ジェリカン後期型 (Wasser Kanne)

ドイツ軍装が趣味の人の多くはタミヤの1/35ミュニチュアシリーズがきっかけというのが結構多いのではないでしょうか?
私がまさにその一人で、まずはティーガー戦車を素組みで完成。
次に随伴する兵士(1/35 ドイツ歩兵 進撃セット)を作ることになり、その装備のカッコよさに完全にハマってしまいました。

当時はディオラマなど作る技術も概念さえもなく、単純に机の上に並べて遊ぶだけでしたが、少し臨場感が欲しくなり、次に買ったパッケージがこちらです。

photo_21.jpg photo_22.jpg
ジェリカンセット。(何故か、ジュリカンと覚えしまい、最近になって、やっと間違って覚えていたことに気がつきました)

凹んだドラムカンもGoodでしたが、なんといっても一番のお気に入りだったのがジェリカンです。
戦車や装甲車に積載したり、兵士のイスになったりと大活躍。このパッケージも一つでは足りず、複数買った記憶があります。

飲料水用に白い帯模様のマーキングがされたジェリカンの存在を知ったのも、それから少したってからでした。(Sd.Kfz.222のパッケージの説明書だったか?)

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今でも白い帯を見ると、なぜか胸がドキドキします。


それが、まさか30年後に実物を入手できるとは思いもしませんでした。ガソリン缶、通称ジェリカン(Kraftstoff Kanne)です。
 

july1.png  july22.png
白い帯が~まさに奇跡です。
どうやら上から緑色で塗られたらしく、それを剥がした形跡があります。

5_20101226235319.jpg
やっぱり取っ手は3本でないと。当時タミヤのモデルは取っ手が2本に省略されてました。
Wの文字が。上から見ても水用ということが判ります。

P1018633.jpg
“Wasser”(水)の文字もちゃんとあります。

P1018632.jpg
“Wehrmacht”(国防軍)御用達の印です。“223”の隣にアムトスタンプが押されています。

Bundesarchiv_Bild_101I-782-0033-16A,_Nordafrika,_Umfüllen_von_Treibstoff_oder_Wasser
北アフリカでは燃料より貴重でした。飲料水としてはもちろん、ラジエターにも水が必要です。

picture_318255314055.jpg
こちらは、現場で即席に作ったジェリカンです。

さて、せまいわが家、すっごい邪魔です.
拙宅には灯油ストーブが無いので燃料タンクとしての活躍は期待できそうにありません。

africacorp.jpg  


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M39背嚢 (Tornister 39)

こちらは1942年製のM39背嚢(Tornister M39) です。いわゆるリュックサック(バックパック)で、部隊が離れた戦闘区域へ移動する時など、兵士が個人装備を運搬する際に使われました。

sack.png       sack2.png
コットンキャンパス地で負担がかかる部分は革の補強がされており、フラップ(上蓋)には防水用に馬毛または牛毛が貼り付けてあります。(毛の無いバリエーションもあり)第一次世界大戦から使われていたものをベースに1934年11月に正式採用(M34)、39年4月にマイナーチェンジされました。(M39)

M34とM39の違いは主に下記の3点です。

1.背負ストラップの有無
2.飯盒用ポケットの有無
3.背面フック用のタブの有無
(M34は有り・M39は無し)

dsc00214ju8[1]  
海外コレクター所有のM34です。背負ストラップはYサスペンダーの採用により不要となりDリングに置き換わりました。
Yサスペンダーについては過去の日記を参照ください http://gerhard03.blog61.fc2.com/category3-2.html

5.jpg
 
4.jpg
M39のDリングを利用してYサスペンダーを取り付けたところ。単に分離しただけですが合理的な考えです。


2_20101224154807.jpg
フラップを上げてメインルームをオープンしたところ。(英語ばっかりですみません)結構複雑な造りです。
ガバっと開くので中身の取り出しは便利です。

さて、袋ものとくれば中に何が入っていたかが気になるところ。
1943年版のREIBERT(ドイツ陸軍操典)には“HOW TO PACK”が記述されております。

Tornister.jpg

diagram.gif
英語に翻訳したもの(43年版よりかなり詳しいので36年版の翻訳?)

編上靴にタオル、シャツそれに飯盒袋・・・個人で集めるのに相当な努力(資金)と運が必要です。完全ギブアップです。
しかし世の中には変人努力家もいて見事に再現されています。http://www.dererstezug.com/packingatornister.htm

上記サイトではマニュアルどおりにパックしたようですが大きく膨らんでしまっておりちょっと見苦しいですね。
全部しまい込むのはかなり無理があるようです。

tn_Untitled-Scanned-01.jpg
靴底がはみ出してます(笑) やはり靴を中にしまうのはイヤですね。

それでも入りきれない場合はフラップにAフレームを取り付けるという荒業も。
aframe.jpg
なんだかなぁ・・・付け焼刃的な気もしますが、専用の金具やストラップがあることから元々こうするつもりだったんでしょう。なかなかコレクター泣かせなことをしてくれます。

初期装備のイメージがある背嚢ですが、意外なことに大戦中を通じて生産され続けました。1944年の刻印や後期生産品のRBナンバーのものも存在するようです。(当然数は少ない)

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陸軍M42略帽 (Feldmutze 42)

2回連続で略帽について書いておりますが、年内最後の締め(たぶん)ということで、私にとって究極の略帽、M42略帽ついて書きたいと思います。

M42cap.jpg
M42略帽は(Feldmutze 42)で、M34略帽の後継モデルとして、1942年7月から導入されました。
特徴は折り返しのフラップが防寒用の耳あてとして使用できるよう前面にボタンが付けられ取り外し可能となった点です。

