M38ガスマスク用収納缶 (Tragebusche für Gasmaske 38)
今回はガスマスク収納缶(Tragebusche)の紹介です。ライヒスヴェーア時代の1930年にM30ガスマスクが導入された後も、収納缶の方は1935年から毎年のように仕様変更があり、前回紹介したM38ガスマスクになってようやく最終仕様となります。
こちらがM38ガスマスクの収納缶です。長さ27.5cm、直径12.5cmの鉄製の円筒形の缶です。1938年に導入され終戦の1945年まで作り続けられます。
左が37年に導入された収納缶(通称ショート缶)で、右が38年製の収納缶(通称ロング缶)です。M38ガスマスクの面体がゴム製となり、従来の収納缶には収まらない為3cm長くなりました。
冒頭で1938年以降、収納缶の仕様は固定したと書きましたが、戦局の変化に伴い改良や省力化が行われます。
左は38年製、右は44年製の収納缶です。この2つの収納缶には初期と中期以降の特徴がよく現れているので比較してみたいと思います。なおパーツ在庫や移行期の関係でそれぞれの仕様が混在しているケースもあります。
開閉ラッチの形状です。1944年製の方は肉抜きしたような形状になっています。
ラッチを引っ掛けるポッチ(留め金)。1938年製のポッチとベースは別パーツになっていますが、1944年製は一枚の鋼板を折り曲げて作られており、部品点数の削減と製造工程の簡略化になっています。
上蓋のヒンジ基部の本体への取り付けも1938年製はスポット溶接ですが、1944年製はアーク溶接となっています。
1944年製の収納缶の底には“D”のモールドがあります。この“D”ですが“Dicht”(密封)の略で、防水仕様“Wasser Dicht”という意味です。防水缶は1942年頃に導入されました。
上蓋の内側にはゴムのリングが入っており、完全密閉ができるようになっています。ちなみにこのゴムリングは全ての防水缶に付いていたわけでは無いようです。
防水性を高める為、あるいは補強でしょうか?つなぎ目をよく見ると1944年製の方は溶接で目張りがされています。
通常は左の収納缶のようにガスマスクを取り出し易くする為のアルミニウム製インナーがありますが、右の1944年製収納缶にはそれがありません。元々存在していたものが外れて失われた可能性がありますが、アルミニウムが貴重となり1942年頃から装備品に使われなくなった事情と何か関係があるのかも知れません。
今回は1938年以降の収納缶を取り上げましたが、今後機会があれば1930年から1937年までの収納缶の変遷を詳しく見ていきたいと思います。
こちらがM38ガスマスクの収納缶です。長さ27.5cm、直径12.5cmの鉄製の円筒形の缶です。1938年に導入され終戦の1945年まで作り続けられます。
左が37年に導入された収納缶(通称ショート缶)で、右が38年製の収納缶(通称ロング缶)です。M38ガスマスクの面体がゴム製となり、従来の収納缶には収まらない為3cm長くなりました。
冒頭で1938年以降、収納缶の仕様は固定したと書きましたが、戦局の変化に伴い改良や省力化が行われます。
左は38年製、右は44年製の収納缶です。この2つの収納缶には初期と中期以降の特徴がよく現れているので比較してみたいと思います。なおパーツ在庫や移行期の関係でそれぞれの仕様が混在しているケースもあります。
開閉ラッチの形状です。1944年製の方は肉抜きしたような形状になっています。
ラッチを引っ掛けるポッチ(留め金)。1938年製のポッチとベースは別パーツになっていますが、1944年製は一枚の鋼板を折り曲げて作られており、部品点数の削減と製造工程の簡略化になっています。
上蓋のヒンジ基部の本体への取り付けも1938年製はスポット溶接ですが、1944年製はアーク溶接となっています。
1944年製の収納缶の底には“D”のモールドがあります。この“D”ですが“Dicht”(密封)の略で、防水仕様“Wasser Dicht”という意味です。防水缶は1942年頃に導入されました。
上蓋の内側にはゴムのリングが入っており、完全密閉ができるようになっています。ちなみにこのゴムリングは全ての防水缶に付いていたわけでは無いようです。
防水性を高める為、あるいは補強でしょうか?つなぎ目をよく見ると1944年製の方は溶接で目張りがされています。
通常は左の収納缶のようにガスマスクを取り出し易くする為のアルミニウム製インナーがありますが、右の1944年製収納缶にはそれがありません。元々存在していたものが外れて失われた可能性がありますが、アルミニウムが貴重となり1942年頃から装備品に使われなくなった事情と何か関係があるのかも知れません。
今回は1938年以降の収納缶を取り上げましたが、今後機会があれば1930年から1937年までの収納缶の変遷を詳しく見ていきたいと思います。
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