軍隊手帳と兵隊手帳 (Wehrpass u. Soldbuch) Part2
前回はErich RiedelというBau-Btl.111(第111建設大隊)に所属していた工兵のWehrpassをご覧いただきましたが、今回は同一人物が所有していたSoldbuchをご紹介いたします。
なお、Wehrpass,Soldbuchともに記述内容の判読に自信がありません。間違っている点がありましたらご指摘願います。
おっと、工兵なのに歩兵突撃章・・・しまった。
ちなみにBau-Btl.111についてSTEINER氏から貴重な情報をいただきましたので記述いたします。(ありがとうございます!)
・Bau-Btl.(Bataillon)は、通常、工兵Pionier-Bataillonとは異なり、歩兵師団に配属されたのでは無くて、軍管区から軍に配属されていた部隊である。
・このBau-Bataillon.111、元はRADの建設部隊から編制され、名称も1940年にはEisenbahn-Bau- Bataillon 111、更に1943年からはEisenbahn-Pionier-Bau-Bataillon 111に改称されている。
・東部戦線では、当初鉄道の軌道幅をドイツの規格に合わせる作業に、その後は鉄道の保守整備等に従事していたのかもしれない。
Bau(建設)という単語から、道路や掩蔽壕などを敷設する部隊とは思っていましたが、鉄道工兵部隊だったとは意外でした。軌道幅の規格がドイツとロシアでは違うことから、ロシア国内のすべてのレールの張替え作業を行ったこと。輸送を妨害するパルチザンやロシアの厳しい自然との戦いだったことなど前線で戦う兵士以上に活躍した部隊では無いでしょうか。やはりこの人物はReichsbahn(国鉄)の技術者だったのかも知れません。
Wehrpassには入隊前の職業が書かれています。フラクトゥールではないようですが判読不可です。
さて、こちらがSoldbuchです。兵士自身が管理・保管するよう義務付けられていました。
個人情報満載なので、捕虜になった場合や戦死して敵に鹵獲された場合に情報が漏洩してしまわないよう、そのもの自体の破棄、機密部分を破り捨てるべき事が指示されていました。
よって中隊本部が保管し、戦死/行方不明時には遺族へ送られたWehrpassに比べ必然的に残存率は少なくなっております。
なお、Wehrpass,Soldbuchともに記述内容の判読に自信がありません。間違っている点がありましたらご指摘願います。

おっと、工兵なのに歩兵突撃章・・・しまった。
ちなみにBau-Btl.111についてSTEINER氏から貴重な情報をいただきましたので記述いたします。(ありがとうございます!)
・Bau-Btl.(Bataillon)は、通常、工兵Pionier-Bataillonとは異なり、歩兵師団に配属されたのでは無くて、軍管区から軍に配属されていた部隊である。
・このBau-Bataillon.111、元はRADの建設部隊から編制され、名称も1940年にはEisenbahn-Bau- Bataillon 111、更に1943年からはEisenbahn-Pionier-Bau-Bataillon 111に改称されている。
・東部戦線では、当初鉄道の軌道幅をドイツの規格に合わせる作業に、その後は鉄道の保守整備等に従事していたのかもしれない。
Bau(建設)という単語から、道路や掩蔽壕などを敷設する部隊とは思っていましたが、鉄道工兵部隊だったとは意外でした。軌道幅の規格がドイツとロシアでは違うことから、ロシア国内のすべてのレールの張替え作業を行ったこと。輸送を妨害するパルチザンやロシアの厳しい自然との戦いだったことなど前線で戦う兵士以上に活躍した部隊では無いでしょうか。やはりこの人物はReichsbahn(国鉄)の技術者だったのかも知れません。

Wehrpassには入隊前の職業が書かれています。フラクトゥールではないようですが判読不可です。
さて、こちらがSoldbuchです。兵士自身が管理・保管するよう義務付けられていました。
個人情報満載なので、捕虜になった場合や戦死して敵に鹵獲された場合に情報が漏洩してしまわないよう、そのもの自体の破棄、機密部分を破り捨てるべき事が指示されていました。
よって中隊本部が保管し、戦死/行方不明時には遺族へ送られたWehrpassに比べ必然的に残存率は少なくなっております。
表紙

Wehrpassとほぼ同じサイズで野戦服の胸ポケットに入られるようになっています。カバーは見た目は革製のようですが、しわ加工のある厚紙製です。
国家記章とSoldbuch zugleich Personalausweis (賃金帳及び個人ID)が印刷されています。
背表紙と1ページ目