フォト
スターリングラードで“冬将軍”と戦う兵士たち。手前の兵士はM34略帽のフラップを下げて耳を凍傷から守っています。(撮影場所はグムラク飛行場でしょうか)

ドイツ軍の武器や被服の共通の傾向として、後期になるにつれ生産工数が省略されていく中、この略帽においてはかえって手間のかかる改良がなされている点がとても面白いです。

フォト
フラップを下げたところ。

※上記は某ショップで売られているモノを借用しております。
今回入手したM42のフラップを下げた写真を撮ろうとしたところ、フラップ自体が本体に糸で縫い付けられていて外せませんでした泣き顔 
糸を切ろうか迷いましたが、ひょっとしたらこれがオリジナルの状態かも??と考えるとどうしても出来ませんでした。。。)

比較のために、M34とM42の帽章をクローズアップしました。
フォト
M34(40年製と41年製)の帽章は、縫い付け位置が離れています。

フォト    フォト      
一方で、M42略帽はボタンとの位置関係により、国家鷲章の真下に国家章(コカルデ)が縫い合わされてれています。また右側の写真のような一体化したT字型の帽章も存在しています。

改めてM34略帽とM42略帽の比較です。

M34cap1.jpg  
M34略帽(40年製)
M34cap2.jpg
M34略帽(41年製)

M42cap.jpg
M42略帽(42年製)

話はM34略帽に戻りますが、1935年に導入されたのにもかかわらずM35では無く、M34という名称になっているところがどうも腑に落ちませんでした。
ところがM42略帽についてあれこれ調べている時に、とあるフォーラムでのマニア同士のやり取りからようやく謎が解けました。

(原文そのまま)
The M34 cap was worn from November 1934. It had two buttons to the front and was worn with the cockade and soutache where you would normally expect the eagle to be. So this cap was very similar to the later M42 in appearance. In October 1935 the cap was modified. The buttons were eliminated and the soutache and cockade put in their place. The eagle was then added in the familiar place.

元々のM34略帽にはM42略帽に良く似て2つボタンが前面に付いていたが、1935年にボタンが省略され現在良く知られている形に変更されたとあります。ちなみに最初のモデルには国家鷲章は無く、国家章とソータッシェのみが取り付けられていたようですね。

M42略帽は導入後、1年足らずでバイザー付きM43規格帽(Einheitsfeldmütze M43)に置き換えられていきますが、ここでも面白いことが起きます。

下記の写真をご覧下さい。
フォト
(海外コレクターの写真を借用)

帽子本体とバイザーの色が違うことに気が付かれたでしょうか?

そう、この帽子は元々はM42略帽として作られ、その後バイザーが後付けされたものなんですね。M42略帽がベースになっている為、コレクターの間ではM42/43規格帽とも呼ばれてます。

M42/43とM43を見分ける方法は、本体とバイザーの色違い以外にも2つあります。

・通気孔の有無(純正M43には通気孔が無い)
・国家鷲章と国家章の形(M42/43はM42と同じ、M43は逆台形:trapazoidの帽章)

純正M43規格帽
フォト  フォト
(海外コレクターの写真を借用)

もちろん例外もあり、条件が当てはまるからと言って必ずしも○○と言えないのがドイツ軍装品の面白いところでもあります。

さて、M42からM43への“アップグレード”は少なからず行われたのと、1年足らずという生産期間の短さから無改良の42型はなかなか市場に出てくることがありませんでした。

以上長々と書きましたが、一般人から見たらどーでもイイことを、ちょこっとだけ言いたかったのかも。。。

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フェルト製略帽を並べました。“布”系ヘッドギアは集めだすとキリが無いので、これ以上手を出すのはやめたいと思います。(たぶん)

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陸軍M34略帽 (Feldmutze 34) Part2

ご無沙汰しております。予告どおり、懲りずにまたもやM34略帽を入手してしまいました。

 
M34cap3.jpg
そして、前回紹介したM34略帽がこちらです。

M34cap4.jpg
違いが、お分かりいただけますでしょうか?
まずは生地の色合いが違います。どちらもフェルト色がフィールドグレーですが、上のM34略帽が青っぽく、下のM34略帽は黄色っぽい色合いになっております。
そして、国家鷲章、国家章(コカルデ)が上はダークグリーンのベースにライトグレーの色の刺繍下がフィールドグレーのベースに同じくライトグレーの刺繍となっています。
生地と国家章の色合いの変化は同時期の野戦服(Feldbluse)にも見られます。

M34cap1.jpg   M34cap2.jpg

そして最大の違いが、ソータッシェ(山形の糸ヒモ)の有無です。前回も書きましたが、42年からは兵科を色で示すヒモ糸が外され防諜に貢献しております。右側の略帽にはソータッシェが付いていた痕があるので、もともと付いていたのを42年の命令により外したと思われます。

一方、左のほうは初付け(工場出荷時のまま)のようです。ちなみに黒の兵科は「工兵」を示します。

フォト
M34略帽はなんとかこれで2パターン揃えることができましたが、あとはM42略帽を入手すれば一応Heer(陸軍)略帽はコンプリートします。

全兵科色別、とか、M34略帽以外の布製ヘッドギア(M38、M40、M42、M43)を集めたりするのも良いのかも知れません。
ちなみに略帽の正しい運搬方法については下記参照。

フォト
・・・・やっぱり、白のソータッシェ(歩兵科)が欲しいなぁ。。。(ふりだしに戻る)


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