二級鉄十字章 (Eiserne kreuz 2. klasse)

“2鉄”こと二級鉄十字章は佩用リボンのみ(下記写真)で済まそうと思っていましたが、一級鉄十字章を入手したら案の定比較対象として興味が出てきてしまい、知り合いの欧州のコレクターから譲ってもらいました。
I got interested in Iron Cross 2nd (Eiserne kreuz 2. klasse)after obtained Iron Cross 1st and bought from an European collector.

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二級鉄十字章(Eiserne kreuz 2. klasse)は一回の勇敢な戦闘行為を行った将兵へ与えられる戦功章として1939年9月1日に制定されました。

EK2-1.jpg
一級鉄十字章とサイズは同じですが、リボン取り付け用リング、裏面にもデザインが有る点が違います。

こちらは二級鉄十字章の勲記です。授与対象者は戦傷章で紹介したHeinz-Ulrich Kurrle兵長です。
(名前が“Hans”となっていますが、恐らく誤植でしょう)

IMG_20110620065338.jpg
Im Felde(前線にて) 1945年1月20日に授章しています。
Kurrle兵長は43年4月に退院した後、第194擲弾兵連隊に転属、授章時にはLeutnant(少尉)に昇進しています。

ここで一つ疑問が・・・それは下士官の最下位、兵長から少尉へ短期間(約1年数ヶ月)で昇進できるのか?です。
兵長から少尉までは、伍長・軍曹・曹長と長い道のりがあります。
Kurrle兵長は1944年11月に戦傷章(銀)を授章しているのですが、その時点ですでに少尉となっています。
鉄十字章で最下位である二級鉄十字章を終戦間近で授章する人物が戦功で大出世するとは思えません。

とすれば、Kurrle兵長は

・もともと尉官であったが、懲罰等でそれまでの授与歴を剥奪・格下げされていた。
・陸軍士官学校出の士官候補生(Fahnenjunker)であった。

映画のようなことがなければ、間違いなく後者でしょう。(病室の写真を見ると顔にどことなく気品が感じられます)

前線における授与者の記念写真です。

5_20110620071719.jpg
授与当日は写真のようにメダルとリボンを上着の第二ボタンから吊り下げておくことが伝統だったようです。

EK25.jpg EK24.jpg
二級鉄十字章は上記の紙袋に入れて兵士に贈られました。

二級授章後は、一級そして騎士鉄十字章とステップアップして行くのですが、多くの場合二級リボンを佩用し続けました。
リボンがフィールドグレイの野戦服にマッチする優れたデザインだったのも要因かと思います。

Oberfeldwebel.jpg

あるいは初めて経験した女性のことを男はいつまでたっても忘れない、そんな心理と似ているのかも知れません。

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半長靴 (Marshstiefel) その2

I came across the German marching boots with hobnails on the soles and horseshoe‐shaped metal parts on the heels perfectly remained and bought them.

行軍靴(半長靴:Marshstiefel)については以前にも書いたのですが、靴底の鋲が揃ったものが売り出されていたので購入してしまいました。

boots12.jpg  
製造年号やサイズを示す刻印が無いためか、比較的安く手に入りました。

  boots13.jpg                                                      
下士官・兵用半長靴・実物です。この形、どこから見ても最高です。

boots11.jpg  
糸が外れていることの多い、踵やふくらはぎの縫い目も綺麗に残っています。この角度だとKnobelbecher(サイコロつぼ)というあだ名が付けられたのもなんとなく理解できます。

       boots6.jpg
鋲と踵の馬蹄形金具が完全な状態で残っています。金具は滑り止めの他に靴底の保護の役割も果たしています。

boots4.jpg
靴底の鋲の打ち方のパターンが違います。
コレクターの間では、メーカーによる違いと個人で鋲を打った為という意見があります。
私はそのどちらも有りだと考えています。

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やはりドイツ軍兵士と半長靴は、切っても切り離せない関係ですね。


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戦傷章-黒章- (Das VERWUNDETENABZEICHEN, Schwarz)

戦傷章(Das VERWUNDETENABZEICHEN)です。 1939年9月1日にヒトラーによって制定されました。
縦4.5cmx横3.5cmの楕円形状にヘルメットと鉤十字、剣のレリーフがあしらわれています。
戦傷章は負傷の程度によって金・銀・黒3等級あり、この黒章は1~2回の敵との交戦による負傷もしくは前線での凍傷を受けた兵士に授章されました。
sensho.jpg  
鋼板をプレスしたもので、授章条件が入院を要する程度の負傷という代償の割には“安っぽい”造りになっています。
裏側は胸ポケットに佩用する為のピンが付いています。鉤十字横にメーカーマーク“3”が見えます。

