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山岳ブーツ (Bergstiefel)

皆さん、こんばんは。しばらく趣味の山登りができず鬱々としているエーデルマンです。
さて、本日はドイツ軍の山岳猟兵(Gebirgsjäger)の象徴ともいえる山岳ブーツ(Bergstiefel)の紹介です。
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山岳地帯における戦闘の専門家である山岳猟兵には山岳ブーツが支給されました。
山岳ブーツはアンクルブーツに似ていますが、独特な特徴がありますので、詳細を見て行きたいと思います。
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エーデルヴァイス章と山岳帽と共に当時の写真で山岳猟兵を一般兵と見分けることができるアイテムです。
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ドイツ軍の山岳ブーツにはいろいろなタイプがありますが、こちらは比較的初期のモデルと思われます。

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紐を通す穴が9個で、その内一番上を除く上部4つがフック金具でできています。
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山岳ブーツの特徴はごつい金具で、岩場にがっちりホールドする為これでもか!という位打たれています。
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通常のアンクルブーツと比べ鋲は小さい反面、靴底の周囲を覆うように長い金具が打たれています。
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つま先は岩場でグリップを効かす場合に一番力がかかる部分であり、7個の金具が打たれています。

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なおこの山岳ブーツにはスキーのビンディングを付ける際に靴底を保護する平たい金具が付いています。

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こちらはスキーを取り付けた状態です。

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土踏まずや踵部分にも金具が取り付けられており、どの部分でもグリップが効くようになっています。

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金具は靴底にがっちり食い込む形で打たれており、滅多なことでは抜けないようになっています。


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こちらは山岳ブーツ用の鋲です。この時点では爪の部分はまっすぐになっており、折り曲げて固定する仕組みになっています。

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この写真では、金具を靴底に取り付けている様子がよく分かります。
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石ころの多い登山道でも足を痛めないよう、非常に分厚い革で作られており特につま先や甲の部分は頑丈にできています。

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かかと部分は別パーツになっており、分厚い革で覆われています。

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足首の部分にはパンツの裾を保護するフェルトの帯、半長靴に見られるような靴を履く時に引っ張る布製のループが取り付けられています。

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ブーツの内側には「11/G.J.R.100」(第100山岳猟兵連隊第11中隊)の刻印があります。

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布製ループの裏にはネームタグが縫い付けられており、この靴の所有者が誰なのか分かるようになっています。

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山岳帽(Bergmütze)

ご無沙汰しています。今回はドイツ軍山岳猟兵(Gebirgsjäger)のトレードマークである、山岳帽(Bergmütze)をアップします。
山岳帽1
最初に山岳帽の起源について調べました。まずはWikipediaから引用したいと思います。
山岳帽は1868年にオーストリア=ハンガリー帝国軍の新しい野戦軍装(Feldadjustierung)規定において、歩兵、砲兵、騎兵共通の野戦帽(Feldkappe)として山岳帽が採用された。この時点で特徴的な防寒覆いを備えていた。1871年、ひさしを革で補強した新型野戦帽が歩兵および砲兵向けに採用された。
-Wikipedia「山岳帽」より-


Feldkappe1.jpg  

こちらが、ネットで拾ったオーストリア=ハンガリー帝国軍国土防衛隊のFeldkappeの写真です。
防寒覆い=フラップが前合わせになっている点はドイツ軍の山岳帽と同じです。

Alpenkorps1.jpg 
こちらは帝政ドイツのアルペン軍団(Alpenkorps)兵士。写真ではよく分かりませんが、同じく山岳帽を被っています。

第一次大戦後、山岳帽はスキーや登山時の防寒帽として民間でも使用されることになります。
1930年代のスキーウェアの広告
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防寒性にすぐれた山岳帽はヴェルサイユ条約を破棄し再軍備を進めるナチスドイツ軍でも採用されることになります。

Bergmutze_0.jpg 
こちらは1935年発行のREIBERTに掲載されている制服と階級章のイラスト。(STEINER氏提供) 
この頃には戦中と同じデザインの山岳帽が既に存在していたことが分かります。

