分隊用ストーブ (ARARA 37 Feldkocher fur ein Gruppe)

ドイツ軍が戦時中に使用した分隊用ストーブが欲しくなり、数年前に『JUWEL 34』をオークションで入手しました。
分隊用ストーブはその名の通り分隊単位で配られた料理を作ったり、暖を取るのに使用する調理用ストーブです。

mp876.jpg  mp876 (1)
『JUWEL 34』
ご存知の通り、JUWEL 34は戦後の生産品で、ナチスドイツではなくDDR(東ドイツ)の軍隊が使ったストーブです。
しかしながら実は購入前に大きな誤解をしていました。
『JUWEL 33』という大戦中に使用されたストーブのことは知っていたので、JUWEL 34はでっきり33の翌年、34年に採用された戦中モデルと勘違いしたわけです。(数字=採用年だと考えてしまう軍装マニアの悲しい性・・・)

juwel_1.jpg  
写真は『JUWEL 33』です。後継モデルであるJUWEL 34とは構造はもちろん、外観もほぼ同じです。
(写真は海外コレクター所蔵品)
なお、このJUWELストーブ、現在もマイナーチェンジを経て販売されています。(現行モデルはこちら

もともと『SVEA 123R』(ポータブルストーブの元祖ブランドでJUWELはそのコピー)を学生時代から登山やキャンプで愛用し、このタイプのストーブが好きな私は、返品もせずコレクションに加えることにしました。

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20年以上愛用しているSVEA 123R。全くメンテナンスしていないにも関わらず、動作は常に良好です。
冬山のキャンプでは「ブォー」という力強いバーナーの音に寒さや疲れを忘れます。

それでも、一応はドイツ軍装コレクター端くれ。やはり大戦中モデルのJUWEL 33の存在が忘れられません。
ぜひ入手したい!しかし軍装コレクターだけでなく、ヴィンテージストーブコレクターも血眼になって探しているアイテムです。
ジャンルを広げてウォッチしましたが、現存数が少ない為でしょうか、なかなか市場に姿を現してくれません。

そしてある日のこと、オークションにJUWEL 33に形の良く似たポータブルストーブが出品されてました。

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上蓋には『ARARA 37』の文字が。


deutsche-soldaten.jpg  9_20110828125425.jpg
『Deutsche SOLDATEN』の258ページに載っているストーブと同じようです。

あくまでJUWEL 33が本命ですが、これも大戦中のストーブには間違いないようなので狙ってみることにしました。
しかしながら相場が全く判りません。JUWEL 34の1.5倍くらいかな?と気軽に考えていたのは浅はかでした。
競った末、なんとか落札できたものの想定の2倍以上の価格に。。。(涙)
ドイツ軍装コレクターにとって、分隊用ストーブは露出度が低くエスビットほど必須アイテムってわけではないはず。
きっとヴィンテージストーブコレクターも入札に参加したに違いありません。

アメリカのイリノイ州より到着したARARA 37です。

1_20120219004654.jpg  2_20120219005847.jpg

光源の違いで微妙な違いが出てしまいました。上側が実際の色に近いですね。

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出品者の説明によればアメリカの帰還兵がドイツから持ち帰ったそうですが本当でしょうか?
  
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タンク部は風防や蓋と同じくジャーマングレーで塗装されています。
NUR FUR BENZIN(ガソリン専用)の文字はJUWEL 33や34にもあります。

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火力の調整、メンテナンス用のツールが付属しています。
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ポータブルストーブのコレクション。左からARARA 37・JUWEL 34・SVEA 123Rです。
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タンクやバルブの形に違いがあるものの、基本構造は全く変わっていません。
ARARA 37はプレヒートした形跡はありますが、バルブが綺麗なのでほとんど使われてはいないようです。

ARARA 37は入手したものの、JUWEL 33をまだ捜し求める自分がいます。(どこまで続くこの泥沼よ・・・)

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分隊用ストーブ (Juwel 33 Feldkocher fur ein Gruppe)

