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山岳猟兵用ゲートル (Gamaschen für Gebirgsjäger)

今更ですが皆様あけましておめどうとうございます。本年も『東部戦線泥沼日記』をどうぞよろしくお願いいたします。
さて、本日は山岳猟兵(Gebirgsjäger) に支給されたゲートル(Gamaschen)をアップしたいと思います。

gamaschen0.jpg
ドイツ軍山岳猟兵の登山靴(Bergstiefel)と巻きゲートル(Wickelgamaschen)及び短ゲートル(Stoffgamaschen)です。
ゲートルは脛を守るという目的以外に、長時間歩行する際に披露を軽減する効果もあります。ヨーロッパの軍隊で伝統的に使用されてきましたが、ドイツ軍は第一次大戦から兵士には半長靴を支給しました。

$_12.jpg 
半長靴はアンクルブーツ(編上靴)+ゲートルに比べ、着用に時間がかからない一方で、異物が靴の中に入りやすい構造となっています。
(機械化された部隊が比較的平坦な土地で戦う場合は良いでしょうけど・・・)
しかしながら、より険しい道を長時間歩かねばならない山岳猟兵にとって、半長靴はふさわしい装備ではなく頑丈な登山靴とゲートルが支給されました。

まずは定番の巻きゲートル(Wickelgamaschen)から紹介しましょう。

巻きゲートルとは 

巻脚絆とは包帯状の細い布を巻いて脚絆を作るもの。19世紀末頃から使われ始める。世界の軍隊の軍装品としては第一次世界大戦をピークに、第二次世界大戦頃まではレギンス型や長靴とともに各国の軍隊で広く用いられた。脚絆の一端には脚絆を最後に固定するための紐が取り付けられている。欠点としては、上手に巻くには慣れが必要で時間がかかり、高温多湿の環境下ではシラミなど害虫の温床になりやすい。

ー「Wikipedia」より-


gamaschen16.jpg 
こちらの巻きゲートルは官給品とされているタイプで、グレー色のウール生地でできています。
非常に珍しい当時の紙ラベルが付いた未使用状態です。

gamaschen18.jpg 

「Mars-Band」(火星バンド)
「Eingetragenes Warenzeichen」(登録商標)
「Verschlussband für lange Hosen」(長ズボン用裾テープ)


gamaschen19.jpg 

裏側は文字はなく、巻きゲートル本体と紙ラベルが虫ピンで止められています。
本来なら巻きゲートルを広げた写真を掲載すべきですが、紙ラベルを破るのがもったいないので、ネットで拾った画像を貼っておきます。
(スミマセン・・・)

gamaschen24.jpg gamaschen25.jpg gamaschen26.jpg 
タグにはL(Links)、R(Rechts)の文字があり、左用・右用に分かれています。タグの下にあるのは登山靴に固定する際に靴紐に引っ掛ける金具です。

gamaschen23.jpg 
こちらは巻きゲートルに付属する取扱説明書です。巻き始めはフックを2番目と3番目の間にある紐に引っ掛けるべし、など巻き方の説明が載っています。

gamaschen28.jpg 
裏面には取り外し方が載っており、外した後は緩ませた状態で数時間おいてすぐに巻かないこと、などの注意書きがあります。

GJRb-15.jpg 
休憩中の山岳猟兵。兵士によってゲートルの長さがマチマチなのが興味深いです。

続いて短ゲートル(Stoffgamaschen)の紹介です。
実は恥ずかしながら2-3年前まで短ゲートルの存在を知りませんでした。
短ゲートルの存在を知ったのはこの本を入手してからです。