ところでライヒスヴェアからヴェアマハト=国防軍に移行するに伴い、1934年2月に制定された国家鷲章を制服の右胸や帽子に縫い付けることが義務付けられましたが、このイラストにはそれ以前の装備も記載されている点が興味深いです。

Bergmutze_1.jpg 
こちらの写真もSTEINER氏からの提供です。エーデルヴァイス章がまだ部隊章として正式に採用される前の山岳猟兵です。(エーデルヴァイス部隊章の採用については後述)
なお山岳猟兵が着用しているのは襟の色と胸の国家鷲章からM34野戦服と思われます。(袖は礼服と同じ折り返し?)

それでは山岳帽の詳細部分を見ていきましょう。

山岳帽1-2 
山岳帽には様々なバリエーションがありますが、こちらはオーストリアやバイエルン地方出身の山岳猟兵に支給されたオストマルクタイプで、他に比べてバイザーが短く、フラップが幅広になっているのが特徴です。

山岳帽5-2 
ベンチレーション用の穴は2x2=4個です。穴が4個というのは、山岳帽の特徴の一つとなっていますが、2個、あるいは無しの山岳帽も存在しています。

山岳帽15-1
初期の青味の強いフィールドグレイのラシャ生地で作られています。


山岳帽2 
帽章は戦中に作られたフィールドグレイのT字型です。他にも初期のダークグリーン地に白糸で刺繍したT字型、鷲章と国家章(コカルデ)が別パーツになったタイプ、M43規格帽に多い逆台形(Trapezoid)の帽章があります。
この帽子のフラップの前合わせは角ばったタイプですが、1930年代の山岳帽のフラップは丸みを帯びています。


山岳帽28 
帽章のクローズアップ。T字型は手縫いが基本ですが、以前紹介したM43規格帽の縫い付け方とは違います。

山岳帽29 
この山岳帽の前合わせのボタンはタグア椰子(独 Steinnuss)で作られています。南米エクアドル産のタグア椰子は別名、象牙椰子(英 Ivory nut)と呼ばれており、古くからヨーロッパで象牙の代用としてボタンやアクセサリーに使用されていました。タグア椰子の他にアルミや樹脂製ボタンのバリエーションもあります。


山岳帽14 
ボタンを裏側から見たところ。糸通し用の溝が掘られています。

山岳帽7-1
ボタンを外してフラップを下したところ。フラップが幅広になっているので、頭部の大部分を覆うことができます。


山岳帽16   
第2山岳猟兵師団第79砲兵予備大隊のオリジナルアルバムから。右側の兵士が被っている山岳帽はフラップが下がった状態です。

続いてエーデルヴァイス部隊章

山岳帽12-2 
山岳帽のエーデルヴァイス部隊章は1939年5月2日に野戦服用記章と共に制定されました。(H.V.39B, Nr. 196)。
本体は亜鉛合金製で中心部分は鉄製の2ピース構造になっております。山岳帽に縫う糸を通す穴が5つあり、帽子へ直接糸で縫われていますが、初期はダークグリーンの台布が間に入っています。

山岳帽5
なお、エーデルヴァイス部隊章の起源についてWikipediaには下記のような記述があります。
両国(注:オーストリア=ハンガリー帝国とドイツ帝国)の山岳猟兵は薄雪草(エーデルヴァイス)の部隊章を共有している。それは1915年5月、南方戦線においてイタリアの攻勢に対し守備していた国土防衛隊にアルペン軍団が救援として駆けつけたとき、国土防衛隊が感謝の意を込めて彼らの部隊章(エーデルヴァイス)をアルペン軍団の兵たちに送ることで敬意を表したことに始まる。エーデルヴァイスは1907年、オーストリア=ハンガリー帝国国土防衛隊のシンボルとして、皇帝フランツ・ヨーゼフI世により制定された。これら部隊は制服の襟にエーデルヴァイスを着けている。

このようにエーデルヴァイスは元々はオーストラリア=ハンバリー帝国国土防衛隊のシンボルで、後にドイツ帝国、そしてナチスドイツ軍の山岳猟兵の部隊章になったとのことです。

