ドイツ軍正式カートとポーチ (Patronen und Patronentaschen)

本日は“ドイツ軍兵士が持っていたカート(Patronen)について書いてみたいと思います。カートの数や、種類は装備していた小銃の種類によって違っていたわけで、たとえばKar.98Kなら7.92x57モーゼル弾、MP40なら9mmパラベラムをそれぞれ30発、96発ずつ入る専用のポーチに収納、腰ベルトに装着して運搬しておりました。

P1017452.jpg
ドイツ軍の代表的なカート。左から“9mmパラベラム”、“7.92x33mmクルツ”、“7.92x57mmモーゼル”(開発の経緯などについては割愛します)

ammopouch.jpg
こちらは、各種ポーチ(Patronentaschen)。PPsh41のドラム型マガジンポーチ(左上)、G43の箱型マガジンポーチ(左下)、MP40箱型マガジンポーチ(中央)、モーゼル弾ポーチ。

判りやすいように、銃器の種類ごとに運搬できるカート数(片方)とポーチごとの総重量を表にしてみました。

弾の重さ2

これを見ると軽くてKar.98k用で1kg強、MP44は左右で4kgオーバーとなりますね。(左右のポーチ合算)、4kgというと生後一カ月の赤ちゃんを腰にぶら下げているようなものです。(もっとも撃つたびに軽くなりますが・・・)

さて、次に気になるのが戦闘に必要なカート数は個人の所持分で十分なのか?です。
第二次大戦初期のドイツ軍歩兵部隊の最小単位である分隊の構成要員は以下の通りとなっていました。

分隊長  MP40
軽機関銃手 MG34
軽機弾薬手  Kar.98k
小銃手 Kar.98k
小銃手 Kar.98k
小銃手 Kar.98k.
小銃手 Kar.98k
小銃手 Kar.98k
小銃手 Kar.98k
小銃手 Kar.98k

開戦当初のドイツ軍の分隊には軽機関銃が1挺配置され、小銃手の役割はそれをサポートすることとされました。敵と遭遇、戦闘に始まったらまずは軽機で敵部隊の火力を制圧、その間に分隊長の指揮の下、小銃手が突撃、てき弾と白兵戦で敵陣を占拠するというスタイルが一般的でした。
よって、小銃手は自分が撃つカートはそこそこに、むしろ軽機関銃手が使用する弾薬箱を運搬することが求められたわけです。
 
platoon.jpg
Wilhelm Sauterの「西部戦線の兵士達」には軽機関銃手を中心とした分隊の様子が書かれています。右端の兵士が弾薬箱を持たされています。

ammocan1.jpg
こちらが弾薬箱です。重いのなんのって、8mmモーゼル弾が250発も入るんですから。。。弾薬箱については、後日改めて。


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双眼鏡 (Doppelfernrohr) Part2

前回はドイツ軍用双眼鏡でしたが、双眼鏡専用ケース(Doppelfernrohr Kasten)も欲しくなったんで買ってしまいました。

フォト
こちらが前回のウェブに載せた拾い物の画像。

Binocular8.jpg
で、届いたのがこちら。

Binocular6.jpg   Binocular5.jpg
中には双眼鏡が“オマケ”で入っていました。

 
Binocular2.jpg
こちらの刻印から、“ddx”(Voigtlander & Sohne A-G)製で“△”から1943年後半以降生産ということが判ります。
“Dienstglas”の刻印も残っています。

Binocular11.jpg
前回紹介した41年製の双眼鏡と並べたところ。

右側の色(ダークイエロー)は、ドイツ軍のイメージ(グレー?)とはかけ離れた色ですが、43年以降に生産された鉄製品の標準塗装色として採用されたものです。

重さも左側(41年製)が400gに対して、右側(43年製)は680gと大幅アップしております。
外装の材質は同じアルミ製なので、レンズの枚数が増えたりしたのでしょうか?

