雑嚢の中身 ~身嗜み編~

雑嚢はその名前のとおり、本来は雑多な物を入れる袋で、時と場所そして兵士個人の嗜好によって中身は千差万別であったと思われます。参考となる当時の写真も雑嚢こそは写っているものの中身は推測する他ありません。
(背嚢のようにガイドラインがあれば良いのですが・・・)
そんな中、STEINER氏のHPを参考にコツコツ集め始め、困難だったいくつかのアイテムを入手してようやく人様にお見せできるようになったのでアップしたいと思います。

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第一回は「身嗜み編」ということで兵士のグルーミンググッズを中心に紹介します。

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まずは軍用タオルから。青い線は陸軍(Heer)仕様とされています。H.U.と鷲章は毛布にも押されているスタンプです。
このタオル、実はリプロなのですが、本物と同じ素材で見分けがつきません。(実物を入手して比べた所、全然違いました(^^;)

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髭剃りセットです。替え刃と安全剃刀そしてブラシです。水筒のカップで石鹸を溶かせば髭そりができます。

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ベークライト製の石鹸ケースと石鹸の本体です。石鹸は洗濯用石鹸と思われます。
体と同時に衣服を清潔に保つことは兵士の努めでした。

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携帯用鏡です。髭そりの他、太陽の光を利用した通信手段としても使用できますね。
このタイプは鉄の板を鏡面に仕上げたもので少々乱暴に扱っても割れる心配はありません。


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最後はクシです。アルミ製で右側は細目、左側は荒目となっています。アルミは航空機の素材として貴重なはずですが、こういう所に使われているのは意外です。ベークライト製のクシもあります。  
以上があれば、最低限の身嗜みはなんとかなりますね。(歯ブラシや歯磨き粉が抜けていますが、塩と指で・・・)

雑嚢の中身シリーズ、2回目は「糧食・嗜好品編」を予定していますが、個々のアイテムの写真を撮る時間がなかなか取れず、次回はいつになるか判りません。

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雑嚢の中身 ~糧食・嗜好品編~

前回の「身嗜み編」から続き、M31雑嚢の中身「糧食・嗜好品編」です。ドイツ兵の雑嚢に入っていた糧食・嗜好品に関係する代表的なグッズを紹介します。    

① ファットコンテナー(Fettbüsche)

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“ファットコンテナー”の名前のとおり、主に脂(ラード、バターや鶏脂)を収納するための容器で全兵士に支給されました。
ベークライト製で、茶色以外に黒やオレンジ色のものもあります。
 
     contener7.png
このコンテナーの容量は220g。兵士一人の一日当たりの脂の摂取量が72gとされていたので約3日分です。
ラードと言えばトンカツを揚げる油を思い浮かべますが、ドイツ軍ではシチューに入れて風味を出したり、パンに塗って食べることで必要な熱量を得ていました。

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② エスビット(Esbit)

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ブリキ製の携帯用ストーブで調理器具として兵士に支給されました。開閉式のカバーがゴトクになります。
内部には固形燃料の箱が収納できるようになっています。


③ ポケットナイフ(Taschenmesser)

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コミスブロート(ライ麦で作った軍用パン)を切ったり、ジャガイモの皮を剝いたり、フォークの代わりにするなど戦場でのポケットナイフの用途は数え切れませんが、必ずしも全兵士に支給されたものでは無いようです。
上(左)のナイフはブレードに「SOLIGEN」、ハンドルの部分には国家鷲章の刻印ありますが実際にドイツ軍が使っていたものかどうか不明です。
下(右)のナイフには、ケーブルの皮膜を剝ぐ為の刃がついていることから工兵用と言われています。
上記以外に兵士が個人で購入するケースも多く、スイスアーミーのような多機能ナイフも使われていました。


④ 折りたたみ式スプーン・フォーク(Essbesteck)

spoon3.png
 
  spoon4.png

アルミ製のタイプです。1937とヴァッヘンアムト(WaA)、メーカーマークが刻印されています。


⑤ 缶切り(Dosenöffner)


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ドイツの缶切りはかなり凝った造りです。
映画「橋」では、少年兵がミルクか何かの缶詰を銃剣で簡単に開けていたので必需品では無いのかも知れません。