M35tunic52.jpg 
こちらは布製の記章。山岳猟兵の野戦服の袖に縫い付けられています

話は変わりますが、陸軍のM43規格帽は山岳帽をベースに作られたとされています。
M43cap1-1_2016100821202821e.jpg
M43規格帽には山岳帽や略帽にあったベンチレーション用の穴が省略されています。戦争末期になると陸軍の鍔付き帽子はさらなる生産性向上の為、M43規格帽に統一されますが、エーデルヴァイス部隊章は山岳猟兵のシンボルとして終戦まで使われ続けます。

山岳帽8
この帽子の内装はテーラーメイドのような造りになっていますが、このような仕様は他の官給の山岳帽でも見られます。
バイザーの裏面も含めてコットンで内張りされており、制帽のような革製のスウェットバンドが付いています。

山岳帽11 
ライナーに押されたスタンプ。ミュンヘンで製造され同地の被服廠に42年に納品されたことが分かります。サイズは53cmです。それにしてもこの山岳帽の持ち主はかなり頭が小さかったようです。

ところで山岳帽は右耳から1cm上(指一本分)、左耳からは3cm上(指三本分)、右の眉毛から1cm上に被るよう規定されていたそうです。(この規定は略帽の被り方と同じです)

山岳兵1 
当時の写真を見ると、前線でも山岳帽を被っている山岳猟兵が圧倒的に多く、山岳帽に対する拘りというか愛着をすごく感じます。まぁ、さすがに戦闘中はスチールヘルメットを被っていたでしょうけど。
しかし登山(訓練)中も山岳帽を被っている写真を見ると、果たして落石などから頭を保護できたのかと不思議に思ってしまいます。


二人の山岳猟兵が「殺人の壁」に挑む映画、『アイガー北壁』。あの時、ヘルメットを被っていれば・・・

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山岳猟兵用ゲートル (Gamaschen für Gebirgsjäger)

今更ですが皆様あけましておめどうとうございます。本年も『東部戦線泥沼日記』をどうぞよろしくお願いいたします。
さて、本日は山岳猟兵(Gebirgsjäger) に支給されたゲートル(Gamaschen)をアップしたいと思います。

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ドイツ軍山岳猟兵の山岳ブーツ(Bergstiefel)と巻きゲートル(Wickelgamaschen)及び短ゲートル(Stoffgamaschen)です。
ゲートルは脛を守るという目的以外に、長時間歩行する際に疲労を軽減する効果もあります。ヨーロッパの軍隊で伝統的に使用されてきましたが、ドイツ軍は第一次大戦から兵士には半長靴を支給しました。

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半長靴はアンクルブーツ(編上靴)+ゲートルに比べ、着用に時間がかからない一方で、異物が靴の中に入りやすい構造となっています。
(機械化された部隊が比較的平坦な土地で戦う場合は良いでしょうけど・・・)
しかしながら、より険しい道を長時間歩かねばならない山岳猟兵にとって、半長靴はふさわしい装備ではなく頑丈な山岳ブーツとゲートルが支給されました。

まずは定番の巻きゲートル(Wickelgamaschen)から紹介しましょう。

巻きゲートルとは 

巻脚絆とは包帯状の細い布を巻いて脚絆を作るもの。19世紀末頃から使われ始める。世界の軍隊の軍装品としては第一次世界大戦をピークに、第二次世界大戦頃まではレギンス型や長靴とともに各国の軍隊で広く用いられた。脚絆の一端には脚絆を最後に固定するための紐が取り付けられている。欠点としては、上手に巻くには慣れが必要で時間がかかり、高温多湿の環境下ではシラミなど害虫の温床になりやすい。

ーWikipedia「脚絆」より-


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こちらの巻きゲートルは官給品とされているタイプで、グレー色のウール生地でできています。
非常に珍しい当時の紙ラベルが付いた未使用状態です。

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「Mars-Band」(火星バンド)
「Eingetragenes Warenzeichen」(登録商標)
「Verschlussband für lange Hosen」(長ズボン用裾テープ)


