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M43野戦ズボン(Keilhose 43)

皆さま明けましておめでとうございます。令和最初の正月をいかがお過ごしでしょうか?
私は12月頭に引いた風邪がこじれてしまい、ちょっと大変な状況になってしまいました。幸いにも重症化することは無く、今はブログも出来るくらいに回復しましたが、やはり普段から適度な運動が重要であることを実感した次第です。

さて、今年最初のアップは、戦争後期に支給されたM43野戦ズボンを紹介したいと思います。
ドイツ語の"Keilhose"のKeilは楔(くさび)の意味で、hose=ズボンと合わせて楔形ズボンとなります。(英訳ではTapered Trousers、日本語直訳だと「裾絞りズボン」)
また"Rundbundhose"(英訳:Waistband Trousers =ウエストベルトが使えるズボンの意)とも表記されることがあり、いずれもM36M40野戦ズボンなどストレートズボン(Langhose)とは機能で区別されています。(ここでは便宜上、M43野戦ズボンで呼称を統一したいと思います)

M43Keilhose0-0.jpg

M43野戦ズボンは1942年頃から本格的に導入されたアンクルブーツ(編上靴)と短ゲートル(Gamaschen)に合わせて、それまで使用されていたストレートズボン(Langhose) の後継モデルとして1943年6月28日付けの通達で導入されました。(HV 43B, No. 398)

Gmaschen2.jpg

アンクルブーツと短ゲートル。戦況の悪化に伴い物資が困窮するにつれ、革の温存の為に半長靴から置き換えが進みます。


M43Keilhose1-3.jpg

Keilhoseを楔形ズボンと呼ぶように、膝から裾にかけて幅が急激に狭くなっています。山岳猟兵部隊に支給された山岳ズボン(Berghose)をベースにしているのか、ウエスト両サイドの調整ベルトや股の補強布が見られます。ちなみに1944年6月24日付の通達により山岳ズボンは廃止され、M43野戦ズボンに統一されます。(HV 44B. No. 253) *HV=Heeres Verordnungs

M43Keilhose15.jpg
ズボン裾には幅2cm 長さ22cm、その先には幅1.2cm長さ25cmの紐が縫い付けられており、紐を通す為のアイレット(鳩目)が3か所空いています。
M43Keilhose17.jpg

本来、紐は土踏まずの下に渡し、アイレットに通した後に結ぶようになっていますが、がっちり結びすぎると激しい屈伸運動の時のズボンの抵抗で膝を痛めるので、この方法は1944年には禁止となったようです。

M43Keilhose20-1.jpg
最初から裾を絞ってあるので、ストレートズボンでは面倒だった半長靴や短ゲートルへ裾をたくし込む必要がなくなりました。

M43Keilhose2-2.jpg
M43野戦ズボンの導入のもう一つの目的はベルトループの追加です。サスペンダー以外にもベルトが使えるようになっています。
ポケットは両サイドに大型のものが2つ、フラップ付きの懐中時計用ポケットが右側に一つあるのも従前の野戦ズボンと同じです。

M43Keilhose21-2.jpg
社会の窓は6個のプラスチック製ボタンで留められています。上2個のボタンはフィールドブレーで下4個は黒のボタンです。内側にフィールドグレイのサスペンダー用のボタン2個が両サイドに付いています。

M43Keilhose13.jpg
サスペンダー用ボタンにサスペンダーを取り付けた状態です。

M43Keilhose2-1.jpg
後ろ側。ベルトループは裏側にもボタンが付いており、展開するとサスペンダーが取り付けられる様になっています。

M43Keilhose14-3.jpg
ベルトループを伸ばして、サスペンダーに繋げます。
6357_bryuki-polevye-m1943-keilhose.jpg
ベルトループにサスペンダーに取り付けた写真。アンクルブーツの兵士はM43野戦ズボン、半長靴の兵士はM40野戦ズボンを履いています。左から二人目の兵士は靴下でズボンの裾を巻き上げているように見えますが、この行為は1944年6月5日付けの通達で禁止となり、必ず短ゲートルを着用することが義務付けられました。
M43Keilhose1-6.jpg
アンクルブーツと短ゲートルを装着。スマートな半長靴に比べてどこか野暮ったいこの組み合わせは兵士からは不評でした。

M43Keilhose21-1.jpg
裏地は白いコットン製で、サイズやRB.ナンバーなどスタンプが押されています。

M43Keilhose7.jpg
RBナンバーとサイズスタンプ。RB. Nrの0/0320/0055は ザクセン州Halleにあった製造会社"Kurt Renne Uniform und Ausrustungswerkstatten"、E.44はエアフルト補給廠 1944年製を意味します。

M43Keilhose5.jpg 
ボタン穴側の裏地はレーヨン生地のヘリンボーンツイル(HBT)になっています。

M43Keilhose16.jpg
裾の補強生地もHBTです。

M43Keilhose23.jpg
ウエストのサイズ調整用ベルトの裏地もHBTです。バックルはM40野戦ズボンで紹介したのと同じPRIMAブランドです。

上(規格帽)から下(アンクルブーツ)まで44年製で統一してみました。(一部、画像を合成しています)

M43Keilhose27-1.jpg
このM43野戦ズボンは以前紹介した1944年製のM43野戦服と同じ、後期の特徴である人造繊維(ビスコース・レーヨン)の割合が高い生地に経済的なバット染料で茶色味の強いフィールドグレー(フェルトグラウ44)となっています。一方、ベルトループは初期の野戦服で見られるような灰緑色のフィールドグレーです。個人的には初期の青っぽいフィールドグレーの野戦服が好みですが、このような茶色っぽい野戦服も良いですね。

最後に、昨年のように年初の目標を書こうかとも思いましたが、一つも実現できていないのでやめました。。。(2019年の目標はこちら)ただし今年も地道にドイツ軍装品の記事はアップしていきたいと思いますので、引き続き弊ブログを応援いただければ幸いです。


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