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クライミングシューズ(Kletterschuhe)

こんにちは、エーデルマンです。受験生を持つ全国の親御さんお疲れさまでした。唐突に何を?と思われたと思いますが、実はこのたび長男が無事に都内の某大学に進学することになりまして、年末からのピリピリした環境からやっと解放された、そんな状況です。まぁ、大変だったのは長男で私は特別何もしていませんが・・・
しかしホっとしたのも束の間、大学から送られてきた授業料の振込用紙を見てじぇじぇじぇ!(古い)、思わず軍装品だったらアレやコレが買えるのに。。と呟いてしまいました。

これから節約・倹約生活が始まるので、軍装品にかけられる予算はグっと削られることは間違いなく、ブログの更新ペースも月1から数か月に1回、いや1年に1回になってしまうかも。まだまだ仕事を一所懸命に頑張るしかありませんね。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回紹介するのはドイツ軍山岳猟兵(Gebirgsjäger)のクライミングシューズ(Kletterschuhe)です。
Kletterschue0.jpg
こちらはドイツ軍山岳猟兵に支給されたロッククライミング専用の靴です。

Kletterschue13.jpg
ロッククライミングする高地山岳猟兵(Hochgebirgsjäger)。上の写真と同じタイプのクライミングシューズを履いています。

Kletterschue1-1.jpg
クライミングシューズ本体はキャンバス地でつま先から甲、踵にかけて革で補強されています。いずれも薄い材質で作られており、軽量化されています。

Kletterschue4.jpg

踵の無いソールがフラットな形状です。靴紐の裏地が革で補強されています。

Kletterschue5.jpg
アッパー(つま先)もソールも右足の方が消耗が激しいことから、持ち主は右利きだったようです。
Kletterschue6.jpg
クライミングシューズの特徴はこのフラットなソールにあります。ソールがフラットなのには理由があるようです。
フラットである理由は「静止摩擦係数 × 面積 × 加重=フリクション」という法則にあります。「フリクションが高い」とは、足が滑りにくいこと。つまり、ソール(静止摩擦係数)がフットホールドと広い「面積」で接するとフリクションは高くなります。この広い面積を出すためには、フラットなソールが有利なのです。
-山と渓谷社より(一部抜粋)-
Kletterschue17.jpg
ソールのクローズアップ。フェルト製で鉄製の化粧釘で本体に固定されています。フェルトは激しく摩耗していますが、滑り止めの細い線が無数に入っていることが分かります。
Kletterschue7.jpg
靴紐を通すアイレットは鉄製で8穴です。飛べ出ているのはシュータン(ベロ)で、泥や砂の混入を防ぎ、靴を足にフィットさせるのに非常に重要なパーツとなっています。

Kletterschue10.jpg
インナーは薄い革製で地面から伝わるショックを十分に吸収できません。荒れ地を長時間歩くことを目的に作られた登山靴とは対照的です。

Kletterschue18.jpg
内側には所属部隊、サイズ、メーカー名(或いは持ち主)のスタンプが押されています。上段から、I/GJR 100? 1286 37(個人認識番号?)、Größe: 27 1/2 Breite: 6Kurt DiebachHohnald???2.K

クライミングシューズにはいくつかのバリエーションが存在しているようです。

Kletterschue16.jpg
上の写真は『The German Mountain Army Soldier of WWII』のページを拝借しております。後期のクライミングシューズ(右下)は全てスウェード製です。

The German Mountain Army Soldier of WWII
Wade Krawczyk Bart Jansen
The Crowood Press UK
売り上げランキング: 309,437


こちらは、クレタ従軍カフタイトルで紹介した第100山岳猟兵連隊所属のFriedrich伍長のSoldbuchの装備品ページです。
Kletterschue19.jpg
登山靴の隣にはクライミングシューズの項目がありますが、支給された記録がありません。通常、クライミングシューズは高地での山岳訓練に際してのみ支給されたようで、前線で使用されることはありませんでした。
クライミングシューズの横にあるHüttenschuheは、文字通り山小屋(Hütte)で履くフェルト製のスリッパのようですが、残念ながら私は実物を見たことがありません。

Kletterschue20.jpg
こちらは第2山岳猟兵師団第79砲兵予備大隊のアルバムに貼られた写真です。同大隊はInsbruck近郊のMieminger で1942年7月8日から9月24日まで登山学校(Kletterschule)で訓練を受けています。

Kletterschue22.jpg
リードグリーンの作業着を着た訓練兵が教官のOberfeldwebelからロッククライミングの指導を受けています。

Kletterschue21.jpg
教官が履いているクライミングシューズは今回紹介した物と同じコットンと革のミックスのようです。左胸には山岳ガイド章らしきものが写っているので、山岳指導者(Bergführer)かも知れません。

Kletterschue12.jpg
訓練兵のクライミングシューズは全て革製に見えますね。教官とは対照的に表情に緊張が感じられ、どことなくヘッピリ腰です。彼を見上げながら順番待ちしている兵士の不安な気持ちが伝わってくるようです。


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脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

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