官給セーター (Schlupjacke)

この趣味を続けていると、時々表から見えない部分がどうなっているか興味が沸いてくることがあります。
その中でも、ドイツ兵士が野戦服の下に何を着ていたのかが大変気になります。

こういう場合、やはり当時の写真を手がかりにするのが一番です。
戦場では野戦服をかっちりと着ている兵士も、兵舎ではリラックスできるのでしょう、上着を脱いでいる写真を多く目にすることができます。

17_20111002072832.jpg

4_20110806134041.jpg
定番のヘムト(シャツ)以外に下着の上に直接セーターを着ている兵士も多く、年間を通じて朝晩が冷えるドイツでは毛糸のセーターは必需品だったと思われます。

必然的に東部戦線の兵士もセーターを着ていたと考えて差し支えないでしょう。

SWEATER3.jpg  
最も一般的なセーターはM36野戦服と同時期に支給された「36年型セーター」です。(こちらはレプリカです)
Vネックと袖の部分にグリーンのラインが入っているのが特徴です。
Vネックではなく、丸襟になっているタイプ、タートルネックタイプのセーターも存在しております。

6_20111002072723.jpg
そして、こちらは36年型のバリエーション?と思われるセーターです。

P1019257.jpg
タグにはメーカー名(Th.Elzner BERLIN)と、GR.3(サイズ表示)があります。

5_20111002072724.jpg
36年型セーターとの比較。つくりはほぼ同じですが、グレー色がより濃くVネックの緑のラインの幅も違います。

7_20111002072723.jpg
袖にあるラインの幅は全く同じです。

このセーターはドイツ軍オリジナル品ということで海外オークションに出品されていました。
商品説明には、米国陸軍第101空挺師団第506落下傘歩兵連隊A中隊にいたJohn Grossoという兵士がバストーニュで捕虜にしたドイツ軍兵士から奪ったセーターとか。
本当の話だったらスゴイですが、101空挺うんぬんはハナから信じず、当時の写真を片っ端から調べました。

20_20111002085841.jpg
白丸内の2人の兵士のセーターをご覧下さい。
左側の兵士が着ているセーターのVネックのラインは、隣の36型と思われるラインの幅よりも明らかに太くなっています。
ただし、1番最初の写真に写っている手前の兵士が着ているカーディガンと同じ可能性もあります。

8.jpeg
では、こちらはいかがでしょうか?
左側(36年型)に比べ、右側に立ってこちらを向いている兵士のセーターは色が濃くラインも太く見えます。
しかし斜めからの写真なので、ラインが曖昧でいまいち確信に至ることができません。

19.jpeg
これだ!中央のアコーディオンを持った兵士のセーターのVネックラインは明らかに太い!

・・・しかし、まだ何かが引っかかります。


そこで、セーターの写真を白黒にしてみました。

21_20111002094659.jpg  
あー!!ラインが消えた!!(実際白黒にしたのは、出品写真です)
カラー写真だとはっきりと判るラインも、白黒だとご覧の通りです。もう一度、さっきの写真と見比べてみましょう。

右端の正面を向いている3名が着ているセーターと似てます、いや同じと言って過言ではないのではないでしょうか??
22.jpeg

これでやっと、入札するふんぎりがつきました。
そしてそれから約半月後、このなんとも人騒がせなセーターを無事に入手することができたのでした。(めでたしめでたし)

・・・と今回やや無理やりまとめた感が否めませんが、こういうことは本人が納得していれば良いのです。
さて、お次は101空挺師団のJohn Grossoなる兵士について調べてみるとしますか。

24.jpg 


FC2 Blog Rankingに参加しています。

←ポチっと応援お願いします!