The German Mountain Army Soldier of WWII

この本には山岳猟兵の実物軍装や当時の写真が多く掲載されており、山岳猟兵ファンなら必携の一冊です。

gamaschen21.jpg 
これを見た時、思わず「米軍かよ!」と突っ込んでしまいました。
この短ゲートル、残存数が少なく探すのに苦労しました。(とは言いつつも巻きゲートルより先に入手したんですが・・・)

gamaschen4-2.jpg
この短ゲートルはダークグリーン色のキャンバス生地で作られています。革製の紐で10個のハトメで締めるようになっています。

gamaschen5.jpg
裏地です。ウェブで縁が補強されており、非常に頑丈な造りになっています。

gamaschen6.jpg
スタンプのクローズアップ。RB  Nr とGr Ⅲ(Größe=サイズ3) が白いインクで書かれています。
gamaschen9.jpg 
登山靴に装着してみました。巻きゲートルと違い開口部を完全に覆うことができます。
(紐がブチッと切れるのが怖くて、締め方が緩々なのはお許し下さい)

gamaschen10.jpg 
踵の部分は二重に補強されています。
gamaschen11.jpg 
こうして見るとますます米軍レギンスに見えます。

gamaschen12.jpg 
短ゲートルは鉄金具で土踏まずの部分で固定します。

gamaschen15.jpg 
ウェブ製ストラップは革ループに通して固定。
gamaschen29.jpg 
ストラップの金具は水筒のフェルドカバーのなどスナップに使用されているSTOCKO製です。
gamaschen30.jpg
米軍かよ!(しつこい)
さて、これらのゲートルですが、2つとも山岳猟兵には支給されたのでしょうか?

gamaschen1.jpg
こちらの写真では同じ部隊の兵士がそれぞれ巻きゲートルと短ゲートルを使用していることが分ります。
なお右側の兵士は短ゲートルの上から巻きゲートルを被せて防水性を高めているようです。

山岳猟兵の当時の写真は巻きゲートル姿がほとんどで、短ゲートルを着用した兵士の写真は少ないことから、巻きゲートル=一般装備、短ゲートル=特殊装備として限られた兵士のみに支給されたのかも知れません。


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山岳猟兵用ゲートル (Gamaschen für Gebirgsjäger) その2

前回の日記でアップした巻ゲートル(Wickelgamaschen)は、足首部分を巻くにはちょうど良い長さですが、膝下まで巻くには長さが足りません。

gamaschen31.jpg
ノルウェーのナルヴィクで、山岳猟兵分隊を閲兵するエデュアルト・ディートル第3山岳師団長。
さすが山岳部隊、将校も山岳ブーツに巻ゲートル着用です。
(良く見ると前列左から3人目と4人目の兵士は前回紹介した短ゲートルと巻ゲートルを併用していますね)

ネットで調べると長さは2m半くらいあるらしく、旧日本軍のそれも同じ位の長さだったようです。
gamaschen32.jpg
こちらが長い巻ゲートルです。こちらだけだと長さの違いが分かりません。


DSC07170.jpg
で、両方を並べてみました。長さは倍以上も違いますが幅は同じ7.5cmです。


 
The German Mountain Army Soldier of WWII

山岳猟兵の資料本によれば、巻ゲートルにはロング、ミディアム、ショートの3タイプがあるようです。
ロングは戦前のライヒスヴェーア時代から一般の兵士にも支給されていましたが、ショートは山岳猟兵用に作られたとのこと。

gamaschen36.jpg 
写真のゲートルはショートタイプで「Mars-Band」のタグがあります。手前の新品のゲートルもMars-Bandでショートタイプなので間違いなく同じタグがあるはずです。


gamaschen33.jpg

こちらの巻ゲートルには白い「Mars-Gamasche」タグがあり、右と左に分かれています。

今回入手した巻ゲートルは新品ではないので実際に足に巻いてみようと思いましたが、経年で生地がかなり薄くなっており、きつく巻くと破れそうなので実演は断念しました。

ということで今回の日記はこれで終了です。
gamaschen35.jpg
次回の日記はこの中に写っているアイテムを取り上げたいと思います。


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山岳猟兵用スタッフバッグ(Stoffbeutel für Gebirgsjäger)