人類と火の歴史が始まったのは今から160万年前ごろ、ジャワ原人や北京原人などのホモ・エレクトスがいた時代だと考えられています。落雷や山火事で発生 した火は、最初は彼らにとって恐怖の対象でしかなかったと思います。
そのうち群れの中で勇気ある一匹(一人?)が恐る恐る近づいて火のついた枝か何かを洞窟に持 ち帰ってみたところ・・・

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寒 い冬でも凍死しなくなった、調理することで多くの食物を安全に食べることができるようになった、襲ってくる獣や敵から身を守ることができたなど、人類は火 を身近に置くことで数多の恩恵を受けます。するどい牙や厚い皮膚を持たない人類が厳しい生存競争に打ち勝つことができたのも、火という心強いパートナーがいたからでしょう。

JUWEL21.jpg
火と親密になればなるほど文明はますます栄え、生活は豊かになっていきます。
そして13世紀末には、ある物質が誕生し人類に強大な破壊力を与えることになります。



火薬の発明です。

【火薬】
火薬(かやく)や 爆薬(ばくやく)は、熱や衝撃などにより急激な燃焼反応をおこす物質(爆発物)のことを指す。狭義には最初に実用化された黒色火薬のことであり、ガン・パウダーの英名通り、銃砲に利用され戦争の歴史に革命をもたらした。
(Wikipediaより)


火薬と同時に遠くの敵をより多く殺傷する火器も開発され、戦術は大きく変わります。article161.jpg
17世紀に入ると固体(石炭)や液体(石油)など、木に変わる燃料を燃やし動力とする機械が作り出され、人間はその何千・何万倍の力を有するようになります。
こうして文明はますます発展していきますが、とどまることを知らない人類の欲望はさらに多くの火を必要とし、20世紀には燃料の奪い合いが世界規模で起こります。

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2度の世界大戦はあらゆる分野でイノベーションを起こしますが、これまで築き上げてきた文明を一瞬にして消滅させてしまう"核"という新たな火も人類は作り出してしまいました。

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「多すぎる火は何も生みやせん」 by 風の谷


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火が人間の愚かさを露呈させる一方で、文化的発展に大いに貢献したことの一つに食物の加工=調理があります。

火を使って調理することで多くの物を安全に食べられるだけでは無く、美味しく食べることができるようにもなりました。
焼く以外に煮る、蒸す、揚げる、炒めるなどの料理法も竈や鍋などの調理設備の発達で可能となり、世界中で食文化が生まれます。

野外で調理したい場合、薪や炭を使う焚き火が一般的な方法でしたが、19世紀のフランスで灯油を燃料に使用するポータブル・ストーブが発明されます。ポータブル・ストーブは火をおこす手間を減らし、持ち運びにも便利という利点を備えており、屋外活動が主なキャンプや登山、さらには軍隊でも使用されました。

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スウェーデンで1892年に開発された加圧式ストーブ「プリムス・ストーブ」は頑丈で信頼性が高く、ロアール・アムンセンの南極点の探検やリチャード・バードの北極点到達といった極地探検への携行ストーブとして選ばれ、とくに悪環境下でその性能を発揮しました。
「SVEA 123」はプリムス・ストーブから発展したポータブル・ストーブで加圧ポンプを省略し、さらに小型・簡素化を実現、携行性を高めています。

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   こちらは改良型のSVEA 123R

第二次大戦中のドイツ軍はこのSVEA 123に類似のストーブを採用します。以前紹介した「ARARA 37」と今回紹介する「Juwel 33」が有名です。

下記は先週の出張で持ち帰ったモノの一つ、Juwel 33です。ドイツから送られてきました。


JUWEL1.jpg     JUWEL2.jpg


SVEA 123のコピーと言われていますが、外観を見る限りはこれはこれで独自のデザインです。
このJuwel 33には上下の蓋を固定するストラップが付いていますが、ストラップ無しのタイプもあります。