⑥ 缶入りチョコレート(Schokolade Behälter)



 schokakola1.jpg      schokakola4.jpg
 
ドイツ軍が兵士に配給したチョコレート「Scho-ka-kola」です。
この缶のように年号が中央にあるものや、国家鷲章がデザインされたもの、紙製の容器のタイプが存在しています。
チョコレートは戦場でのストレス解消と共に、手軽にカロリー摂取するのに適した食べ物となります。

映画の小道具としてマニアの間では有名で「橋」では少年兵が敗走する負傷兵からもらったり、「スターリングラード」では第6軍の兵士が空中投下されたコンテナーの中にこのチョコレート缶を見つけてむさぼり食うシーンがありました。


⑦ コーヒーバッグ (Kaffee-Beutel)

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焙煎コーヒー豆
のバッグです。代用コーヒー(炒った麦・大豆・タンポポの根から作ったコーヒー)ではなく本物なので
一般兵士の雑嚢には入っていなかったかも知れません。


⑧ 煙草紙(Zigarette-Papier)

tabaco1.jpg  
なんといっても兵士の楽しみは食後の一服だったでしょう。
“Efka”のパッケージには"Allerfeinstes Zigaretten Papier"(他にはない最高級の煙草紙)と書かれています。
手巻き煙草の場合、このような紙がない時は新聞紙などで代用していました。(ソ連の「プラウダ」など)
当時のドイツ兵にとってパイプでの喫煙も一般的です。


⑨ マッチ箱(Zündholzschachtel)

tabaco2.png
煙草に火をつける以外に、使用目的は山ほどあります。

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今回アップしたグッズは兵士が戦場で食事をし、その後の一杯、一服を楽しむのに最低限必要と思われるものです。
もちろん数え上げればキリがないほど雑嚢の中身は他にもあります。
雑嚢の本来の目的は正式名称(独語でBrotbeutel、直訳すると「パンを入れるカバン」)の通り、パンや乾パンなどの食料品を運ぶことだったのかも知れません。


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雑嚢の中身 ~衛生用品・雑貨編~

雑嚢の中身その3は「衛生用品・雑貨編」です。

① 手帳 (Notizbuch)

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まさに「黒革の手帳」もしくは「ブラック・ダイヤリー」。
軍から支給されたSoldbuch(兵隊手帳)ではなく、個人手帳です。

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1ページ目には持ち主の所属部隊や名前、オーストリアの詩人Friedrich Halmの詩の一節も書き写されています。
地図記号や、モールス信号の解説、無線機の操作方法などが記述されています。


② 野戦郵便専用BOX (Feldpost Kasten)


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封書以外の野戦郵便を送付する専用の箱です
たて11 xよこ7.5 x 深さ3.5 cmの紙の箱で差出人の名前と宛名を記入できるようになっています。
43年1月25日の消印があります。

feldpost01.jpg

中には歩兵突撃章と所有証明書、上官から授与した兵士の母親もしくは妻に宛てた手紙それと傷病者タグが入っていました。
前の持ち主によると、入院中に死亡した兵士の遺族へ送られたものとのことです。(合掌)


③ ニベア缶 (NIVEA CREME)

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現代でもお馴染みのニベアの缶です。直径7.5cm、深さ2cmのアルミ製の缶です。(中身はもちろん空です)
実は、最近までニベアがドイツの会社(Beiersdorf社)のブランドとは知りませんでした。
表面にはNIVEA CREMEとFUR HAUS UND SPORT(家庭及びスポーツ用)、ZUR HAUTPFLEGE(スキンケア)。
裏面には登録商標ナンバーでしょうか?Nr.368と容量(70 ccm=ミリリットル)、会社名と使用上の注意が書かれています。
乳化剤オイセリットがアフリカの太陽とロシアの寒さからドイツ兵の肌を守ったことでしょう。


④ アルカリ性眼軟膏 (Alkalische Augensalbe Behälter)


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眼病予防の軟膏です。7.5cmのアルミチューブに入っております。
"Alkalische Augensalbe Wehrkreissanitätspark III Berlin". (アルカリ性眼軟膏 ベルリン軍管区第3衛生部隊所有)、 "Leere Tuben sammeln!" (空チューブは回収すること!)という文字が印刷されています。


⑤ フットパウダー (VASENOL FUSS -PUDER)
 

