夏季野戦服(Drillichanzug)

こんにちはエーデルマンです。年明けから山岳猟兵シリーズが続いていましたが、少しお休みして本日は夏季野戦服(Drillichanzug)をアップしたいと思います。

夏季野戦服は、ドイツ軍のウール生地の野戦服では暑くて厳しい季節に使用するために制定されたコットン生地の野戦服で、作業着と同じリードグリーンのHBT(ヘリンボーン・ツイル=杉綾織)となっています。 

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こちらは1942年6・7月に制定され同年の秋までの数か月間だけ作られたタイプで、海外ではファーストパターンと呼ばれています。ウール生地のM41野戦服と同じ外観で6つボタンにポケットが4つあります。 ファーストパターンの最大の特徴はポケットにはプリーツがある点です。

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アフリカ戦線や熱帯地方の将兵に支給されたコットン生地の野戦服もファーストパターンと呼ばれています。 

その後のモデルは、M42以降の野戦服と同じくポケットのプリーツが廃止され、さらに雨蓋がフラットになります。この変更は熱帯用野戦服にも同じく行われます。
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セカンドパターンとサードパターン (画像はお借りしています)

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後ろから見たところ。 背面は二枚の布が真ん中でつなぎ合されているのは作業着(Drillichrock)と同じです。

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一方で作業着には無いベルトフック穴があります。 腰部分にダーツが入っています。

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国家鷲章は1940年以降の野戦服に見られるフィールドグレイBEVOタイプでミシン縫いです。

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襟章は時代にあったマウスグレーの共通兵科用です。夏季野戦服は開襟での着用が通常だったようで、この服もそのようにシツケがされています。ただし熱帯地方向けの野戦服とは違い、詰襟でも着用できるようホックは付いています。

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袖口にはプラスティック製ボタンが2つあり、どちらかで留めることができるようになっています。 

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肩章はフィールドグレイ地に陸軍の兵科色である白いパイピングが入ったウール地のタイプで、第463連隊の番号が入ったループが付いています。このループは取り外しが可能で防諜の目的から1940年1月8日に導入されました。

Erich-Von-Manstein_20170618144338895.jpg 
第463連隊の記録を下記サイトで調べてみたところ、所属する第127歩兵師団が1941年10月にエーリッヒ・フォン・マンシュタイン麾下の第11軍に組み込まれた後、クリミア半島の攻略に従事したとあります。(もし理解が間違っていたらご指摘下さい)
http://www.lexikon-der-wehrmacht.de/inhaltsverzeichnis1.htm 

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左袖にはクリミア盾章が縫い付けられています。このクリミア盾章についての説明はWikipediaから引用させていただきます。

背景
独ソ戦勃発後、ドイツ国防軍陸軍南方軍集団は1941年秋から1942年夏にかけ、クリミア半島占領をめぐってソビエト連邦との激しい戦闘を繰り返していた。1942年7月4日、セヴァストポリの戦いをもって半島占領に成功したドイツは、勝利に多大な貢献をしたエーリヒ・フォン・マンシュタイン陸軍元帥率いる第11軍全員を対象に盾章を贈ることにした。そうして制定されたのがクリミア盾章である。

デザイン
盾章上部に国家鷲章が配置され、右翼の下にクリミア争奪戦が勃発した年である「1941」が、左翼の下に終結した年である「1942」が刻まれている。背景にはクリミア半島が描かれており、クリミア半島を示すドイツ語「KRIM」が書かれている。

-「Wikipedia」より-


img384.jpg
 
所有証明書(画像はお借りしています)

M41hbt27.jpg 
実物のクリミア盾章の表裏。台布の色で兵科が違っており、フィールドグレイは陸軍とされています。

受章資格
受章には以下の戦闘の内1つ以上に参戦していることが求められた。

・1941年9月21日から9月30日まで行われたペレコープの戦い
・1941年10月18日から10月27日まで行われたユシュンの戦い
・1941年10月28日から11月16日まで行われたケルチ半島の戦い
・1941年12月17日から12月31日まで行われた第一次セヴァストポリ要塞攻囲戦
・1942年1月15日から1月18日まで行われたフェオドシアの戦い
・1942年1月19日から5月7日まで行われた防衛戦
・1942年5月8日から5月21日まで行われたケルチ半島再占領
・1942年6月7日から7月4日まで行われた第二次セヴァストポリ要塞攻囲戦

それ以外に、

・戦闘中の負傷
・クリミア半島で3か月以上従軍した場合

-「Wikipedia」より-


我らがシュタイナー軍曹もクリミア盾章を受章しています。

M41hbt26.jpg 

ところで、既にご存じかも知れませんが『戦争のはらわた』のデジタル・リマスター版が、8/26に公開されるようです。(私は最近まで知りませんでした・・・)
ポスターがカッコいい・・・

そして9月には、なんとBlu-rayディスク<<最終版>>が発売されます!

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(画像はDVD版です)
8月に公開される映画のディスク化でしょうか?結構なお値段ですが、1977年公開時の35mmプリントからのテレシネ、名作とされるバンダイ・ビジュアル版字幕にTV「水曜ロードショー」版の吹替、さらにドイツ語バージョンも入っているとなれば、ファンとして購入しないわけにはいきません。

それでは話を夏季野戦服に戻しましょう。

M41hbt3.jpg

こちらは内装です。夏季用というだけあってインナーは極力省略され、ベルトフックとポケットの縫い付け部分のみになっています。

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同じ時期に制定されたウール製M42野戦服と同じく、内蔵サスペンダーが無くてもベルトフックが固定できるようになっています。

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応急手当に使用する包帯用のポケットも装備されています。 メーカーのスタンプが押されていますが判読不可能です。(「Haweb-Koln?」)

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ボタンは金具(通称:S環)で固定されています。

冒頭に書いた通り、ファーストパターンは制定後数か月でセカンドパターンに切り替えられた為、生産数も少なく実際に前線へ支給されたのは極少数とされています。なので戦場写真で確認できるものはセカンドパターン以降がほとんどで、ファーストパターンが写っている写真を私は未だに見たことがありません。

drill11.jpg
こちらは『グロースドイッチュランド』に掲載されている写真です。演習中の一コマのようですが、真ん中の髪をかき上げている兵士はファーストパターンの夏季野戦服を着用しています。


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次回、また山岳猟兵のアイテムを紹介しますので乞うご期待!


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