ベルト・ベルトバックル (Koppelschloss mit Lederwiderhalt)

1942年の夏、スターリングラードの激戦地にて、出撃前のドイツ国防軍兵士達に向い従軍牧師が説教を始める。

〝神は我等と共にあり〟
〝全兵士のベルトのバックルに刻まれている〟

それを聞いた兵士は自分のバックルに、牧師の言葉どおりの文字を発見するのであった。

もう、ドイツ軍マニアの人はお分りですね。

映画『スターリングラード』(1993年ドイツ版)の中ワンシーンですが、緊張して聞いている兵士が多くいる中で、古参兵(フリッツ伍長)の〝気がつかなかった〟という台詞がいかにもベテランらしく思わずニヤリとしてしまいます。

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   DSC08165.jpg
STALINGRAD 1993
世間的評価は低いですが、ドイツ軍マニアには結構ファンも多いと思います。
ドイツ兵をドイツ人俳優が演じるだけで満足。(もちろんドイツ語の台詞)。

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さて、またまた前置きが長くなりました。(これが私のスタイルなのでご勘弁くださいw)
今回は国防軍下士官・兵用ベルトとベルトバックル(Koppelschloss mit Lederwiderhalt)がネタです。

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こちらは、初期タイプの陸軍アルミ製のバックルです。
第一次大戦後のワイマール共和国時代の、Reichwehr(ライヒスヴェア)からWehrmacht(ヴェアマハト)に変わると共にバックルのデザインも変更されました。
HB3.jpg  
〝GOTT MIT UNS〟(神は我等と共にあり)と国家鷲章が刻まれています。
革タブには〝BERG u NORTE A-G〟 〝LUDENSCCHEID〟〝1938〟の刻印があります。  Berg & Nolte社1938年製。
HB4.jpg  
裏側に〝B&N 38〟 の刻印があり。オリジナルのフィールド・グレイのペイントがかすかに残っています。


こちらは、後期のタイプの陸軍鉄製バックルです。


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革タブには〝H・ARLD〟〝NUERNBERG〟〝1941〟の刻印


HB2.jpg  

〝H.A 41〟 の刻印。


革製ベルトに、バックルの爪を利用して装着します。

belt.jpg    

厚みのある丈夫な作りで、装備品を腰に吊り下げることができます。これで会社に出勤したいです。

P1017800.jpg
薄くなっていますが、〝1940〟の刻印がかろうじて読めます。

P1017801.jpg
〝95〟cmです。

勇猛果敢さと力、無敵の象徴であり、誇るべき国章である鷲と、神は常に一緒にいるという言葉が刻まれたバックルを身につけた兵士はまさに無敵になった気持ちだったでしょう。

gd.jpg

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「ベルトのバックルを見よ、神は常に貴君らと共にある!」

『あ、本当だ』 
『でも、俺クリスチャンじゃないんだけど・・・』


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陸軍下士官・兵用バックル

キタ ― .∵・(゚∀゚)・∵. ― ッ!! ブログを開設して2年と3ヶ月、つ、ついに5万アクセスを超えました。
皆様、本当にありがとうございます!

さて今回は5万アクセスを記念して騎士鉄十字章を!・・・と行きたいところですが、残念ながコレクションアイテムの中でも最高峰である騎士鉄を購入できるはずも無く、財布のみならずネタもすっからかんという状態です。
(10万アクセスだとひょっとして騎士鉄もアリ・・・?)
それでも何か書かないと・・・ということで、今日は「陸軍下士官・兵用バックル」を取り上げたいと思います。

ドイツ陸軍のバックルについては以前、こちらで記事にしましたが、ベルトのバックルだけに、次のネタが入るまでの“つなぎ”ということでお願いします。( ´△`;)

buckle11.jpg

こちらが本日のネタの陸軍下士官・兵用バックルです。鉄製で黄色味の強いフィールドグレイで塗装されています。

   buckle23.jpg
メーカーのDr.F.& Co. (DR.FRANKE & Co KG社)、製造年の1942(もしくは1943)の刻印があります。

buckle24.jpg
一見なんの変哲もないバックルのようですが、実はコレ、ある部分が普通とは違っています。

さてここでクイズです。一体なにが違うのでしょう?
表の写真を見ただけで分かった人はすごいです。では裏側を見てみましょう。


   buckle10.jpg
あ!判った革タブが無いんでしょ?
うーん惜しい!でも革タブが無いのは別に変でもなんでもなく、42年以降に生産されたバックルには無いのが普通です。