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水虫予防のパウダーです。Fuss-Puder(フットパウダー) Armee-Packung(陸軍向) 半長靴を履く歩兵には必需品です。
フタを外すとコショウのビンのように無数の穴が開いていて足にふりかけることができます。


⑥ 応急処置用包帯 (Verbandpäckchen)

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兵士は負傷した際、衛生兵が近くにいない時はこの応急処置用包帯を使って自分で手当てするよう訓練を受けていました。


⑦ 軍用ロウソク (Dienst Kerze)


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別名“スターリングラード・キャンドル”名前の由来は判りませんが。腹が減っていたらチョコレートと間違えて口に入れてしまいそうです。
使ってみていないので判りませんが、カップ一杯分の水を沸騰させることは可能かと思います。


⑧ 35mmフィルムと8mmフィルム (Filmkanister)


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35mmのロールフィルムのアルミケースです。AGFAの刻印があります。
ツァイスやイエナ、ライカなどドイツは世界一のカメラ大国であり、兵士も戦場にプライベートで購入したカメラを持ち込み写真を多く撮りました。
自分や戦友を撮ったフィルムは大切に保管され、野戦郵便で故郷へ送られたことでしょう。

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こちらは、8mmムービーのフィルムです。こちらは個人というよりも、宣伝中隊(PK)の兵士が持っていたものでしょうか。
35mmも8mmも現像してみれば何か貴重な映像が写っているかも??


⑨ 財布 (Brieftasche)



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某軍装ショップでセットで売られているのを購入しました。当時の兵士が使ったものかは判りませんが、雰囲気は出てます。
酒保でモノを買う程度の小銭と恋人と思われる女性の写真、入場チケットが入っていました。
どちらかと言えば、雑嚢よりも野戦服に入るアイテムですね。

今回は前2回で入れ忘れたモノを押し込んだ感が若干ありますが、雑嚢シリーズもあと1回位はできそうです。


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野戦糧食(Verpflegung)

ドイツ軍では後方の野戦調理部隊がコミスブロート(軍用パン)やフィールドキッチン(俗名:Gulaschkanoneシチュー砲)で調理した食べ物を戦闘部隊へ3食配給することになっており、前線にいる兵士が自炊することは無かったとされています。

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しかしながら何らかの事情で食事が届かない場合、兵士には即席食品を主とした野戦糧食(Verpflegung=レーション)、いわゆる”ミリメシ"が配給されました。後方部隊から食事が配給されないことは非常事態だったのでレーションは頻繁に食べられるものではなく、よって下記の条件を満たす必要がありました。

・運搬が容易で長期保存が可能なこと
・調理が不要、もしくは簡単なこと
・高カロリー・高エネルギーであること

保存食の代名詞である缶詰はもちろん、運搬や梱包材料の温存を考慮した紙製のパッケージに入ったビスケットや乾パン、粉末状のスープやジュースなどがありました。

ドイツ軍のレーションについては有名な資料本があります。

Rations of the German Wehrmacht in World War IIRations of the German Wehrmacht in World War II
(2010/07/28)
Jim Pool

商品詳細を見る
オールカラー301頁で掲載しているアイテムはすべて実物。未開封の缶詰からキャンディーの包み紙まで膨大な量の糧食を見ることができます。アイテム以外に当時の珍しい写真も紹介されています。

この資料本には到底及びませんが、手持ちのものをいくつか紹介したいと思います。

※なおここで紹介するモノ全てが部隊から支給されたレーションという意味ではありません。兵士が酒保で買い求める類のモノも含まれています。

一番最初は「雑嚢の中身糧食・嗜好品編~」でも紹介したレーションの代表選手、「Scho-ka-kola」です。

  schokakola10.jpg         schokakola4.jpg

直径8.8mmの缶に50gの円盤状のチョコレート50g(カカオ52.5%、カフェイン0.2%配合)が2枚入っています。なおSTEINER氏のサイトでは貴重な中身(当時のチョコレート!)や詳しい内容を見ることができます。
資料本でもScho-ka-kolaは16頁を使って説明しており、冬季に12時間以上連続で勤務するパトロール兵に後述するクネッケブロートなどと一緒に配られたことや缶のバリエーションなどを紹介しています。