佩用位置は鉄十字章、歩兵突撃章の有無によって違います。

cross3.jpg  
一級鉄十字章、歩兵突撃章、戦傷章の一般的な佩用位置。歩兵突撃章と戦傷章の位置が逆のケースも見られます。

こちらは、戦傷章の所有証明書です。縦20cmx横14cmの厚紙製で授与対象者の氏名や階級、負傷した日付・証明者のサインなどが記載されています。

  paper1_20110613081703.jpg

-Besitzzeugnis(所有証明書)
-Den[Name,Dienstgrad](氏名,階級):Heinz-Ulrich Kurrle, Gefreiter (兵長)
-[Truppenteil,Dienststelle](所属部隊):2. / Gren Regt. 683 (第683擲弾兵連隊第2大隊)
-ist auf Grund (授章理由)
-seiner am 8,februar 1943 erlittenen:1943年2月8日に被った
-ein maligen Verwundung ― Beschädigung :1回の負傷もしくは損傷
-das Verwundetenabzeichen in Schwarz:戦傷章・黒章
-verliehen worden. Graudenz,den 27.4 1943.:Graudenzにおいて1943年4月27日授与
-Stabsarzt u. Chefarst(軍医大尉・軍医長)

所属部隊と負傷した時期から類推するに、Kurrle兵長は、スターリングラードで勝利し攻勢に転じたソ連軍とWoroschilowgradで交戦し負傷したようです。

所有証明書と一緒に入手した写真です。左から二人目の眼鏡をかけた人物がKurrle兵長その人です。
恐らく1943年の3月か4月頃にGraudenzの病院で撮影されたものでしょう。
 
photo.jpg
この写真を見る限り、負傷したのは足のようです。
明るい病室に広いベッドと清潔なシーツ。表情もリラックスしており悲壮感を感じさせません。
1943年はスターリングラード攻防戦で第六軍が大敗北を喫し、撤退戦へと転じる年ですが、Kurrle兵長同様、多くのドイツ兵は第三帝国の巻き返しを信じて疑わなかったはずです。

Kurrle兵長は退院後、スターリングラードで壊滅した第71歩兵師団、第194擲弾兵連隊へ転属、44年12月に再度戦傷章(銀)を授章します。


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M40野戦服 (Feldbluse 40)

M40野戦服(Feldbluse 40)です。M36野戦服の改定版で1940年春ごろから生産開始され、1941年5月26日付け通達で6つボタンのM41野戦服が登場するまで生産が続けられました。

M40 tunic11   
M36野戦服とほぼ同じ作りで、ボタンの数も5つです。
大きな違いはやはり襟の色でしょう。M36野戦服は濃緑色ですが、こちらは本体生地と同じフィールドグレイで作られています。

M40 tunic12  
襟章は台布上に兵科色(白=陸軍)のラインが入ったタイプが取り付けられています。
M40野戦服には通常、濃緑もしくはマウスグレーのラインの共通兵科色の襟章がつけられており、手縫いのあとからも戦後にコレクターにより取り付けられたものと思われます。

M40 tunic13  
肩章にも陸軍を表す白いパイピングが入っています。

M40 tunic14  
国家鷲章

M40 tunic15  
階級袖章。二重のトレッセは兵長を表します。

M40 tunic5  
かろうじてスタンプが残っています。この服は胸囲90cmで41年に作られたことが判ります。

この野戦服、肘や袖に大きな穴や引っ掛けて作った破れがたくさんあり、それを裏側から布を当てて修理した形跡があります。当て布が同じフィールドグレイの布地を使用しており、隠れた部分の起毛状態がまるで新品の野戦服のようになっていることから恐らく戦場で兵士の手により施されたものと思われます。

M40 tunic10   
徽章初付け、ミントを好むコレクターが多い為か、このような状態の野戦服は比較的安価で入手できます。
そして私はこのような戦場を経験した“野戦服”の方が好みなのです。

German soldier in Stalingrad_ Russia_ Nov 1942

IMG_0001.jpg
戦場で着古されてボロボロになっている方がカッコいいと思うのは私だけでしょうか?


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エーデルマン

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脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

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