FC2ブログ

大型ワイヤーカッター(Große Drahtschere)

ご無沙汰しております。世の中は悪質タックル問題が取り沙汰されていますね。実は私も大学時代にアメフトに近い接触の激しいスポーツをやっていまして、「潰してこい」という指示は、やはり「ケガさせるくらいハードにいけ」という意味でした。ただし「潰しにいく」のはあくまでプレイ中のことであって、プレイ後にあんな行為をしたら即刻退場でしたし、チームの名誉を汚したということで試合後にコーチや上級生からボコられるのは必然でした。(それはそれで問題ですが・・・)
監督やコーチが会見でそんなつもりで言っていないとか、反則の瞬間を見てなかったなど説明していましたが、一回目の反則の後も出場させ続けたのは、故意にケガさせるつもりであったことを認めたも同然だと思います。

旬のネタで前置きが長くなってしまいましたが、本日は以前から「やるやる」と言っていた工兵のアイテムをアップしたいと思います。

Cutter3_2018060314294655f.jpg

こちらは本日のネタ、工兵が鉄条網の切断に使用した大型のワイヤカッター(Große Drahtschere)です。

Cutter17.jpg 
陣地の前面に構築され敵歩兵の侵入を防ぐ鉄条網は、日露戦争や第一次大戦で大々的に使用され「戦車・機関銃」と共に世界三大発明と言われています。陣地攻撃をする際、まずは工兵が先頭に立ちワイヤーカッターや爆薬を使って鉄条網の破壊作業を行います。

Cutter18.jpg
トーチカを攻撃する戦闘工兵部隊。

f6457cc25d72b8ea13ac3d1b12d4997b.jpg
ワイヤーカッターと工兵。

ワイヤーカッターについての記述は少ないですが、こちらが参考となります。

“グロースドイッチュランド”師団写真史―東部戦線におけるGD機甲擲弾兵師団1942‐1944

グロースドイッチュランドの各歩兵中隊には火焔放射器が2個ずつ装備されていた。これは同師団の特権であった。ソ連軍は市外戦の名人で、特に戦争前半の後退戦では、本隊が撤退してからかなり経っても狙撃兵や工兵のチームが残っているなど、非常に巧みなところを見せている。村落や市街地を区画ごとに手早く効率的に掃討するには、歩兵工兵中隊から送り込まれる特殊技術兵の分遣隊(火焔放射器や爆薬、ワイヤーカッター、自動火器などを豊富に備えていた)が最も適任だった。

-グロースドイッチュランド”師団写真史―東部戦線におけるGD機甲擲弾兵師団1942‐1944より-



それでは、ワイヤーカッターの詳細を見ていきましょう。

Cutter12-1.jpg 
ワイヤーカッターの寸法は横63cm、縦14.5cmでマニュアルと同じでした。

Cutter2-1.jpg

ハンドルを開き、梃子の原理でワイヤー(有刺鉄線)を押し切ります。
Cutter4-1.jpg  
カッターの先端にはガイド部があり、ワイヤーを確実に刃に到達させるような構造になっています。なお本来はカッターの刃はピッタリと閉じているはずですが、何故かこのカッターは隙間があります。

Cutter5.jpg
刻印があり、WaAマーク、メーカー名は不明ですが"Solingen"と"1937"、陸軍の所有物を意味する”H"の文字が読み取れます。

Cutter19-1.jpg  
ハンドル部分は樹脂で固めた紙製で、上部にはリング状のストッパー当てが別パーツで付いています。

Cutter20-1.jpg  
ハンドルの端は小豆色のベークライト製で、色はワルサーP38のグリップに似ています。

Cutter15.jpg 
このワイヤーカッターは、車載用として有名ですが、携帯する為の収納ケースも用意されています。
Cutter8-2.jpg 
収納ケースの本体はウェブ製。全長は68cmでワイヤーカッターがすっぽりと収まるサイズです。背面にはベルトループがあり、ウエストベルトに装着できます。

Cutter10-1.jpg 
蓋側の穴にスナップで留める簡単な仕様です。

Cutter6-1.jpg  
ワイヤーカッターの先端が当たる部分は本革で補強されており刻印があります。

DSC00267-1.jpg
WILH. BRAND
HEIDERBERG
  1937
 WaA 204
Cutter1-3.jpg 
工兵関連のアイテムは工具系はノコギリや斧、スコップ、装備系は背嚢やサイドポーチがありますが、いずれも人気があってあまり市場には出てきません。また収納ケースは特にレアで見つけても本体よりも高い(場合によっては数倍)とコレクター泣かせのアイテムです。

ケースが揃うのを待っていたらいつまでたっても更新できないので、本体を見つけたらとにかくゲット、収納ケースは後付けという形で紹介していきたいと思います。

Cutter16.jpg


FC2 Blog Rankingに参加しています。

←ポチっと応援お願いします!

