoodcontainer26.jpg


1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ ドイツ野戦炊事セット1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ ドイツ野戦炊事セット
(2001/03/27)
タミヤ

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最近のモデルには、フードコンテナーもばっちり装備されてるんですね~
ちなみに私が子供の頃はこちらのパッケージでした。馬だけ欲しくて買った記憶が・・・今度はちゃんと作ります。。。

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フードコンテナー (Essenbehälter) Part2

こんにちはエーデルマンです。まだ梅雨は明けてないようですが、すでに真夏のように暑いですね。
さて本日は、ちょっと変わったフードコンテナー(Essenbehälter)を紹介したいと思います。 


Supecontainer1.jpg 
以前、こちらでも紹介しましたが、ドイツ軍のフードコンテナーはフィールドキッチン、別名シチュー砲(Gulaschkanone)で調理した食べ物を兵士が背負って前線部隊へ運搬する為の容器です。

Supecontainer2.jpg Supecontainer3.jpg 
形状はウイスキースキットルに似ています。サイズは横幅が35cm、縦が45cmです。面倒なので容量は測っていないのですが、だいたい20リッターくらいでしょうか?(適当ですみません)

上から見たところ。上部に蓋があり食糧の出し入れが出来るようになっています。 
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蓋は紛失防止の為、チェーンで繋がれています。 Supecontainer10.jpg
蓋はネジが切ってあり、回して外します。密閉する為、ゴムのパッキンが貼ってあります。

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取り出し口の直径は約12cmです。この形状からも飲料水やコーヒー、紅茶など飲み物専用の運搬缶と想定されます。ただし、二重構造になっていない為、一般的なフードコンテナーのような保温機能はありません。

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保温機能付きのフードコンテナーとの比較。横幅はほぼ同じですが、高さが10cmほど違います。

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蓋には「G&CL 39」の刻印があります。 “39”は1939年製、“G&CL”は食器メーカーで水筒や飯盒などもドイツ軍に供給していたGerhardi & Co, Lüdenscheidのメーカーコードです。


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こちらはストラップを取り付けるパーツですが、非常に複雑な形をしています。フック形状の金具以外にナス環も取り付けられるようになっています。 


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このタイプのフードコンテナーはバリエーションが豊富で、蓋の開閉方法やストラップ取り付け部の形状が違うタイプが複数存在しています。メーカーの違いによるものか、旧式と改良型なのかは判っていません。


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脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
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