では次の写真を見てください。

buckle15.jpg
通常のバックル(41年製)と並べてみました。もうお判りですね。
そうです、「このバックルにはツメが無い」が答えです。ツメ折れただけの不良品では?私も最初はそう思いました。
 buckle17.jpg  
ところが、側面の加工を見てピンと来ました。これは不良では無く、意図してツメを取り外しているのでは無いかと。
ご存知のとおり、ドイツ軍の下士官・兵用バックルのツメは調節用ベルトに挿してバックルを固定するためのものです。
buckle8.jpg
このようにツメを調節用ベルトの穴に通し、バックルを固定します。では、ツメが無くてどうやって固定するのでしょうか?
 
buckle19.jpg

それは側面に開けられた穴と横軸にカギがあります。
穴の中を横軸が矢印の方向に動くことで、ベルトを締め付け外れない仕組みです。

buckle20.jpg  
実際にベルトを通してみましたが、横軸とベルトとの間に摩擦が生じ、強く引っ張ってもビクともしません。

buckle21.jpg  
ツメだと調整用ベルトの穴の間隔でしかベルトの長さを調節できませんが、この仕組みだとミリ単位でできます。
これはなかなかグッドアイデアです。バックルもベルトも生産工数を大きく減らせます。
ただ元々の横軸用の穴が残っているので、明らかにメーカーの工場で行われたものではありませんね。

ではどこで誰が?

私の勝手な推測ですが、戦場で元鍛冶屋か彫金師だった兵士、もしくは整備兵によって行われたのでは無いでしょうか?

buckle22.jpg
小銃を修理する整備兵

調整用ベルトはベルト本体に比べてペラペラの革でできており、特に穴に何度も抜き挿しているとその部分が脆くなって切れやすくなります。(写真に写っている調整用ベルトも途中から切れてしまっています) このバックルだと調整用ベルトが切れたベルトでも使い続けることができます。
 
もちろん、この加工は戦後コレクターによって行われた可能性もあります。(そんな人はコレクターと呼びたくありませんが)
しかし、戦場で調整用ベルトが切れて困った兵士が、元鍛冶屋だった兵士に頼んで改造してもらったバックル、そう考える方が夢があって面白いかもしれません。


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コットン製下士官・兵用ウエストベルト

先週は土曜日まで出張しており、日曜日は溜まった仕事を処理すべく午前中はオフィスに篭って仕事していたので更新が遅れました。本日は下士官・兵用のコットン(ウェブ)製ウエストベルトを中心に1943年中盤以降の軍装をマネキンで表現したいと思います。    


webbelt20.jpg


さて、コットン製ウエストベルトは、コットン製Yサスペンダー同様、当初は熱帯地方に派遣される部隊に支給され、中期以降は全戦域でも使用されます。

webbelt16.jpg

なお熱帯と言えば、北アフリカ戦線、DAK(ドイツアフリカ軍団)が真っ先に思い浮かびますが、地中海沿岸、イタリア南部やギリシアも熱帯地方に含まれます。

map3_20130603062621.jpg  
すっごい適当ですが、黄色い部分がドイツ軍的に熱帯地域かと。(はっきりと区別するような文献等はありませんので、あくまで個人的意見ということで。。。)


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革製ウエストベルトと同じく巾4.5cm、長さは90cm~120cmの範囲で作られていました。このベルトには9?というスタンプが押されておりますが、実寸は91cmなので91?

webbelt23.jpg 長さ調節用のベルトもコットン製です。一番端の穴ならウエスト91mでOKということです。この部分が革でできているコットン製のウエストベルトもあります。