桜満開のシーズンですが花粉症がひどく、引き続き自宅に引き籠り中のエーデルマンです。
今年に入ってから山岳猟兵アイテムについての記事が続いていますが、今回も表題のとおり山岳猟兵用のスタッフバッグ(Stoffbeutel für Gebirgsjäger)をアップしたいと思います。

staffbag16.jpg

山岳猟兵が使用したスタッフバッグです。4色1セットになっており色で仕分けができるようになっています。
以前紹介した背嚢用スタッフバッグと同じコンセプトですね。

青色タグ。
  staffbag3.jpg
黄色タグ。
staffbag2-1.jpg
緑色タグ。
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寸法はタテ23cmヨコ33cmで、生地は撥水性の高そうなキメの細かい茶色のコットン製です。
紐で口を絞ることができるようになっています。なおハトメではなく紐通しになっているバージョンもあります。
staffbag4-1.jpg
赤いタグが付いているバッグはグリーン地が強くなっています。
staffbag5-1.jpg

タグの無い三角形のタイプはクライミングシューズ(kletterschuhe)用のバッグとされています。
こちらはタテの寸法が37cmとなっています。

靴用を除き、どの色のバッグに何を入れるかは兵士の裁量になっていたようですが、部隊毎に決まりがあったのかも知れません。

ところで、リュックサックにはどんなモノを入れていたのか、気になったので調べてみました。
こちらは一次資料があるので、参考までに掲載します。
staffbag13.jpg
このイラストは「Der Dienstunterricht in der Luftwaffe」の掲載されているもので、リュックサックの中身と収納方法を紹介しています。


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「Der Dienstunterricht in der Luftwaffe」は ベルリンのE.S. Mittler & Sohn社から出版された空軍兵士向けの市販マニュアルで、シリーズには陸軍操典「Der Dienstunterricht im Heere」、通称「REIBERT」があります。
なお「REIBERT」は陸軍操典の著者であるWilhelm Reibert.博士の名前ですが、戦後は陸・海・空操典のタイトルになりました。

DER REIBERT 
ところで陸軍操典には背嚢の収納法については載っていますが、リュックサックについての記述はありません。
陸軍でのリュックサックの支給は戦争後期になってからなので、収納方法の説明が掲載されることなく終戦になったものと思われます。(大戦中のREIBERTは1943年が最終版となります)

Reibert3.jpg 
リュックサックは背嚢に比べて容量が大きく、イラストにある通り背嚢では外に括り付けていたツェルトバーンや毛布も中部に収納できます。さらに携行食の量も種類も比較にならないほど多いです。
山岳地帯を行軍するゆえに機械化した輜重段列を随伴させられない山岳猟兵にとって、リュックサックは必要不可欠なアイテムだったでしょう。

staffbag17.jpg 
ただし、たくさんモノが入るとういうことは注意して収納しないと、どこ何を仕舞ったか分らなくなる可能性が高く、また背嚢のように両開きしない構造上ピンポイントに素早く取り出すのは困難です。
仕分けがしやすいスタッフバッグは現在でも登山では重宝されており、当時もリュックサックには必須アイテムであったことは間違いありません。
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ピッケル(Eispickel)

皆様、GWはいかがお過ごしでしょうか? 私は現在、スイスの海辺のリゾート地でバカンス中です。現地の人にドイツ語で話しかけられると理解できるのですが、スイス語だと私でもちょっと理解できません。

・・・なんて、ネタはここまでにして、本日は山岳猟兵(Gebirgsjäger)が使用したピッケル(Eispickel)を紹介します。

2044082_orig.jpg  
ピッケルは、積雪期の登山に使うつるはしのような形の道具。語源はドイツ語のアイスピッケル(Eispickel )。アイスアックス(英語:Ice axe )、ピオレ(フランス語:Piolet )とも呼ばれる。(中略)
かつて近世-戦前程度には杖としての使用局面が多かったらしく100 cm程度あったが、現在はストックを別に用意することも多く、シビアな局面だけで利用されることが増えたため短めのデザインとなっている。
-「Wikipedia」より-
 こちらは私が1本だけ所有するピッケルです。詳細を見ていきましょう。

icepick_12.jpg icepick_11.jpg      
まず各部の名称ですが、柄の部分をシャフト、柄の上端に付いている鉄製の頭部をヘッド、ヘッドの両側に付いた刃のうち細く尖った方の刃をピック、広がった方の刃をブレード、柄の下端に付いた尖った部分をシュピッツェ(石突き)といいます。こちらのピッケルは全長79cm、シャフトの長さは62cm、ヘッドは27.9cm、重さは約1.3kgです。
icepick_5.jpg
ヘッドのクローズアップ。ピック部分には歯が15個付いており、氷や雪に突き刺した後にギザギザで引っ掛かるようになっています。