こちらは「Weike Barde」という菓子です。

   cigalliro1.jpg 
紛らわしいイラストの為、しばしばタバコの箱として売られているようです。(私もタバコ箱として買いました)
本当はスティック状のクッキーが正解。
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未開封です。封帯を解いてみればお菓子かタバコかの疑問は解けますが・・・(ちなみに振ってみると〝カサカサ〟とタバコでは無い音がします)なお封帯には「Vertrieb Ohne Verwendung Von Steuerzeichen Zugelassen」と印字されています。Googleで翻訳すると「Steuerzeichenの許可が無くても販売できる」みたいに訳されるんですが、Steuerzeichenが何を意味するのか判りません。

こちらはドイツ人なら誰でも知っているDr.Oetker社の「pudding pulver」(プディングパウダー)です。
droctber1.jpg  droctber6.jpg
自分で買っておきながら、戦場でプリンなんか本当に作るの?と思いましたが、資料本には「ドイツ兵には、士気を保つのに効果的と思われる数々のスイーツが支給された」とありなるほどと納得。

droctber3.jpg
「wehrmacht verpflegung=国防軍レーション」と日付のスタンプもあります。


      droctber5.jpg 
ちなみに、この写真は現代のDr.Oetkerのプディングパウダーです。ドイツの友人が写真を送ってくれました。

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「hirschhornsalz」(膨らまし粉)です。パンやケーキを焼く際に使用します。ラベルには「本品は小麦粉1ポンド半(約670g)分に使用」と書かれています。

NATRON.jpg
「KAISER-NATRON」(重曹)です。doppeltkohlensaures Natron(重炭酸ソーダ)、mild und bekömmlich(マイルドで口当たりの良い)、für Kuchen, Haus, Reise(キッチン、家庭旅行のための)と書かれています。
ベーキングパウダー同様、膨らまし粉(ベーキングソーダ)として使うことができます。(重曹が用いられる例:クッキー、パンケーキ。ベーキングパウダーが用いられる例:ケーキ、マフィ、ビスケット、バターケーキ、イースト無しのパン等) 

NATRON2.jpg
裏面には重曹を使った調理方法が書かれています。重曹は他にも灰汁抜きや肉を柔らかくすることに使われたり、水と混ぜて炭酸水を作ることができます。調理以外には、消化剤や洗剤、医薬品(胃酸過多に対して制酸剤として使われる)にも応用できる優れものです。

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「Hayma」というジンジャーブレッドの上にかけるスパイスのようです。これは資料本には載っていませんでしたが、封のところに「Für Die Deutsch Wehrmacht=ドイツ国防軍用」「Kriegs-Weihnachten1942=1942年 戦争クリスマス(直訳)」というスタンプが押されているので、間違いないようです。
なおこの「Kriegs-Weihnachten」ですが、戦場でクリスマスを迎える兵士への特別配給物という意味でしょうか。

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人工甘味料サッカリン「Kristall Süßstoff Saccharin H」です。砂糖の代用品としてコーヒーや紅茶に入れたり、ベーキングパウダーに混ぜたりします。パッケージの表面には「Der Inhalt dieses Bäckchens entspricht der Süßkraft von etwa 550 g Zucker(このサッカリン一袋で約550gの砂糖に相当する)」と書かれています。
裏面には「Man löse den Inhalt dieses Päckchens in einem halben Litter warmen wassers auf.(一袋を半リットルのお湯に溶かす) Ein Teelöffel dieser Lösung entspricht der Süßkraft von 3 stuck Würfelzucker(スプーン一杯分のサッカリン粉末が角砂糖3つ分に相当する」という表記も。


salt2.jpg salt4.jpg

粉末ジュースが入った筒型ケースです。Marsch-Getränk(行軍飲料) 2.5L分とスタンプされています。何味かは書かれていませんが、匂いから判断するとレモン味のようです。このような粉末化食品は液体のまま運ぶより遥かに軽量で、レーションとしては最適でした。