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裏側は文字はなく、巻きゲートル本体と紙ラベルが虫ピンで止められています。
本来なら巻きゲートルを広げた写真を掲載すべきですが、紙ラベルを破るのがもったいないので、ネットで拾った画像を貼っておきます。
(スミマセン・・・)

gamaschen24.jpg gamaschen25.jpg gamaschen26.jpg 
タグにはL(Links)、R(Rechts)の文字があり、左用・右用に分かれています。タグの下にあるのは山岳ブーツに固定する際に靴紐に引っ掛ける金具です。

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こちらは巻きゲートルに付属する取扱説明書です。巻き始めはフックを2番目と3番目の間にある紐に引っ掛けるべし、など巻き方の説明が載っています。

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裏面には取り外し方が載っており、外した後は緩ませた状態で数時間おいてすぐに巻かないこと、などの注意書きがあります。

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休憩中の山岳猟兵。兵士によってゲートルの長さがマチマチなのが興味深いです。

続いて短ゲートル(Stoffgamaschen)の紹介です。
実は恥ずかしながら2-3年前まで短ゲートルの存在を知りませんでした。
短ゲートルの存在を知ったのはこの本を入手してからです。


The German Mountain Army Soldier of WWII

この本には山岳猟兵の実物軍装や当時の写真が多く掲載されており、山岳猟兵ファンなら必携の一冊です。

gamaschen21.jpg 
これを見た時、思わず「米軍かよ!」と突っ込んでしまいました。
この短ゲートル、残存数が少なく探すのに苦労しました。(とは言いつつも巻きゲートルより先に入手したんですが・・・)

gamaschen4-2.jpg
この短ゲートルはダークグリーン色のキャンバス生地で作られています。革製の紐で10個のハトメで締めるようになっています。

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裏地です。ウェブで縁が補強されており、非常に頑丈な造りになっています。

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スタンプのクローズアップ。RB  Nr とGr Ⅲ(Größe=サイズ3) が白いインクで書かれています。
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山岳ブーツに装着してみました。巻きゲートルと違い開口部を完全に覆うことができます。
(紐がブチッと切れるのが怖くて、締め方が緩々なのはお許し下さい)

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踵の部分は二重に補強されています。
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こうして見るとますます米軍レギンスに見えます。

gamaschen12.jpg 
短ゲートルは鉄金具で土踏まずの部分で固定します。

gamaschen15.jpg 
ウェブ製ストラップは革ループに通して固定。
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ストラップの金具は水筒のフェルドカバーのなどスナップに使用されているSTOCKO製です。
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米軍かよ!(しつこい)
さて、これらのゲートルですが、2つとも山岳猟兵には支給されたのでしょうか?

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こちらの写真では同じ部隊の兵士がそれぞれ巻きゲートルと短ゲートルを使用していることが分ります。
なお右側の兵士は短ゲートルの上から巻きゲートルを被せて防水性を高めているようです。

山岳猟兵の当時の写真は巻きゲートル姿がほとんどで、短ゲートルを着用した兵士の写真は少ないことから、巻きゲートル=一般装備、短ゲートル=特殊装備として限られた兵士のみに支給されたのかも知れません。


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山岳猟兵用ゲートル (Gamaschen für Gebirgsjäger) その2

前回の日記でアップした巻ゲートル(Wickelgamaschen)は、足首部分を巻くにはちょうど良い長さですが、膝下まで巻くには長さが足りません。

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ノルウェーのナルヴィクで、山岳猟兵分隊を閲兵するエデュアルト・ディートル第3山岳師団長。
さすが山岳部隊、将校も山岳ブーツに巻ゲートル着用です。
(良く見ると前列左から3人目と4人目の兵士は前回紹介した短ゲートルと巻ゲートルを併用していますね)

ネットで調べると長さは2m半くらいあるらしく、旧日本軍のそれも同じ位の長さだったようです。
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こちらが長い巻ゲートルです。こちらだけだと長さの違いが分かりません。


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で、両方を並べてみました。長さは倍以上も違いますが幅は同じ7.5cmです。


