陸軍M34略帽 (Feldmutze 34) Part1

世界同時不況の中、海外コレクターがいろんなものをネット上で売りだしており、しかも10年に一度の円高、ついつい財布のヒモが緩みがちになっております。

しかしながらあくまで、1ドル=120円、1ユーロ=160円の時に比べれば、という相対論であり、また軍装品の値段なんてものは、もともと定価なんてものはなく、需要と供給でコロコロ変わるので、円安の時でも今より安く手に入ったものも結構あります。

そう自分に言い聞かせて、なるべく軍装ものに出費はしないようにしているのですが、ついつい物欲に負けていろいろ買ってしまうところがダメ人間らしい所です。

ということで、ずーっと憧れだったものをついに入手しました。

DSC06678.jpg
陸軍34年型略帽です。(Feldmutze 34) 船形の野戦帽で、43年につば付きの規格帽(M43)が登場するまで、変形バージョンであるM42略帽と共に下士官以下に支給されました。

DSC06652.jpg 
国家章(鷲)やコカルデ章(菱形)の色で40年6月以降に作られたものと判ります。ソータッシュ(兵科を表す山形のヒモ)が付いていた痕があるので、42年夏以降、通達により外された可能性があります。

この略帽、一般的にコレクターの間では英語でoverseas capと呼ばれていますが、side capやfield cap, garrison capなどの呼び方もあるので検索するのが大変です。

まぁ、もう手に入ったので検索の心配はしなくて良いですが・・・
(しかしながら、このM34だけで満足する私では無かったのである・・・続く)

ostfronb0002.jpg


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陸軍M34略帽 (Feldmutze 34) Part2

ご無沙汰しております。予告どおり、懲りずにまたもやM34略帽を入手してしまいました。

 
M34cap3.jpg
そして、前回紹介したM34略帽がこちらです。

M34cap4.jpg
違いが、お分かりいただけますでしょうか?
まずは生地の色合いが違います。どちらもフェルト色がフィールドグレーですが、上のM34略帽が青っぽく、下のM34略帽は黄色っぽい色合いになっております。
そして、国家鷲章、国家章(コカルデ)が上はダークグリーンのベースにライトグレーの色の刺繍下がフィールドグレーのベースに同じくライトグレーの刺繍となっています。
生地と国家章の色合いの変化は同時期の野戦服(Feldbluse)にも見られます。

M34cap1.jpg   M34cap2.jpg

そして最大の違いが、ソータッシェ(山形の糸ヒモ)の有無です。前回も書きましたが、42年からは兵科を色で示すヒモ糸が外され防諜に貢献しております。右側の略帽にはソータッシェが付いていた痕があるので、もともと付いていたのを42年の命令により外したと思われます。

一方、左のほうは初付け(工場出荷時のまま)のようです。ちなみに黒の兵科は「工兵」を示します。

フォト
M34略帽はなんとかこれで2パターン揃えることができましたが、あとはM42略帽を入手すれば一応Heer(陸軍)略帽はコンプリートします。

全兵科色別、とか、M34略帽以外の布製ヘッドギア(M38、M40、M42、M43)を集めたりするのも良いのかも知れません。
ちなみに略帽の正しい運搬方法については下記参照。

フォト
・・・・やっぱり、白のソータッシェ(歩兵科)が欲しいなぁ。。。(ふりだしに戻る)


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陸軍M34略帽 (Feldmutze 34) Part3

こんにちは、エーデルマンです。 本日はM34略帽 (Feldmutze 34)についてアップします。 
M34略帽はライヒスヴェーア時代の1934年11月に導入された略帽(=略式制帽)で、1942年にM42略帽が導入されるまで戦闘・作業帽としてあらゆる兵科で使用されました。 

M34earlycap_16N.jpg 
極初期のデザインは国家色のコカルデ(円形章)と兵科色のソータッシュ(山形ヒモ)が頭頂部に付いており、フラップ前面にはM42略帽のようにボタンが2つ付けられていました。(当時はヴァイマール共和制なのでもちろんハーケンクロイツ付きの国家鷲章はなし)ちなみにボタンは機能しない飾りボタンとなります。 