後期になるほど工程を省いて部品点数を減らしたりするのですが・・・謎です。

Binocular41.jpg

よく千切れたり、紛失しているベルトループの革も綺麗に残っています。

Binocular7.jpg
ところで、この赤で囲んでいる箇所、なんか見たことがあるなーなんて思ってたのですが探してみると案外簡単に見つかりました。

Binocular3.jpg
ガスマスクの留め金にも同じ材料が使われております。


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双眼鏡 (Doppelfernrohr) Part1

今日のドイツ兵の持ち物は、双眼鏡(Doppelfernrohr)です。Doppel=二重の、Fernrohr=眼鏡ということで双眼鏡という意味になります。
下の写真は、ドイツ軍で使われた最も一般的な6倍率の双眼鏡で、Dienstglas 6x30というタイプです。コンパクトサイズながらとても明るく十分な視界を得ることができます。
P1017724_20120116114933.jpg
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革製の接眼レンズカバーとタブ付きです。このタブを野戦服のボタンに留めることで体に密着させることができるのですが、取り外しが面倒なのか戦場写真ではボタン留めしてる写真を見たことがありません。

P1017930.jpg
このように第三ボタンにとめます。

ドイツは伝統的に光学技術に優れており、カール・ツァイスを始めとする光学機器メーカーが統一仕様の双眼鏡を軍に納品していました。そんなドイツでもやはり双眼鏡は高価な軍装品の為、下士官や偵察や歩哨、狙撃など特別な任務に就く兵士に支給されるものでした。(双眼鏡は勲章とは別に一種のステイタスシンボルだったのではないでしょうか)

scan0012_20_28430_20x_20626_29.jpg

stosstruppf__hrer.jpg

PPSh-41Early.jpg
双眼鏡を持てるのは襟にトレッセ(飾りレース)が付いた軍曹以上限定かというと、必ずしもそうでは無く、しばしば若い兵士が持ってたりするので興味深いです。

P1017727.jpg
右側対物レンズの上部です。1段目には通常“Dienstglas”という官給品眼鏡を意味する刻印があるのですが、この固体はそれが有りません。恐らく戦後に民間に転用された際に削り取られたのでしょう。2段目には“6x30”(6は倍率、30は対物レンズの口径でこの数字が大きいほど明るくなります)3段目はシリアルナンバー、4段目の“H/6400”はレンジファインダー(距離計目盛り)があることを表しています。

P1017726.jpg
左側は通常メーカーコードが刻印されており、写真の“ddx”(Voigtlander & Sohne A-G製)以外に“blc”(Carl Zeiss)や“cag” (D. Swarovsk)などが多く見られます。その横の“○”はグリース記号で1942年8月に採用された寒冷用グリースを表します。この他に“K.F.”(1940年5月~1942年7月)、“+”(1942年11月~43年後半)、“△”(1943年後半以降)などがあるようです。この二つの刻印は狙撃用の照準望遠鏡(Zielfernrohr)と共通しています。

下記はレンジファインダーがどんな感じに見えているかのイメージです。本当は実物を写真に取りたかったのですが、難しいので写真を加工して作りました。

sea.jpg  
0、10、20、30、40と目盛りがあります。ドイツ軍が使用した地図のスケールと同じに合わせているらしいのですが詳細は不明です。

Binos 002
このような専用のベークライト製ケースが用意されておりました。残念ながらケースは未入手です。これ、戦場では邪魔だったでしょうね。捨てられたりしたのが多かったのでは?

以上双眼鏡に関していろいろ書きましたが、正直言って私は光学機器には疎く当初ドイツ軍で最も使われた双眼鏡が6倍と知った時は昔のことだから仕方ないな・・・なんて思ったものです。今やホームセンターでも10倍、20倍、ズーム機能付き双眼鏡が数千円で買える時代ですからね。
しかし、双眼鏡について書かれたサイトを見ているうちにその考えは間違いであることに気づきました。倍率が上がれば確かに遠いものが見えますが、相対的に視野が暗く、狭くなりますし、ちょっとの手のぶれで対象物が視界から消えてしまうことだってあります。上記を鑑みると歩兵が携帯する上で、大きさ的にも6倍がちょうど良いのだということを実感しました。

これを入手してからというもの、ベランダから風景を眺めること(偵察?)が休日の楽しみに加わりました。(変質者に間違われないように気をつけないとねほっとした顔


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AフレームとAフレームバッグ (Gefechtsgepack und Beutel zum Gefechtsgepack)

本日の日記はアサルトパック(Gurtbandtragegerüst)についてです。まとまっておらず覚え書き程度の内容なのですみません。アサルトパックはウェブ(コットン)製の背負子で、形がアルファベットの“A”に似ている為、Aフレームとも呼ばれております。(以下“Aフレーム”)

P1017873.jpg  Aフレーム5
こちらはAフレームです。

前回の日記で戦争の激化にともない製造コストも工数もかかるリュックサックが廃止され、装備品をYサスペンダーにベルトで取り付ける方法が一般的になったと書きました。(それ自体をStrumgepackと云うそうです)
その場合、装備品をある程度まとめて離脱着できる補助道具として開発されたのがAフレームなのです。
Aフレームには飯盒やツェルトバーン、毛布の ほかにもアサルトパック用バッグ(Beutel zum Gefechtsgepack)、別名Aフレームバッグという衣服や小物を入れておけるコットン製の小さなバッグも取り付け可能です。

P1017867.jpgP1017868.jpg

Aフレームバッグ(DAK又はウェブ仕様です)
P1017865.jpg 
STEINER氏のサイトを参考に、中身を再現してみました。実際はどんなものが入っていたのでしょうか?