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上から見たところ。見た目はまんまつるはしです。
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刻印のクローズアップ。「STUBAI」はメーカー名で、同社の社史によれば、オーストリアの西部チロル地方あるスチュバイ谷(STUBAI  TAL)のフルプメス村の鍛冶職人たちにより1897年に設立された会社のようです。60年代に社名をSTUBAI  BERGSPORTに変更し現在も存在しています。なお社名を囲っている菱形は戦後、3つの頂きを持つ山の形に変更されます。

スチュバイ谷のフルプメス村
neustift1_03.jpg
ちなみに村の名前「FULPMES」が刻印されたピッケルも有名で、STUBAIと同じく戦前から戦中にかけて製造され山岳猟兵に使用されました。

「ASCHENBRENNER」は戦前・戦後に活躍した“ヒマラヤ・ペーター”こと、オーストリアの登山家ペーター・アッシェンブレンナー(1902-1998)の名前です。(アッシェンブレンナーは、大戦中は山岳猟兵、陸軍山岳ガイド:Heeresbergführerでもあった)
なおこちらによれば、1930年代初めにアッシェンブレンナーはSTUBAI社と協同で開発したとしています。
アッシェンブレンナーの名を冠したピッケルはまたたく間にヒットし、大量にコピー品が出回ったために本物の証である「ORIGINAL」「GES.GESCH.」(登録商標)の刻印が上下に打たれています。
icepick_6.jpg

このピッケルは、反対側にも刻印があります。
icepick_10.jpg 
第100山岳猟兵連隊第3中隊の刻印。なお第100連隊については過去にこちらで記事にしています。
このような刻印はヘッドやシャフトに時々見られます。(中には胡散臭いものもありますが・・・)

icepick_19.jpg   icepick_20.jpg
こちらは第99山岳猟兵連隊第1中隊の刻印が入ったSTUBAI社のアッシェンブレンナーピッケル。「FÜHRERPICKEL」(案内人のピッケル)の刻印があります。(画像をクリックすると拡大します)

後述しますがピッケルは特殊な用途の装備である為、他の官給品のように個々の兵士に支給せず、部隊で保有し必要な兵士にのみ貸与したのでは無いかと考えます。


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このピッケルのブレードはフラット・ブレードと呼ばれるタイプで、他にもコンケーブ・ブレードという先端が凹型のタイプもあります。

icepick_14.jpg
ピッケルバンドは鉄製リング留めで、脱落しないようストッパーがネジ止めされています。なおバンドの色がフィールドグレイは軍用、写真のようなストライプは民間用と言われていますが、Esbit懐中電灯のように民間用だったものが軍用として使用された装備品の場合、官民の区別は無かったと思われます。

icepick_16.jpg
シュピッツェの長さは7cm。鋭く尖っており武器としても通用しそうです。

次はピッケルの用途について。
その用途は幅広く、氷雪の斜面で足がかりを作るのに用いるほか、確保の支点(ビレイピン)、滑落時の滑落停止、グリセード時の制動及び姿勢の維持、アイスクライミング時の手掛かり、杖代わり、時には雪上でテントのペグとして使ったりもする。
-「Wikipedia」より-
と色々あるようですが、まとめると下記の三つのようです。

 1.硬軟緩急不安定な雪面で歩行の際のバランス保持の役割
 2.急な斜面での上り下りのホールド(手がかり)の役割
 3.転倒時のアンカーブレーキの役割


では実際の使い方を写真で見ていきましょう。(写真はこちらのサイトからお借りしています)