M35tunic32.jpg
1935年頃の写真。前列右側の兵士がM34略帽を被っていますが分かりづらいですね。

こちらの写真にはコカルデとソータッシュがはっきりと写っています。(STEINER氏所蔵)
M34earlycap_1.jpg 

1935年版のREIBERT(STEINER氏所蔵)
Bergmutze_0.jpg 

そしてライヒスヴェーアからヴェアマハトに組織が改編した1935年には、コカルデは金属製からBEVO製となりソータッシュと共に一段下のフラップ前面に移動、頭頂部には国家鷲章が縫い付けられます。 (初期帽章のベースカラーはライトグレー)
M34earlycap_33.jpg  
ここでは便宜上、左側のイラストの帽章の取り付け状態を1stパターン、右側を2ndパターンとします。

M34earlycap_21.jpg 
2ndパターンの略帽を着用する兵士。M34略帽とM34野戦服にはライトグレー地の徽章が付いています。角型肩章がダークグリーンなので、1935年後半以降に撮られた写真と思われます。
M34earlycap_32.jpg  
1935年9月10日付けの陸軍規程35年第505号(H.V.35,Nr.505)により、野戦服の襟がダークグリーンに変更されると、帽章のベースカラーも同色に変更されます。(右側の状態を3rdパターンとします)

こちらのM34略帽は3rdパターンで、1935年に導入された新型帽章が取り付けられています。
 
M34earlycap_18N.jpg   
M34earlycap_17N.jpg 
この略帽、よく見るとフラップ前面の縫い合わせの位置が右側に寄っています。これは1stパターンの略帽の特徴です。(この略帽を極初期型と呼ぶことにします)
M34earlycap_19N.jpg  
最初は1stパターン、次に2ndパターンの徽章が付けられていたものが最終的に3rdパターン付け替えられたのか、或いは1935年になっても極初期の縫製を工場が続けていたのか不明です。

それでは極初期型と、以前こちらで紹介した1940年製のM34略帽(工兵科)を比較してみましょう。

M34earlycap_1-2.jpg 
1940年製の方はフラップの縫い合わせが真ん中です。また極初期タイプの方は頭頂部の立ち上がり角度が垂直に近く頭頂部もフラットな為、被帽時に正面から見て四角いシルエットとなります。 
M34earlycap_31.jpg  
左側の国家鷲章はダークグリーン地にオフホワイト色の刺しゅう、40年製の方は1937年に導入されたダークグリーン地にライトグレー色の刺しゅうとなっています。


M34earlycap_2.jpg 
横から見たシルエット。極初期型は頭頂上辺が長尺の為、内側に深く折り込まれています。 

極初期型の内装とスタンプ。
M34earlycap_11.jpg 
コットン生地の裏地がフェルト生地本体に手縫いで取り付けられています。

M34earlycap_6.jpg 
サイズは58cm、1.は中隊番号でしょうか? 残念ながらメーカー名と製造年は判読不可能です。

M34earlycap_15n.jpg   
ベンチレーションホールの金具。亜鉛製で表面はエナメルでメッキされています。
 M34earlycap_9-1.jpg M34earlycap_9-2.jpg   

この略帽にはソータッシュが頭頂部に付けられた痕跡(縫い跡)がありません。また新型帽章の縫い糸は裏地に貫通しておらず初付けと見られる為、1935年の軍備拡大の折に新たに参入したメーカーによって作られた可能性があります。
M34earlycap_28.jpg

年表で見ると、1stパターンと2ndパターンの存在期間は非常に短く
なっています。実際に1stパターンはヴェアマハト以降は2ndパターンに全面的に切り替えられたと思われ、その為かオリジナル状態で現存している略帽はとんでもないレアアイテムとなっています。ただし2ndパターンと3rdパターンの違いはベースカラーのみ、なので帽章は在庫は無くなるまで使われ続けたと思います。

M34earlycap_22.jpg
丸形肩章を着用しているので1936年以降に撮影された写真と思いますが、ほとんどの兵士が2ndパターンの略帽を被っています。

最後になりましたが、貴重な1stパターンの
写真を掲載させていただいたSTENER氏に感謝の意を表します。


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