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「MAGGI SUPPEN」有名な”マギー”スープも粉末化されました。こちらは卵味(Eier)の星型(Sternchen)ヌードルスープ2食分です。

camembert1.jpg
「Camembert」(カマンベールチーズ)250gのパッケージ。Weichkäse aus pasteurisierter kuhmilch(低温殺菌牛乳から作られたソフトチーズ) 45% Fett i. Tr(脂肪分45%) メーカーはSiegfried通り69番地にあった、Milchhof Nürnberg G.m.B.H(有限会社ニュルンベルグ酪農場)とのこと。Wehrmacht-Packung(国防軍用)で製造年月は1943年12月。

各種紙袋
deli1.jpg deli2.jpg
BONBONS(ボンボン=砂糖から作られた殻で包んだ菓子)を小分けにする場合に使用された袋のようです。

     coffee.jpg        coffee2.jpg

「Kaffee」(コーヒー)も重要な野戦糧食です。frisch gerösteter(焙煎)コーヒー用の袋です。代用コーヒー(炒った麦・大豆・タンポポの根から作ったコーヒー)ではなく本物です。

最後にクネッケブロート(Knäckebrot)について。

KB4.jpg  

クネッケブロートは北欧生まれのライ麦の薄焼きパンでビタミンやミネラルなどの栄養価が豊富です。ドイツ軍では主食であるコミスブロートが手に入らない場合の非常食とされていました。



クネッケブロートは厚紙でできた四角い箱に入れて配給されました。

  Knackebrot.jpg
125g入りのクネッケブロートの箱。1941年製です。この箱、ホンモノということで購入しましたが実はフェイクのようです。
市場に相当出回っているらしく資料本にはご丁寧に見分け方まで載っています。

左がフェイク、右が実物です。
knackebrot6.jpgknackebrot7.jpg 
実物と比べるとフォントや文字の間隔が若干違いますが、コピーする際にメーカー名のスペルを間違えるという初歩的なミスを犯しています。(「Batscheider」が「Batschaider」になっている)

なんと軍装コレクターの間で有名な「Deutsche Soldaten: The Uniforms, Equipment and Personal Effects of the German 1939-1945」ではこの箱が実物として紹介されています。

kiji5.jpg

こちらの箱も実物として売られていました。(スペルは正しい)
knackebrot1_20120827021228.jpg
しかしながら資料本の著者はこの箱自体、オリジナル性が疑わしいと書いています。
その理由は2つ。1つ目、この会社のクネッケブロートには別のデザインの箱があるらしく、通常何種類も作らないからニセモノという理由。2つ目はメーカーという意味のドイツ語Herstellerの後には通常 :(コロン)があるはずなのにこちらは無いから、だそうです。(完全否定はしていませんが・・・)
この箱の真贋はさて置き、実物のクネッケブロートは空き箱でも1万以上、中身が残っているモノは10万円以上するとか・・・
いやー恐ろしい世界です。


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タバコと関連アイテム(Tobacco)

皆さんタバコを吸いますか?私は5年ほど前に禁煙に成功するまでは一日一箱くらい吸っていました。量こそ少ないものの喫煙歴は長く、喫煙を始めたのはここだけの話、中坊の頃と結構早かったですね。当時タバコを吸うのはグレてというよりも、大人になることへの憧れみたいなものがあったんじゃないでしょうか。
またテレビや映画、小説などで兵士や刑事が危機一髪の状況を潜り抜けた後にタバコに火をつけてふぅ~と一服やる姿がとても格好よく、そういうシーンの影響も大いにあったと思います。(あ、未成年のタバコは絶対NGですよ!・・・と私が言うのもなんですが・・・)
ということで、今回はドイツ兵の喫煙グッズを紹介したいと思います。
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戦場ではタバコは兵士の数少ない娯楽の一つ、いくらタバコ嫌いのヒトラー、健康オタクのヒムラーでも兵士から喫煙の楽しみを取り上げることはできませんでした。軍はタバコを配給制としSTEINER氏のサイトによれば1日7本の紙巻タバコが戦闘地域の給食には含まれていたようです。

もちろん、配給以外にもタバコは一般店や酒保で入手することはできました。

◆ 紙巻タバコ(Zigaretten)

 tabaco21-1.jpg
      tabaco24.jpg

ECHT ORIENT No.5という銘柄の当時の代表的な紙巻タバコ20本入りのパッケージです。(Waldorf Astoria社製)
当時の主流はフィルターの入っていない両切りタバコです。
tabaco23.jpg  
封印紙には国家鷲章のエンボスがあります。