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
スポンサーサイト

ワイヤーカッター(Drahtschere)

こんにちはエーデルマンです。かなり遅くなってしまいましたが、2019年が明けて初めてのアップとなりますので、あけましておめでとうございます, 今年もどうぞ宜しくお願いします!!

年初にあたり、目標を3つ立てたので公表したいと思います。

一つ目は「家族でドイツ旅行すること」
これは、数年前から計画しているのですが、今年こそ実行したいと思っています。行先はもちろんベルリンです。
二つ目は「工兵用装備をコンプさせること」
こればっかりは運もあるので、欲しいアイテムをできるとは限りませんが、まずは目指すことが大事なので。
最後は「東部戦線的泥沼日記を英語化すること」
本ブログには日本以外からもアクセスがあるのですが、やはり文章が日本語だと滞在時間が短いんですね。まぁ、訳すほどのたいした内容では無いし、Google翻訳でもいいっちゃいいんですが。。。
 
さて、さっそく二つ目の目標達成に向けて本日はワイヤーカッター(Drahtschere)と収納ポーチ(Tasche für Drahtschere)をアップしたいと思います。 


Drahtschere0.jpg
以前アップした大型ワイヤーカッター(Große Drahtschere)と比べて小さいですが、一般的には大型カッターに分類されます。

Drahtschere12.jpg
大型ワイヤーカッターとの比較。全長は半分程度です。

Drahtschere17.jpg
ワイヤーカッターで鉄条網を切断する工兵。大型ワイヤーカッターは車載用、携行用はこちらがメインであったと思います。

Drahtschere2-3.jpg  
全長38.5cm。現在のワイヤーカッターではあまり見ない形で、カッターの刃が横向きなっています。
こうして見ると、なんとなく鳥のくちばしに見えますね。

Drahtschere15.jpg

個体差がありますがハンドルが最大80°開きます。上のカッター刃が3.7cm、下の刃が2.8cmです。

Drahtschere19.jpg 
ハンドル部分のクローズアップ。ハンドルの本体は樹脂で固めた紙製で、端部のキャップはベークライト製です。

9a63d0adeeb0a8c5b61e18f5e1219613.jpg
刃が下斜めについている為、ワイヤーをホールドしやすい構造になっています。

Drahtschere5.jpg
メーカー刻印。ヴァッヘンアムトやメーカーコード、年号の刻印がある個体もあります。
Drahtschere6-2.jpg 
ワイヤーカッターには専用の収納ポーチ(Tasche für Drahtschere) が用意されています。素材は本革製か圧縮紙を使用した人工皮革で頑丈に作られています。
Drahtschere10.jpg

こちらはハンドルがすっぽりと収まるタイプですが、ヘッド部分のみ収納するポーチも存在しています。

Drahtschere8.jpg 
上蓋の裏側にヴァッヘンアムトの刻印があります。

tumblr_n5hgu3iFyW1r0ntwbo1_500.jpg
ワイヤーカッターは収納ポーチをウエストベルトに吊り下げて携行します。MP40を支給されていることから兵士は下士官ということが分かりますが、ワイヤーカッターは分隊長(Gruppenführer)の標準装備でもありました。それにしても手前の兵士の戦闘パックが気になります。

ワイヤーカッターは工兵部隊専用装備では無く、陣地攻略作戦において広く様々な兵科で使用されました。

Drahtschere14-1.jpg
こちらは演習後の分隊を撮影した写真で、前列右端の上等兵(機関銃助手)の肩章のパイピングが明らかに白色なので歩兵科のようですが、その他の兵士のパイピングが黒色にも見えるのではっきりしたことは不明です。収納ポーチが無い場合の携帯方法が分かりますね。
機銃手(前列左端)の右隣の兵卒(Schütze)が一番階級が下なのに本来分隊長に支給されるMP40や双眼鏡を持っていたり、後列左から二番目の兵士が帝政時代のヘルメットを被っているのが面白いですね。

下っ端の兵卒だと思った兵士ですが、ちゃんと見ると襟と肩章にトレッセがあるようです。
Bundesarchiv_Bild_101I-133-0703-02,_Polen,_Trupp_deutscher_Infanterie_im_Winter
別の角度から撮った写真を入手。確かにトレッセが確認できました!すみません、彼がこの分隊の指揮官でした。(STEINERさん、ハンドルの材質と併せて、ご指摘ありがとうございました!)

Drahtschere18.jpg
通常、降下猟兵が降下時に携行できるは拳銃1挺と手榴弾、空挺ナイフ(Fallmesser)程度で、ワイヤーカッターはライフルなどの武器と一緒にコンテナに収納され投下されたようなので、こちらは降下後の訓練風景かも知れません。


FC2 Blog Rankingに参加しています。

←ポチっと応援お願いします!