背表紙(左側)には所有者の写真(軍服姿)が針金で留められており、その下には本人のサインがあります。
2ページ目(右側)には個人認識情報が記載されており、個別には以下の通りです。
-Nr.(番号):84
-für den(入隊時の階級) :Reservist Soldat Pionier (予備役工兵でしょうか?)
-四角いマス(昇進経歴):3度昇進したことが判ります。1940年9月1日付け伍長(Gefreiter)、1942年7月1日付け上級伍長(Obergefreiter)、1943年11月1日付け軍曹(Unteroffizier)。
-Vor- und Zuname (ファースト&ラストネーム) : Erich Riedel
-Beschriftung und Nummer der (~の刻印及び番号)
-Erkennungsmarke(認識票番号):84. 2/Bau. 111
-Blutgruppe(血液型):O (A, AB, B 又は O 当時Rh+や-は発見されていない)
-Gasmaskengröße (ガスマスクサイズ): 1 (1=large、2=medium、3=smallのいずれか)
-Wehrnummer (軍役番号):Bremen II 01/6/1/188
ここで一点、このSoldbuchの発行日について疑問がでてきました。
写真は顔の老け具合や、襟や肩の徽章から軍曹昇進以降であることは間違いなく、そうなると発行年は43年11月以降ということになります。しかしながら、それぞれのページの記録は39年から始まっているんですね。43年の発行時に古いものから転記していれば同じ字体になるはずなのでそれは無さそうです。もしかすると表紙だけ差し替えたのかも知れません。(3年も経てば顔も変わるし、表紙も相当古くなっているので中身だけ交換はあり得るかも知れませんね)
2ページ目と3ページ目

2ページ目(左側)にはさらに詳細な個人情報が載っています。詳細な内容は以下の通り。
-geb. am (生年月日) :1901年6月7日
-in (Ort, Kreis, Bezirk) (町, 郡, 州):判読不可
-Religion (宗教):ルター派
(例) ev. =ルター派, r. kath or kath.= ローマ・カソリック, ggl. =Gottglaubig(“信者” 宗教を特定しない場合 SS隊員に多い)
-Stand, Beruf (職業) :判読不可
-Personalbeshreibung (個人データ)
-Größe (身長 cm):169cm
-Gestalt (体形):痩型
(例)groß-甲種 mittel-乙種 klein-丙種 kraftig-強 schlank-痩型
-Gesicht (顔形):判読不可 oval-楕円形
-Haar (頭髪):灰
(例)braun-茶 blond-金 schwarz-黒 grau-灰 rot-赤 (左記+ hell -明 dunkel-暗など)
-Bart (ひげ):多くの場合ブランクもしくは%で表記
-Augen (目の色): blau-青 grün-緑 braun-茶 grau-灰 hasel-くり色
-Besondere Kennzeichnen (z.B. Brillenträger)(際立った特徴 例 眼鏡):判読不可
(例)Brillenträger-眼鏡 Narbe-傷 Tätowierung-刺青など
-Schuhzeuglänge (靴の長さ):42cm
-Schuhzeugweite (靴の幅):記述なし 1-5, 1から大-小
-Vor– und Zuname eigenhändige Unterschrift des Inhabers (所有者によるサイン)
-Die Richtigkeit der nicht umrandeten Angaben auf Seiten 1 und 2 und der eigenhändigen Unterschrift des Inhaber bescheinigt den (本日1,2ページの内容について証明する。また本所有者がサインしたことも証言する):39年9月13日の日付
-Ausgefertigender Truppenteil, Dienstelle (上記部隊にて記入):Bau-Btl.111(第111建設大隊のスタンプ)
-Eigenhändige Unterschrift, Dienstgrad, u, Dienststellung des Vorgesetzen (指揮官によるサイン、階級、職位):判読不可
3ページ目(右側)は、1、2ページに修正が入った場合にその内容を記載する欄となっています。
4 項目とも、1 ページ目の内容が修正されたことを示していますが、どの点を修正したのかは不明です。
4ページ目と5ページ目

4ページ目(左側)は野戦所属部隊や訓練を行った部隊の履歴が記載されています。
5ページ目(右側)には、妻帯者は妻の名前やその住所(上段)、両親の名前とその住所(中段)、そして下段には妻も両親もいない者が肉親や親戚の情報を書き込める欄があります。
妻も両親も住所が修正されています。疎開した為でしょうか?
6ページ目と7ページ目

さて、いよいよお待ちかね支給品のリストです。Wehrpassには無く、Soldbuchのみ存在するページです。
お馴染みの言葉が並んでいます。

工兵部隊ということで、特殊工具の分項目でしょうか?項目が追加されております。
8ページ目と8aページ目

8a(右側)から8dまで4ページに渡り、支給された武器、双眼鏡、ガスマスクなどの情報が記載されております。
このページの記載から、この兵士には歩兵銃(kar.98K?)に銃剣、それと拳銃(P.08, belg)が支給されたことが判ります。
8bページ目と8cページ目
8dページ目と9ページ目
なおSoldbuchは全部で24ページあり、この後、視力、歯の検査結果、病院の入退院歴や受勲歴そしてSoldbuch(賃金帳)名の通り、俸給の状況が記録されております。
コンテンツの内容がやや長くなったので、このあたりで一度区切りたいと思います。
コンテンツの内容がやや長くなったので、このあたりで一度区切りたいと思います。
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