JUWEL14.jpg

蓋にはJuwel 33とGutav Barthel社の刻印があります。

JUWEL22-3.jpg
使用するには上蓋を外し、風防兼防護カバーの上に調理容器をのせます。


 JUWEL9.jpg

心臓部のバーナーと燃料タンクです。燃料タンクをプレヒートし気化した燃料(ガソリン)に着火するという非常にシンプルな構造です。火力は斜め下に突き出した制御バルブで調整します。
この部分は、SVEA 123とそっくりです。どちらが真似をしたのかは定かではありませんが、知名度を考えるとJuwel 33がコピーだと考えるべきでしょうか。

タンクにも蓋と同じくJuwel 33とGutav Barthel社の刻印がありますがこちらは錆びがびっしりと浮いている為、判別が難しい状態です。


続いて、Juwel 33の付属品です。

1 工具ケース
2 スパナ
3 漏斗
4 ノズル清掃工具
5 清掃針

スパナはバルブを分解する際や制御バルブのハンドルを操作する時、ノズル清掃工具はニップル(パイプ)が詰まった際に使用します。
付属品には上記に加え予備のニップルやパッキングがありますが欠品しています。

取り扱い説明書も工具ケースの中に折りたたんで入れられるようになっていますが、本品に付属してた説明書は折りたたまれた形跡が無い為、別途保管していた可能性があります。
(取り扱い説明書については下記で詳しく)

【取り扱い説明書】

(表) 使い方の説明及び交換用パーツの部品番号が書かれています。

JUWEL16.jpgJUWEL17.jpg

(裏) Gutav Barthel社の小型ストーブやトーチの広告が載っています。

JUWEL19.jpgJUWEL18.jpg


最後にポータブルストーブの比較です。

JUWEL4-1.jpg  JUWEL10-1.jpg     


まずはARARA 37との比較。ストラップの有無以外は全く同じデザインです。軍からの指定ということで共通性が多いのかもしれません。



JUWEL13.jpg  JUWEL12-1.jpg

戦後モデルのJuwel 34との比較。こちらも風防のスリットの形状・数以外はほとんど同じです。制御バルブが水平に改良されています。

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以上、だいぶ前にキャンプ場で焚き火をぼんやりと眺めながら、ふと浮かんできた考えを文字にしてみたところ、このようにブログ史上最長の前置きになってしまいました。(あと、画像の横に文字が打てることを発見し、嬉しくてつい・・というのも理由です)

このJuwel 33は煤やバーナーの状態から見てつい最近まで使われていたようです。道具は使ってナンボのもの(ただし高いのとか希少品は・・・(^_^;))、こちらに来てアウトドアとは無縁の生活になってしまいましたが、機会があればぜひ使ってみたいですね。

JUWEL6.jpg


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個人用携帯ストーブ (Esbit Kocher)

最近めっきり寒くなりましたね。私の住む某中米国某市は寒さとは無縁と思われるかも知れませんが、朝晩はダウンジャケットが必要なくらい冷え込みます。このような季節は焼酎か日本酒を飲みながら鍋でもつつきたいのですが、あいにくここでは鍋料理の食材の入手が非常に困難。いつの日か日本に帰ってちゃんこ鍋を腹いっぱい食べるのを夢見る日々です。

さてそれでは本題に入りましょう。以前「飯盒の中身」として紹介した個人用携帯ストーブ「エスビット(Esbit)」ですが、本日は単品としてスポットを当てたいと思います。

  esbit001.jpg        
エスビットはErich Schummによって1933年に設立 されたドイツの会社の名前ですが、固形燃料(Trocken-Brennstoff)やそれを使う携帯式のストーブの名称となっています。(このブログでもエスビットとは携帯式ストーブのことを指します)
エスビットの用途は上のイラストや下の写真を見れば一目瞭然ですね。上記のイラストのようにエスビットを使って糧食を温めなおしたり、コーヒー用のお湯を沸かしました。