1.硬軟緩急不安定な雪面で歩行の際のバランス保持の役割

雪面にシュピッツェを突きさしてバランスを取ります。

■ 登攀時に支点として使用(ケーン・ポジション)
fig10-2.gif 

■ トラバース(横断)時に支点として使用(クロスボディ・ポジション)
fig10-3.gif 

■ 下降時に支点として使用
fig10-11.gif fig10-10.gif 


2.急な斜面での上り下りのホールド(手がかり)の役割

堅雪ではピックを突き刺して支点にします。

■ アンカー・ポジション
fig10-4.gif 

■ プッシュ・ホールド
fig10-6.gif 

■ ダガー・ポジション
fig10-7.gif 

■ ハンマー・ポジション
fig10-8.gif

3.転倒時のアンカーブレーキの役割
斜面を滑落した場合に、ピッケルのピックを使って止める技術です。

fig10-14.gif fig10-14b.gif

最後に、FULPMESとSTUBAIの関係について調べていたところ、あるフォーラムで下記のような記述を見つけました。
(大戦中のピッケルのメーカーはどこか?という問い合わせについての回答の全文)
I am not an expert on the matter, but know a bit about these. The most common are Werk Fulpmes which was the cooperative name for the many small blacksmiths in the Stubai valley of Austria that made them. They were all too small to be awarded a contract and so started the co-op to get the Wehrmacht contract. They stamped their Eispickel with WERKGEN FULPMES in an oval and their Steigeisen with FULPMES GENOSSENSCHAFT in a circle. That co-op eventually became the Stubai Werkzeugindustrie which still exists today. Their logo was "STUBAI" in a diamond. Then there was "F. RALLINGS SCHMIEDEWERKE FULPMES", "FRANZ SEEN FULPMES", and "A. HORESCHOWSKY Wien". Those are the ones I know of. Items made in the Stubai valley were waffenamt'd WaA108.
My information comes from Hermann Falschlunger who worked for Stubai Werkzeugindustrie his entire life and who's father worked there during 2WK. I met Herr Falschlunger at many Chicago National Restaurant Assoc. shows (Stubai makes chef's knives as well) and he was amazed that someone cared to understand what his company manufactured so long ago. We had quite a few long talks and he is a most pleasant and helpful man.

<直訳>
私はこれ(登山道具)についての専門家では無いが、問い合わせの内容について少しだけ知っているよ。一般的なのはオーストリアのStubai谷の小さい鍛冶職人の共同組合であるFulpmes Werk(Werk=工房)だね。彼らは国防軍と契約するには小規模だった為、会社化したんだ。(中略)その会社は最終的にStubai社となり現在も存続しているよ。(中略)この情報はStubai社に永年勤続したHermann Falschlunger氏から得たもので、彼の父親も第二次大戦中に同社に勤めていたようだ。(中略)Falschlunger氏はStubai社がずっと前に製造していたものについて誰かが熱心に知ろうとしていることにとても驚いていたよ。

フルプメス村は14世紀から鋳鉄産業が盛んで鍛冶職人が複数存在しており、それらが共同組合(FULPMES GENOSSENSCHAFT)を結成、やがて時代の流れに応じ会社化したようです。ここからは推測ですが、STUBAIはFULPMES社の商品名の一つでアッシェンブレンナーモデルは最初は「FULPMES」、やがて「STUBAI」のロゴを付けて販売され大ヒット、戦争が終わり(国防軍に協力したイメージを払拭する意味でも)知名度の高い商品名を社名にしたというのはいかがでしょうか?同じような例は世界中にたくさんあり、日本でも、ニコン(日本光学)、キッコーマン(野田醤油組合)、マツダ(東洋工業)、最近ではスバル(富士重工)など枚挙にいとまがありません。

最初はオーストリア(ドイツ)を代表する2社が競合、最終的にSTUBAI社がFULPMES社を買収したと思っていましたが、STUBAI関係者の話と、14世紀から変わらないフルプメス村の牧歌的な風景を見てそう思った次第です。

1930年頃のフルプメス村
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山岳猟兵用スノーゴーグル(Schneebrille für Gebirgsjäger)