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
スポンサーサイト
Profile

エーデルマン

Author:エーデルマン
脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

↓管理人へのMailはこちらからどうぞ↓

Category
FC2 Counter
Comments
Archive
Links
eBay
エーデルマンの参考文献
Ss-brigadefuhrer Und Generalmajor Der Waffen-ss Theodor "Teddy" Wisch
Ss-brigadefuhrer Und Generalmajor Der Waffen-ss Theodor "Teddy" Wisch
個人秘蔵の未公開写真が満載でLSSAHファンは必読の書。著者は友人

WWII ドイツ軍兵器集 〈火器/軍装編〉 (1980年) ワイルドムック
WWII ドイツ軍兵器集 〈火器/軍装編〉 (1980年) ワイルドムック
長年教科書だった本。小宮氏の「ドイツ軍の全貌」の解説がすごい

最強の狙撃手
最強の狙撃手
ドイツ軍No.2スナイパーの回顧録。狙撃シーンもすごいが、当時の兵士の生活も垣間見れる一冊

第2次大戦ドイツ軍装ガイド
第2次大戦ドイツ軍装ガイド
鮮明な写真による軍装品説明はブログ写真撮影の参考にしています

ドイツ軍装備大図鑑: 制服・兵器から日用品まで
ドイツ軍装備大図鑑: 制服・兵器から日用品まで
軍装品のカタログとも言えるボリュームは圧巻。実は密かに打倒を狙っていたり・・・

第2次大戦ドイツの自動火器
第2次大戦ドイツの自動火器
実物のFG42実射レポートを読めるのはこの本だけ

“グロースドイッチュランド”師団写真史―東部戦線におけるGD機甲擲弾兵師団1942‐1944
“グロースドイッチュランド”師団写真史―東部戦線におけるGD機甲擲弾兵師団1942‐1944
ドイツ国防軍好きなら買って損はなし

図説ドイツ軍用銃パーフェクトバイブル (歴史群像シリーズ Modern Warfare MW)
図説ドイツ軍用銃パーフェクトバイブル (歴史群像シリーズ Modern Warfare MW)
ドイツの軍用銃の専門書でビジュアル的に見ていて楽しい

ドイツの小銃拳銃機関銃―歩兵兵器の徹底研究 (光人社NF文庫)
ドイツの小銃拳銃機関銃―歩兵兵器の徹底研究 (光人社NF文庫)
ドイツ軍用銃のバイブル的な書。ドイツ軍スナイパートップ3への一問一答が興味深い

Feldbluse: The German Soldier's Field Tunic, 1933-45
Feldbluse: The German Soldier's Field Tunic, 1933-45
M33からM44までドイツ陸軍の野戦服を網羅。特にM36以前の野戦服は必見

Rations of the German Wehrmacht in World War II
Rations of the German Wehrmacht in World War II
とにかく当時のドイツ兵が食べていた糧食にこだわった一冊

武器と爆薬―悪夢のメカニズム図解
武器と爆薬―悪夢のメカニズム図解
迫撃砲はどうやって砲弾を飛ばすのか?小銃擲弾は?ほかにも大砲や爆弾のしくみを源文マンガでわかりやすく解説

グラフィックアクション GRAPHIC ACTION 1993年 No.17
グラフィックアクション GRAPHIC ACTION 1993年 No.17
このシリーズは市場で見つけたら買うべし

ドイツ武装親衛隊軍装ガイド (ミリタリー・ユニフォーム)
ドイツ武装親衛隊軍装ガイド (ミリタリー・ユニフォーム)
WSS専門だけど全部実物!

鼠たちの戦争〈上〉 (新潮文庫)
鼠たちの戦争〈上〉 (新潮文庫)
映画「スターリングラード」の原作本的な内容だが100倍面白い

鼠たちの戦争〈下〉 (新潮文庫)
鼠たちの戦争〈下〉 (新潮文庫)


スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1943 (朝日文庫)
スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1943 (朝日文庫)
塹壕から故郷へ送った兵士の手紙が興味深い「クリスマスはドイツ風に」の章は涙なくしては読めません

ケルベロス 鋼鉄の猟犬 (幻冬舎文庫)
ケルベロス 鋼鉄の猟犬 (幻冬舎文庫)
ヒトラーが暗殺された後の撤退戦を描いた架空小説。小道具にこだわるところがマニアっぽい

Flag Counter
QR CODE
QR