なお糧食系の資料本「Rations of the German Wehrmacht in World War II」 によれば、エスビットは各兵士に一個支給というような装備ではなかったとのこと。野戦糧食の記事の中でも書いた通り、ドイツ軍は前線の兵士に調理済みの食事を可能な限り配給した為、個人が調理器具を所持する必要がなかったことが主な理由です。そうは言ってもやはり寒い地域で戦う兵士にとって冷めた糧食を温め直したり、お湯を沸かすのに必需品。ガソリンストーブ(Juwel 33ARARA 37)と共に支給されたようです。
ただし配給の割合はバラバラで、フィンランド北部に駐留していた山岳部隊には猟兵2人に1つガソリンストーブが支給されたとする一方でグロースド イッチュランドの中隊にはガソリンストーブ20個とエスビットが数個しか支給されず、さらに酷い例ではモスクワに近い場所にいたある歩兵部隊の将校の証言によるとガソリンス トーブの所有はゼロ、エスビットの燃料もほとんどなかったとか。
esbit33.jpg
資料本に掲載されている当時の広告です。なるほど調理以外に熱湯消毒用の湯を沸す場合にも使えますね。


esbit.jpg
エスビットの寸法は横9.7cm、縦7.4cm、厚さ2cm、薄いスチール板でできています。(なお資料本には亜鉛製とありますが、磁石が付きます)
「HIER AUF KLAPPEN!」(ここを開く) 「Mod. 9 Ges.  gesch」(モデルNo.9、Ges. gesch=Gesetzlich Geschützt,登録商標くらいの意) なお、「Esbit」の由来はErich Schumm Brennstoff  In Tablettenformの頭文字からとのこと。

esbit14.jpg
サイドパネルを開き、できた空間に固形燃料を置きます。開いたパネルは風防、調理器具を乗せるゴトクになります。

TABLETTEN AUFLAGE(タブレットをココに置く)
Hersteller (メーカー)
ERICH SCHUM (ERICH SCHUMM社)
Esbit Brennstoff-Fabrik(エスビット燃料工場)
Stuttgart-W(Wüttemberg州 Stuttgart工場製)

   esbit13.jpg
ヒンジ部分にある3つのくぼみを使えば、パネルをさまざまな角度に固定するすることが出来ます。

esbit21.jpg
このようにパネルの角度を狭めることで水筒のカップのような底の面積が小さい容器も置くことが出来ます。

 stove3.png
上記は本体に固形燃料を収納した所、下記は固形燃料(Trocken-Brennstoff)のパッケージです。

esbit29.jpg
esbit36.jpg  
一箱に20個のタブレットが入っており、箱ごとエスビットの中に収納できます。パッケージのデザインには上記以外にいくつかのバリエーションがあります。見えずらいですが下のパッケージ裏には、同社製品No.9、No.18、No.3の商品イラストが描かれています。(軍が使用したのはNo.9)

 esbit17.jpg
こちらは下のパッケージの側面のイラストですが、兵士が野外でエスビットを使うシーンが描かれています。

esbit31.jpg
エスビット本体とその紙箱です。兵士がエスビットで調理している様子が描かれています。兵士のイラストと「Der Kocher für den Soldaten」(兵士の為のストーブ)という文章から軍用モデルと言われていますが・・・うーん軍に納品するのにわざわざ専用の箱を作るでしょうか?(古今東西共通して官公庁への納入価格は徹底的に叩かれてコスト的には厳しいはずなのですが・・・)

 esbit37.jpg
上記は紙箱の4側面のイラストですが、ここに書かれているのはすべて民間人たちです。勝手な想像ですが上記のパッケージは一般人向けにも売られていたもので、兵士のイラストを載せることで戦意高揚を狙ったのでは無いでしょうか。

 esbit38.jpg
箱の裏側には使用方法とイラストが掲載されています。
Esbit ストーブモデル9のサイドパネルを開いてことで暖めることができる。固形燃料のタブレットを1つ又は2つ置いてマッチで火をつける。(図2) コーヒーカップのような小さい容器を使用する際はサイドパネルを曲げる(図1)というような意味かと。

 esbit7.jpg
こちらは本体付属のマニュアルです。このマニュアルは超入手困難の為、ネットで拾った画像を拝借しました。



esbit32.jpg
ドイツ軍で使用されたストーブ一式です。JUWEL 33、ARARA 37との比較するとそのコンパクトさがよく判ります。またもや資料本の受け売りですが、一般の兵士は火力の強いガソリンストーブを好み、装備を極力少なくする必要のある降下猟兵や山岳猟兵はエスビットを迷わず選択したというのも納得です。(あーますます鍋が食べたくなった・・・)