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
Profile

エーデルマン

Author:エーデルマン
脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

↓管理人へのMailはこちらからどうぞ↓

Category
検索フォーム
FC2 Counter
Comments
Archive
Links
エーデルマンの参考文献
Ss-brigadefuhrer Und Generalmajor Der Waffen-ss Theodor "Teddy" Wisch
Ss-brigadefuhrer Und Generalmajor Der Waffen-ss Theodor "Teddy" Wisch
個人秘蔵の未公開写真が満載でLSSAHファンは必読の書。著者は友人

WWII ドイツ軍兵器集 〈火器/軍装編〉 (1980年) ワイルドムック
WWII ドイツ軍兵器集 〈火器/軍装編〉 (1980年) ワイルドムック
長年教科書だった本。小宮氏の「ドイツ軍の全貌」の解説がすごい

最強の狙撃手
最強の狙撃手
ドイツ軍No.2スナイパーの回顧録。狙撃シーンもすごいが、当時の兵士の生活も垣間見れる一冊

第2次大戦ドイツ軍装ガイド
第2次大戦ドイツ軍装ガイド
鮮明な写真による軍装品説明はブログ写真撮影の参考にしています

ドイツ軍装備大図鑑: 制服・兵器から日用品まで
ドイツ軍装備大図鑑: 制服・兵器から日用品まで
軍装品のカタログとも言えるボリュームは圧巻。実は密かに打倒を狙っていたり・・・

第2次大戦ドイツの自動火器
第2次大戦ドイツの自動火器
実物のFG42実射レポートを読めるのはこの本だけ

“グロースドイッチュランド”師団写真史―東部戦線におけるGD機甲擲弾兵師団1942‐1944
“グロースドイッチュランド”師団写真史―東部戦線におけるGD機甲擲弾兵師団1942‐1944
ドイツ国防軍好きなら買って損はなし

図説ドイツ軍用銃パーフェクトバイブル (歴史群像シリーズ Modern Warfare MW)
図説ドイツ軍用銃パーフェクトバイブル (歴史群像シリーズ Modern Warfare MW)
ドイツの軍用銃の専門書でビジュアル的に見ていて楽しい

ドイツの小銃拳銃機関銃―歩兵兵器の徹底研究 (光人社NF文庫)
ドイツの小銃拳銃機関銃―歩兵兵器の徹底研究 (光人社NF文庫)
ドイツ軍用銃のバイブル的な書。ドイツ軍スナイパートップ3への一問一答が興味深い

Feldbluse: The German Soldier's Field Tunic, 1933-45
Feldbluse: The German Soldier's Field Tunic, 1933-45
M33からM44までドイツ陸軍の野戦服を網羅。特にM36以前の野戦服は必見

Rations of the German Wehrmacht in World War II
Rations of the German Wehrmacht in World War II
とにかく当時のドイツ兵が食べていた糧食にこだわった一冊

武器と爆薬―悪夢のメカニズム図解
武器と爆薬―悪夢のメカニズム図解
迫撃砲はどうやって砲弾を飛ばすのか?小銃擲弾は?ほかにも大砲や爆弾のしくみを源文マンガでわかりやすく解説

グラフィックアクション GRAPHIC ACTION 1993年 No.17
グラフィックアクション GRAPHIC ACTION 1993年 No.17
このシリーズは市場で見つけたら買うべし

ドイツ武装親衛隊軍装ガイド (ミリタリー・ユニフォーム)
ドイツ武装親衛隊軍装ガイド (ミリタリー・ユニフォーム)
WSS専門だけど全部実物!

鼠たちの戦争〈上〉 (新潮文庫)
鼠たちの戦争〈上〉 (新潮文庫)
映画「スターリングラード」の原作本的な内容だが100倍面白い

鼠たちの戦争〈下〉 (新潮文庫)
鼠たちの戦争〈下〉 (新潮文庫)


スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1943 (朝日文庫)
スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1943 (朝日文庫)
塹壕から故郷へ送った兵士の手紙が興味深い「クリスマスはドイツ風に」の章は涙なくしては読めません

ケルベロス 鋼鉄の猟犬 (幻冬舎文庫)
ケルベロス 鋼鉄の猟犬 (幻冬舎文庫)
ヒトラーが暗殺された後の撤退戦を描いた架空小説。小道具にこだわるところがマニアっぽい

泥まみれの虎―宮崎駿の妄想ノート (大日本絵画)

ナルヴァ戦線で活躍したオットー・カリウスの自伝を宮崎駿監督が漫画化。「ティーガー薬局」を営むカリウスを訪問しインタビューという企画が素晴らしい

Flag Counter
eBay