(追加画像)

こちらはboyouLaGleize.氏の素晴らしいタバコパッケージのコレクションです。氏の許可を得て掲載させていただきます。

collection.jpg
すべて当時の実物です。パッケージの図柄を見ているだけで楽しくなりますね。

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当時のタバコ屋をまるごと買い取ったような品揃えは圧巻の一言です。(画像はクリックすると拡大します)
ドイツ製以外にも、輸入品や被占領国製、敵から鹵獲したタバコもドイツ兵士は嗜みました。

(さらに追加写真)

ブログアップ後に入手したタバコのパッケージ各種。

regie4.jpg
ECKSTEIN.jpg
 
この二つはboyouLaGleize.氏のコレクション写真の下段右から二つ目の写真に写っています。

atika.jpg
トルコ葉を使用した「アッテカ」。


◆ 手巻きタバコ紙(Zigaretten Papier)

tabaco31JPG.jpg  

手巻きタバコ用の巻き紙です。Ekkaのパッケージには"Allerfeinstes Zigaretten Papier"(他にはない最高級のタバコ紙)と書かれています。このような紙がない時は新聞紙などで代用していました。1パッケージ50枚入りとなっています。

tabaco26.jpg  
右側の兵士がタバコを手で巻いているのが分ります。

◆ 自動紙巻機(Zigaretten Machine)

  tabaco3.jpg
こちらは自動紙巻機です。スチール製でEfka ACIMAの刻印が入っています。製造年等の刻印が無いので作られた時期は分りませんが、このような自動紙巻機は大戦中も兵士によって使用されました。

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こちらは1945年頃に撮影された写真ですが、左端の兵士が手にもっているのは上記と同型の自動紙巻機です。

tabaco01.jpg  
当時のEfka ACIMAの広告。


 tabaco6.jpg
紙巻機の蓋を開いたところです。蓋側にある布とローラー(写真では見えていません)でタバコを巻きます。
それでは、どうやって巻くのかを写真で説明したいと思います。

  tabaco7.jpg
まず、受け皿にタバコの葉を入れます。

   tabaco8-2.jpg
布とローラーを使ってくぼみを作り、その部分にタバコの葉を入れます。葉はまんべんなく敷くようにします。フィルターがあれば、どちらか片方の端に置きます。
 
   tabaco9.jpg
上記の位置に巻き紙を置きます。あとで糊付けする為に紙の端を舐めておくのを忘れずに。

  tabaco10-1.jpg
蓋をゆっくりと閉めます。

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巻かれた状態のタバコが押し出されてきます。手巻きタバコは慣れないと巻くのが難しいのですが、これなら極めて簡単にできます。タバコ紙や余ったタバコもこのケースに保存しておくことができます。ケースの形状は体フィットするよう湾曲しており、野戦ズボンの尻ポケットにピッタリ収まります。

◆ パイプ(Pfeife)

pipe1.jpg
こちらはウッドパイプで吸い口はベークライト製になっています。(フランスの老舗パイプメーカー「Bruyere」製)
なお前線での喫煙は健康に良く無いだけではなく、たばこの火によって敵に所在を知られたり、狙撃兵に照準をされたりと、時として死につながる場合もあります。その点パイプは火が直接外から見えない為、前線の兵士には人気があったとか。

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映画『スターリングラード』のワンシーン

◆ マッチ(Streichholz)
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マッチ各種。箱のデザインもいろいろあって、これだけでコレクションの対象になりそうです。

◆ マッチコンテナー(Streichholz Behälter) と防水マッチ

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  match container3

ベークライト製のコンテナーに防水マッチです。

◆ ライター(Feuerzeug

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ライターにもいろいろな種類があります。左二つはその形状から弾丸型と呼ばれるライターです。
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どのライターもボディの内部にオイルを注入しドラムとフリントで着火する方式が取られています。
見た感じですが、着火部品は共通しているようです。

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タバコに火を点け合う光景ってなんとなくいいですね。これでドイツ兵の喫煙グッズの紹介を終わります。


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エーデルマン

Author:エーデルマン
脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

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ケルベロス 鋼鉄の猟犬 (幻冬舎文庫)
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ヒトラーが暗殺された後の撤退戦を描いた架空小説。小道具にこだわるところがマニアっぽい

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