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個人用携帯ストーブ (Esbit Kocher) Part2

皆様こんにちは。週末ちょっと泊りがけで外出していたので、アップが遅れてしまいました。日曜日の夕方に戻ってきたのですが、土曜の朝からずっと運転しっぱなしだったので腰が痛い状態です。。。

さて、今日はネタはエスビットのパッケージのバリエーションの紹介です。
前回、エスビットに関する記事で兵士のイラストが書かれたパッケージを紹介しましたが、あちらが軍用モデルとすれば、こちらはいわば民間モデルです。

esbitciti02.jpg

このパッケージには兵士では無く、山で料理をするハイカーのイラストが描かれています。
Esbit Taschen-Kocher(エスビットポケットストーブ)には類似品が多かったのでしょうか、Esbitのロゴ上に“Original”、表裏どちらにもD.R.P(ドイツ帝国特許)の文字がこれ見よがしに印刷されています。


Rations of the German Wehrmacht in World War IIRations of the German Wehrmacht in World War II
(2010/07/28)
Jim Pool

商品詳細を見る

糧食の資料本にもこのパッケージが掲載されています。

esbitciti4.jpg   
エスビット・コレクターによれば、このハイカーが書かれたタイプは1943年にエスビットの工場がStuttgartからMurrhardtに移転した以降に作られたエスビットのパッケージとのこと。


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このような紙のパッケージは使用後に捨てられるか燃料として燃やされることが多いため、残存率はかなり少ないようです。

esbitciti17.jpg
パッケージの横には使用例のイラストが描かれています。

  esbitciti9.jpg  
エスビットの中に入っていた固形燃料(Trocken-Brennstoff)のパッケージは以前紹介したものと同じです。
         esbitciti6.jpg
こちらのパッケージには固形燃料のタブレットが残っていました。タブレットの大きさは3.2cm x 1.2cmで「ESBIT」の文字が彫られています。タブレットがバラバラになっていますが、本来はタブレットが5個、1ピースになったものがパッケージには2つ入っています。

 plakat-historisch-3.jpg
当時の広告にはバラバラになる前のピースの状態が描かれています。

esbitciti25-3.jpg     
軍用、民間といってもどちらも酒保、そして一般の店で売られていた可能性はあります。
先ほどパッケージは捨ててしまうと書きましたが、ついつい置いておきたくなるデザインですね。

なお、本日この記事を書こうとPCの前に座った瞬間、ボロアパートの台所の水道管が破裂∑(゚◇゚;) すったもんだしたあげくようやく水が止まりました・・・明日、仕事を休めないのにどうしよう。。。。


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個人用携帯ストーブ (Esbit Kocher) Part3

若い頃は週末や連休はよく山登りに出かけていました。当時、シティボーイ系(懐かしいフレーズですね)の友人からは、わざわざ重いザックを担いで苦労して登って、又降りるなんて何が面白いのか、エネルギーの無駄だとまで言われました。しかしハーハー言いながら長い時間かけて登り、頂上に立ったときの爽快感は登った人にしか分からず、山を降りたらすぐに次の山行の計画を立てたものです。

esbit-20.jpg
山岳猟兵、ではなく若い頃の私。この頃はなかなかいいガタイをしてますね。(今は見る影もありませんけど・・・)

しかし山は楽しいことばかりではありません。道に迷って遭難しかけたこともありましたし、突然の雷雨に襲われて一歩も動けずビバークしたこともあります。山の天候は変わりやすく、3000メートル級の山はもちろん、夏の低山でも遭難して凍死なんて事故は珍しくありません。

esbito-20.jpg  
そういったアクシデントに備え、エスビットはザックのポケットに必ず忍ばせていました。軽くて携帯しやすいエスビットは日帰りの山登りでも欠かせないアイテムでした。