 
The German Mountain Army Soldier of WWII

山岳猟兵の資料本によれば、巻ゲートルにはロング、ミディアム、ショートの3タイプがあるようです。
ロングは戦前のライヒスヴェーア時代から一般の兵士にも支給されていましたが、ショートは山岳猟兵用に作られたとのこと。

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写真のゲートルはショートタイプで「Mars-Band」のタグがあります。手前の新品のゲートルもMars-Bandでショートタイプなので間違いなく同じタグがあるはずです。


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こちらの巻ゲートルには白い「Mars-Gamasche」タグがあり、右と左に分かれています。

今回入手した巻ゲートルは新品ではないので実際に足に巻いてみようと思いましたが、経年で生地がかなり薄くなっており、きつく巻くと破れそうなので実演は断念しました。

ということで今回の日記はこれで終了です。
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次回の日記はこの中に写っているアイテムを取り上げたいと思います。


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山岳猟兵用スタッフバッグ(Stoffbeutel für Gebirgsjäger)

桜満開のシーズンですが花粉症がひどく、引き続き自宅に引き籠り中のエーデルマンです。
今年に入ってから山岳猟兵アイテムについての記事が続いていますが、今回も表題のとおり山岳猟兵用のスタッフバッグ(Stoffbeutel für Gebirgsjäger)をアップしたいと思います。

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山岳猟兵が使用したスタッフバッグです。4色1セットになっており色で仕分けができるようになっています。
以前紹介した背嚢用スタッフバッグと同じコンセプトですね。

青色タグ。
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黄色タグ。
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緑色タグ。
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寸法はタテ23cmヨコ33cmで、生地は撥水性の高そうなキメの細かい茶色のコットン製です。
紐で口を絞ることができるようになっています。なおハトメではなく紐通しになっているバージョンもあります。
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赤いタグが付いているバッグはグリーン地が強くなっています。
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タグの無い三角形のタイプはクライミングシューズ(kletterschuhe)用のバッグとされています。
こちらはタテの寸法が37cmとなっています。

靴用を除き、どの色のバッグに何を入れるかは兵士の裁量になっていたようですが、部隊毎に決まりがあったのかも知れません。

ところで、リュックサックにはどんなモノを入れていたのか、気になったので調べてみました。
こちらは一次資料があるので、参考までに掲載します。
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このイラストは「Der Dienstunterricht in der Luftwaffe」の掲載されているもので、リュックサックの中身と収納方法を紹介しています。


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「Der Dienstunterricht in der Luftwaffe」は ベルリンのE.S. Mittler & Sohn社から出版された空軍兵士向けの市販マニュアルで、シリーズには陸軍操典「Der Dienstunterricht im Heere」、通称「REIBERT」があります。
なお「REIBERT」は陸軍操典の著者であるWilhelm Reibert.博士の名前ですが、戦後は陸・海・空操典のタイトルになりました。

DER REIBERT 
ところで陸軍操典には背嚢の収納法については載っていますが、リュックサックについての記述はありません。
陸軍でのリュックサックの支給は戦争後期になってからなので、収納方法の説明が掲載されることなく終戦になったものと思われます。(大戦中のREIBERTは1943年が最終版となります)

Reibert3.jpg 
リュックサックは背嚢に比べて容量が大きく、イラストにある通り背嚢では外に括り付けていたツェルトバーンや毛布も中部に収納できます。さらに携行食の量も種類も比較にならないほど多いです。
山岳地帯を行軍するゆえに機械化した輜重段列を随伴させられない山岳猟兵にとって、リュックサックは必要不可欠なアイテムだったでしょう。

staffbag17.jpg 
ただし、たくさんモノが入るとういうことは注意して収納しないと、どこ何を仕舞ったか分らなくなる可能性が高く、また背嚢のように両開きしない構造上ピンポイントに素早く取り出すのは困難です。
仕分けがしやすいスタッフバッグは現在でも登山では重宝されており、当時もリュックサックには必須アイテムであったことは間違いありません。
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エーデルマン

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脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

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