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ベルトバックルへの装着方法は革製ウエストベルトと同じです。

 webbelt15_20130603064140.jpg

反対側にはフック金具が取り付けられています。

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上記は1943年頃の戦闘工兵部隊の軍装(のつもり)です。M42野戦服に取り付けたコットン製ウエストベルトにはKar.98K用の弾盒とP38用ホルスターが装着されています。腰にはM43柄付手榴弾を挿しています。

webbelt7.jpg
中期以降の特徴として水筒や飯盒は鉄製、ストラップ類はコットン製です。
うーん、しかしこうして実際に着装してみるとYサスペンダーはともかくコットン製のウエストベルトはなんとなく違和感がありますね。ウール製野戦服にコットン製のウエストベルトを着用しているのは当時の写真でも確認できるのですが、なんとなくしっくり来ないのはコットン=アフリカという刷り込みのせいでしょうか?

(追記)
上記説明で、さも中期以降の兵士の全ての水筒や飯盒が鉄製、ストラップやベルトがコットン製になった・・・ような受け取られ方をしてしまったかも知れません。そんなことは無く、もちろん常にモノが不足している状態で古い装備はとことん使い続けられ、素材は在庫がある限り旧来通りに作り続けられました。
よって“中期以降見られるようになった装備品の一例”とお考えください。


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陸軍下士官・兵用バックルとベルト(末期型)

本日は大戦末期に生産、陸軍下士官・兵に支給された鉄製バックルとベルトを紹介します。
1941年のモスクワ攻防戦、42年のスターリングラードの戦いで大敗北を喫し人的・物資的な大損害を受けたドイツ軍は、兵士に支給する装備の省資源化をすすめ、質よりも量を優先するようになります。

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大戦末期(1944~45年)の国防軍兵士の軍装。
M44野戦服M43規格帽M44雑嚢、そして今回紹介する末期型バックルとベルトです。なお、ショカコーラのパッケージも鉄製から紙製に変更されました。

まずは末期型のバックルから。
M44B_1.jpg
鉄製のパンツァーグラウ塗装で典型的な後期型バックルの特徴を持っています。材質についてですが、初期型バックルはアルミで作られていましたが、アルミは航空機の材料で貴重となった為、かなり早い時期(41年頃)に、鉄製に変更されています。(アルミ製品が鉄製に置き換わることになった背景についてはコチラ
末期でも、〝GOTT MIT UNS〟(神は我らと共にあり)」の文字や国家鷲章のデザインは変わっていません。

 M44B_2_1.jpg 
裏側です。42年頃から省略される革タブがこちらにも付いていません。
なおベルト穴を通す爪の部品が、茶色くエナメル加工されていることがお分かりでしょうか?このエナメル加工は、防錆以外にベルト穴の出し入れを滑らかにするという効果があると考えます。

M44B_18_2.jpg  
「J.F.S」の刻印があります。(製造メーカーコードで、Gablonzにあった、Josef Feix & Sohnes社)

次に末期型ベルト(M44ベルト)を見ていきましょう。
M44B_7.jpg

M44ベルトには、それまでのベルトとは外観上違う点があります。

M44B_22-1.jpg
通常の下士官・兵用ベルト(上)M44ベルト(下)との比較。M44ベルトは表からベルト穴が見えます。

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通常のベルトはベルト本体と長さ調整用ベルトの二重になっていて、ベルト穴は表から見えないようになっています。

M44B_19_1.jpg
一方、M44ベルトは長さ調整用ベルトではなく、ベルト本体に開けられたベルト穴に爪を通すようになっています。
この省略された長さ調整用ベルトですが、薄い為に切れやすくなっており、切れるとベルトは使えなくなってしまいます。(切れた場合の対処法についてはコチラで記事にしています)

調整用ベルトを無くしたのは、材料の節約と生産性の向上に加え、使い易さを考慮した結果だと思います。

M44B_4.jpg
パンツァーグラウのバックルとM44ベルトは大戦末期の省力化モデルというよりは、兵士の声を反映させた進化形なのかも知れません。

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脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

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