M40野戦服 (Feldbluse 40) Part2

下士官・兵用M40野戦服(Feldbluse 40) です。イタリアから昨日届きました。以前紹介したM40野戦服とは対照的にミント(手付かず)に近いコンディションです。                                  
 
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このM40野戦服、他の軍装品同様、M40(Model 40 = 40年型)と呼称されておりますが、1940年に正式に制定されたという記録がありません。
襟の色が本体と同じフィールドグレー色になっている以外はM36野戦服(下記Wikipedia抜粋参照)と同じ作りなのでM41野戦服への移行期に派生したモデルと考えられています。

<Wikipediaより抜粋>
1933年にナチ党政権が誕生すると新しい野戦服 (Feldbluse) が検討され、いくつかの改良を経たのち、1935年9月5日にM36野戦服が制定された。フィールドグレー色(Feldgrau)を基調とした軍服であり、襟と肩章の部分だけダークグリーン色だった。襟は閉じても開襟でもよかった。前ボタンは5つ、波型のふた付きプリーツポケットが上下左右に4つ付いており、右ポケットの上部には鷲章が付いていた。

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こちらは、M36野戦服です。
 
M36野戦服との唯一の違いである襟本体部分です。

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ダークグリーンの襟が本体と同じフィールドグレーに変更になったのは、製造工数を減らす為と考えられています。
同一色に変更後も古参兵の様なダークグリーンの襟に憧れる兵も多かったらしく、M40やそれ以降の野戦服にはダークグリーンの襟に改造されたものが多く存在しています。
襟の付け替え以外にも丈の切り詰め、ポケットを持ち上げる改造は戦前~開戦初期の野戦服で多く見られます。このような改造は後方にいるか、戦線が比較的安定している時にしかできないわけで、戦況が悪化するとほとんど見られなくなります。
どちらにせよ、ドイツ軍は兵隊のおしゃれに寛容だったと言えますね。

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さて、ドイツ軍の野戦服の生地と言えばウールです。ウールは羊毛から作られる布ですが、利点と欠点があります。

利点
1. 保湿性と保温性が高い。
2. しわになりにくい。
3. 他の繊維よりは燃えにくい。
4. 抗菌・消臭機能がある。
5. 空気清浄化作用。

欠点
1. 洗うと縮む。
2. 虫の害を受けやすい。
3. 引っ張りや磨耗に弱い。
4. 人によっては触るとちくちく感じる。
5. アルカリに弱い。
6. 日光で黄変する。

欠点に「洗うと縮む」とありますね。他にも「アルカリに弱い」「日光で黄変する」という問題もあります。 つまり水と石鹸で洗ったり、日干しできないということです。(まぁ色が変わっても機能上は問題ないですが)
野戦服は文字通り戦場で着る服ですから、もちろん汚れます。しかし洗濯できないとなるとどうするか?
答えは「汚れは乾かして叩き落とす」です。手または器具で叩いて落とします。

IMG_0001.jpg

しかし叩いても臭いまでは落とせず、いくら「抗菌・消臭機能がある」が利点とは言え、上記の写真のようになったら洗剤で洗うしか方法はないでしょう。
「保湿性と保温性が高い」という利点も、要するに汗や雨に濡れたら最後、なかなか乾かないということですね。冬、洗濯物を生乾きのまま来た時の臭いを思い出してしまいました。
事実、ノルマンディでドイツ兵を捕虜にした米軍が来ていた軍服の悪臭のひどさに驚いたと何かの本で読んだことがあります。

5_20111103151649.jpg

さて、M40野戦服の各部分をできれば他の野戦服との比較も交えながら見ていきたいのですが、生憎まだ写真が撮れていないのでまたの機会にさせていただきます。

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