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M39背嚢 (Tornister 39)

こちらは1942年製のM39背嚢(Tornister M39) です。いわゆるリュックサック(バックパック)で、部隊が離れた戦闘区域へ移動する時など、兵士が個人装備を運搬する際に使われました。

M39affe_1.jpg 
コットンキャンパス地で負担がかかる部分は革の補強がされており、フラップ(上蓋)には防水用に馬毛または牛毛が貼り付けてあります。(毛の無いバリエーションもあり)第一次世界大戦から使われていたものをベースに1934年11月に正式採用(M34)、39年4月にマイナーチェンジされました。(M39)

M34とM39の違いは主に下記の3点です。

1.背負ストラップの有無
2.飯盒用ポケットの有無
3.背面フック用のタブの有無
(M34は有り・M39は無し)

dsc00214ju8[1]  
海外コレクター所有のM34です。背負ストラップはYサスペンダーの採用により不要となりDリングに置き換わりました。
Yサスペンダーについては過去の日記(こちら)を参照ください 

M39affe_2.jpg
M39のDリングを利用してYサスペンダーを取り付けたところ。単に分離しただけですが合理的な考えです。

M39affe_4.jpg 
フラップを上げてメインルームをオープンしたところ。(英語ばっかりですみません)結構複雑な造りです。
ガバっと開くので中身の取り出しは便利です。

さて、袋ものとくれば中に何が入っていたかが気になるところ。
1943年版のREIBERT(ドイツ陸軍操典)には“HOW TO PACK”が記述されております。

Tornister.jpg

diagram.gif
英語に翻訳したもの(43年版よりかなり詳しいので36年版の翻訳?)

編上靴にタオル、シャツそれに飯盒袋・・・個人で集めるのに相当な努力(資金)と運が必要です。完全ギブアップです。
しかし世の中には変人努力家もいて見事に再現されています。http://www.dererstezug.com/packingatornister.htm
→後日こちら(「背嚢の中身」)で再現してみました。



上記サイトではマニュアルどおりにパックしたようですが大きく膨らんでしまっておりちょっと見苦しいですね。
全部しまい込むのはかなり無理があるようです。

tn_Untitled-Scanned-01.jpg
靴底がはみ出してます(笑) やはり靴を中にしまうのはイヤですね。

それでも入りきれない場合はフラップにAフレームを取り付けるという荒業も。
aframe.jpg
なんだかなぁ・・・付け焼刃的な気もしますが、専用の金具やストラップがあることから元々こうするつもりだったんでしょう。なかなかコレクター泣かせなことをしてくれます。

初期装備のイメージがある背嚢ですが、意外なことに大戦中を通じて生産され続けました。1944年の刻印や後期生産品のRBナンバーのものも存在するようです。(当然数は少ない)

9_20101225004648.jpg


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M39背嚢 (Tornister 39) Part2

こんにちは、エーデルマンです。皆さま、静かな年末年始いかがお過ごしでしょうか?Go toキャンペーンは昨日から一時停止となり、各交通機関の込み具合は去年の半分以下になっているようですが、それでも半分の人は里帰りや旅行するんだなぁと思った次第です。まぁ逆に空いている今こそチャンスかも知れませんね。

さて本日はドイツ国防軍のM39背嚢(Tornister 39)と、背嚢の中身のアップデートとパッキングを再現したいと思います。
Tonister0.jpg
こちらは1941年製のM39背嚢ですが、ドイツ軍の一般的な背嚢とは違って上蓋には毛が付いていません。

Tonister6.jpg 
こちらは以前こちらで記事にしたM39背嚢ですが、動物(馬や牛)の毛が上蓋に付いています。背嚢が別名"Affe”(独:サル)なのは、この毛むくじゃらの外観からです。
キャンバス地の上蓋は熱帯用とする意見もありますが、このような背嚢は第一次大戦中の背嚢や準軍事組織向けでも存在しているので、恐らく省力化されたモデルだと思います。
Tonister7-3.jpg 
構造は箱型で取り出し易く、メインルームの開口部が広くなっています。

Tonister8.jpg 
背嚢上部にはYサスペンダーおよびAフレームと結合するDリングが付いています。Yサスペンダー用フック付きDリングは別パーツになっていて取り外し可能になっています。

Tonister14.jpg 
リベットピンの樹脂製のヒモを引っ張り、留め金を垂直の状態にして外します。

Tonister15-1.jpg 

Tonister11.jpg
このように取り外し可能になっているのはDリングの位置を調整する他に、Yサスペンダーが無くても背負ストラップに交換すれば使えるようにする為です。

Tonister3.jpg 
革の部分に打たれた刻印。"MAX MUELLER NURNBERG 1941"

Tonister9.jpg
下部にはYサスペンダー用のフック付きDリング、上蓋とメインルームのフラップを本体に留めるベルトが付いています。

conbat magazine-a
こちらは『コンバット★マガジン』1986年4月号の付録ポスターです。ドイツ歩兵装備のイラストとその名称がドイツ語の発音付きで載っており、M39背嚢も描かれていました。と、M36野戦ズボンでも書きましたが、このポスターは私にとってドイツ軍装の参考書であり、ここに書かれた装備を揃えることが目標でした。

最期に『背嚢の中身』のアップデートです。(←のリンクをクリックして8年前と比べてみて下さい)

Tonister12-6.jpg

背嚢を中心として時計回りに、プルオーバーシャツM31飯盒飯盒カバー洗面用具タオル、石鹸、くし、歯磨きセット、、髭剃りセット)、M40オーバーコート、装備ストラップ、編上げ靴、靴下、乾パン(ツヴィーバック)、肉の缶詰、M34クリーニングキットM31ツェルトバーンテントロープ裁縫セット靴みがきブラシセットと靴クリーム

ちなみにこの一枚の写真を撮るのに1時間ほどかかりましたが、こういうの好きなんで全然苦にならない変態です。(笑)
Tonister13.jpg
上記のアイテムを全て収納後、オーバーコートを取り付けて、行軍時のパッキングを再現しました。

それでは皆様、今年も大変お世話になりました。来年も宜しくお願いします。良いお年を!


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エーデルマン

Author:エーデルマン
脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

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