どうも!GWはスイスでバカンスとか冗談はよし子さん(死語)でずっと家に引きこもり状態だったエーデルマンです。花粉症は治ったのですが、渋滞や人混みが苦手なので家でダラダラしていました・・・。
さて、最近続いている山岳猟兵(Gebirgsjäger)アイテムですが、まだまだネタは続きます。今日のネタはスノーゴーグル(Schneebrille)です。

Goggle25.jpg 
雪の上は太陽の照り返しが強く、眩しい中での視界確保や雪目(正しくは雪眼炎と言うようです)を防ぐ為にはゴーグルもしくはサングラスが必須です。そのような場所で活動することが多い山岳猟兵は当然スノーゴーグルを使用しました。

こちらのゴーグルは上記のプロマイドの山岳猟兵も着用している代表的なタイプです。


Goggle29-1.jpg

オーバルタイプのゴーグルで、黄色っぽいオレンジ色のプラスチック製レンズが入っています。
Goggle6-1.jpg 
フレームはアルミ製で上下に曇り止めの通気口が設けられています。重さは素材のせいか非常に軽いです。

Goggle7.jpg 
フレームの顔に当たる部分にはビロードのような布地のクッションが付いており、長時間着用しても問題ありません。なお、レンズは爪を外せば交換できるようになっており、色は他にパープル、グリーンなどがあるようです。(STEINERさん情報ありがとうございます!)

Goggle4-1.jpg  
ゴム製ストラップのジョイント金具は、ツメで引っ掛ける簡単な構造です。

Goggle3.jpg 
ストラップの長さを調整するアジャスター。
Goggle8-2_2017052102055472c.jpg 
専用の収納ケース。ブリキ製で上蓋にはゴーグルのイラストが描かれています。
Goggle9.jpg 
収納ケースは円筒形のタイプもあります。

次はスリットタイプのゴーグルです。山岳猟兵用のゴーグルとしてはこちらをイメージすることが多いかも知れません。 

Goggle10-1.jpg
レンズでは無く、アルミのカップに漢字の「木」を横にしたようなスリットが入っています。


Goggle27.jpg

こんな細いスリットで本当に見えるのか入手するまで疑心暗鬼でしたが、なかなかどうして細目にするよりも広い視野が得られました。ただしスリットから風がバンバン入ってきます。もちろん曇り防止用の通気口はありません。
Goggle12.jpg
裏側はより視認性を良くする為でしょうか?黒く塗られています。クッション材は柔らかい布地です。

Goggle11.jpg 
こちらのゴーグルもゴムストラップのジョイント部は非常に簡単に作りです。強風で簡単に外れてふっ飛んでいきそうです。

最後に、一般的なゴーグル(Schutzbrille)を紹介します。


Goggle15-1.jpg 
このゴーグルにはフィールドグレイ(上)とダークブラウン(下)の二種類があります。一般的に上はオールラウンド、下は熱帯用と言われていますが、山岳猟兵に使用されたかどうがは分かりません。(「資料本」には山岳猟兵やオートバイ兵に支給されたとありますが・・・?)

Goggle14.jpg 
装着例。レンズ周りに人口皮革製のカバーが付いており、防塵性や防水性に優れています。

DgO1942_57_1#  
こちらはバイク兵でしょうか?埃が入らないようピッタリと隙間がなく顔面に装着されています。

Goggle18-1.jpg

専用の紙製ケースと説明書です。「目は人間の器官で一番敏感な部分です。これを守ることが・・・」という口上で始まっています。
Goggle17.jpg
レンズは簡単に交換できるようになっています。

Goggle26.jpg  

さて、このようなゴーグルは山岳猟兵に官給品として支給されたのでしょうか? 所有する山岳猟兵のゾルトブーフの支給品リストには「Schneebrille」では無く「Schutzbrille」が載っていました。

krete_CT18.jpg


ただし「ㇾ」が付いていないので、ゴーグルは必ずしも支給されたアイテムでは無かったのかも知れません。


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エーデルマン

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脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
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