さてそのエスビットですが、今回は本体及び固形燃料パッケージのバリエーションをいくつか紹介したいと思います。

esbito-1-1.jpg
左から順に旧→新となっています。左のタイプはコレクターの間では初期モデルまたは戦前モデル(Pre-War model)と呼ばれており、現在アルミ製とスチール製の2種類の存在が確認されています。
真ん中はこれまでも紹介してきたモデルで、大戦中、主に使用されたのはこのタイプです。
右のエスビットは後期モデルで、ゴトクとして使う場合に底に接触する部分が凸凹になっています。

さて、それでは初期モデルから見ていきましょう。

esbito-23.jpg  
表面にはエスビットのブランドとメーカー名(Hersteller)とERICH SCHUM社名、工場のあったStuttgartのUntertürkheimの刻印があります。


 Stuttgart-Untertuerkheim-1906.jpg
1906年のStuttgart Untertürkheimの風景


esbito-19.jpg  
初期モデルが他のモデルと決定的に違うのは、カバーやベースがパーツになっていて完全に分解できるところです。
しかしながら、固形燃料のパッケージを収納できる点は同じです。

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裏面(かどうか分かりませんが)には組み立て方の説明とイラストが記されています。

esbito-5-2.jpg
イラストどおり組み立ててみました。カバーがゴトク兼風防になる点は以降のモデルと一緒です。


  esbito-7.jpg
こちらは本体内に収納されていたパッケージの裏に書かれたイラストです。kochengeräte und Brennstoff zum Erwärmen von Speisen, Getränken, Konservendosen, (料理や飲み物、缶詰の温めにエスビット調理器具と固形燃料)、Rasier-und Mundwasser usw.(髭剃りや歯磨きなどなど)

pzvrpfl.jpg
上記は当時の絵葉書ですが、手前にこのモデルが写っています。

真ん中のモデルは既に何度か紹介しているので端折りたいと思います。詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。


esbito-22.jpg こちらは後期モデル。カバー境目が直線から凸凹になったのは現在のエスビットに通じるデザインです。


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実はこのモデル、大戦中に作られたとする意見と、いや、戦後だという意見に分かれています。「大戦中」の根拠は、「Made in Germany」(戦後だと「Made in W-Germany」のはず)と「D.R.P(ドイツ帝国特許)」(戦後は使われなくなった)の二つの刻印となっています。
その一方で「戦後」と主張する理由は、そもそも戦争の真っ只中に輸出用に作ること自体が有り得ない、戦後の混乱と物不足により戦前の機械を使った・・・などがあります。

さて「エスビット」とは本体のみでなく、固形燃料も指す名称でもあります。この箱にもバリエーションがあります。

 esbito-11-12.jpg  
左上からZの字に旧→新となります。エスビットのロゴ、炎のイラストにも微妙な違いがありますね。


esbito-12-12.jpg  
こちらは裏面のデザインです。一番新しいタイプは固形燃料が擬人化されているところが興味深いです。


esbit17.jpg

esbito-26.jpg

上記は下段二つのパッケージの側面には、兵士のイラストが描かれています。(これも“大戦中に作られた”の根拠となっています)


esbito-16.jpg
こちらのパッケージには固形燃料が袋に入った状態で残っていました。4分割になるブロックが6個入っています。4x6で24タブレット・・・あれ?パッケージに20タブレットと書いてあるのは何故??

なおネットでエスビットを調べていたら、大戦中のパッケージをスキャナーで取り込んだものを見つけました。
これを厚紙に実物大にカラープリントして箱を作れば雰囲気はばっちりです。

高解像度バージョンをダウンロードできるリンク先を張っておきます。
http://www.panzergrenadier.net/forum/viewtopic.php?f=82&t=17355

esbito-27.jpg esbito-28.jpg

エスビット、個人的には大好きでついつい集めてしまいたくなるアイテムです。(で、下のようになりました)

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脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

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