このAフレーム、補助道具の割に取り外しが結構面倒で、飯盒だけ、ツェルトバーンだけ外したい場合は他人の力を借りる必要があります。

P1017458-2.jpg
Aフレームを使って、Yサスペンダーに装備一式を取り付けたところ。
リュックと違い、装備品がむき出しの状態なので防水もへったくれもありませんね。

Aフレームの普及率ですが、それほど高くなかったようです。当時の写真には42年頃まで登場しますが、それ以降はほとんど見ることはありません。 これはYサスのように戦局の変化により装着する必要性が薄れてきたというよりは、元々全兵士に行き渡るほど大量に生産されなかった為と思われます。

Verwundeter in Frankreich
手当てを受けている手前の兵士がAフレームを装着しています。(YサスとAフレームのDリング金具の結合部が見えます)

このAフレーム、希少性が高く市場にはフェイクが出回っております。ちなみに私が所有するAフレームもフェイクですが、生地や金具は大戦中に作られたものが使われており、パっと見は判りません。・・・まんまと騙されました。


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ストレートスコップ (Kleines Schanzzeug)

1943年冬の東部戦線。赤軍は「ウラー」の雄叫びと共にドイツ軍の塹壕になだれ込み、接近戦の火ぶたが切って落とされた。こんな時は単発のライフルは全く役に立たたず、短機関銃も全弾撃ち尽くしたあとは弾倉を交換している暇などない。銃剣やヘルメット、その他手近にあるものはなんでも武器にして闘わなくてはならず、食うか食われるかの原始的な戦いが繰広げられる。 ― フランツ二等兵は予めベルトに挟んであったスコップを抜き、敵の攻撃を待ち構えた・・・

ノンフィクション風の文章で始まりましたが、本日のネタはドイツ軍用スコップ(Kleines Schanzzeug)です。
歩兵の重要な任務、すなわち塹壕堀りの必需品であるスコップですが、武器としても戦場では頻繁に使用されました。

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当時の写真では前線に近いほど、とっさの場合に取り出しやすいようスコップをベルトに挿している兵士が多く写っています。
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超有名なアルデンヌ攻勢の親衛隊員も白兵戦に備えてスコップをベルトに挿しています。

このような携帯方法とその目的については、幼年時の軍装の教科書であるタミヤのパッケージには一切書かれておらず、子供の頃は純粋にスコップ=100%穴堀りの道具であると信じていました。しかし大人になるにつれ、いろいろ学んでいくうちに武器としての用途を知った時のショックはかなりのものでした。スコップを武器として人体に行使した場合、凄まじいほどの打撃力により想像するも恐ろしい結果になったでしょう。ブレードの淵などそもそもは土を掘りやすくする為なのか、グランダーで刃みたく削ってますからね・・・

dnieperoy1.jpg
スコップで機銃陣地を構築するドイツ兵。全長50cmと、一般的な穴掘り用のショベルに比べて短く、深さ1メートル以上の塹壕を掘るのは、かなり骨の折れる作業だったと思われます。

下記はドイツ軍ストレートタイプのスコップです。
平たい四角形のブレードはヨーロッパではポピュラーなスタイルで、ドイツ軍も第一次世界大戦から採用しておりました。

shovel17.jpg
アムトや製造年の刻印はありません。メーカーマークでしょうか?スペードの中にAB&Cが入った図柄があります。

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ブレードのスポット溶接と柄へのリベット止めがドイツ軍スコップの特徴です。

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ベルトに挿さずに携帯する場合は、専用ケースでベルトに吊ります。

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こちらは人造皮革(圧縮されたボール紙製)のスコップケース(Trager)。43年製。

shovel11.jpg

20080701_002.jpg
銃剣と一緒に吊るケースが多いです。(タミヤのフィギュア模型で非常にポピュラーですね)

なお、ストレートタイプ以外にも下の写真のような折りたたみ式のスコップをドイツ軍は使用していました。
(こちらは未入手なので又の機会に・・・)

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エーデルマン

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脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

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