M31水筒 (Feldflasche 31) Part4 末期型

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
さて、昨年末のブログで予告した通り、新春第一弾はM31水筒・末期型をアップしたいと思います。(新年早々、末期というのもなんですが・・・)

RC3.jpg RC4.jpg

こちらがコレクターの間で末期型と呼ばれるM31水筒です。
姿形はそれまでのタイプとなんら変わりませんが、いくつか細かい点で材料の変更、省力化が見られます。

canteen1.jpg
前回の後期型と同様、分解してみました。
カップとボトルがスチール製なのは後期型と同じですが、違いはストラップが二分割になった点、カバーがフェルトではなく再生ウールで作られている点です。

canteenlate4.jpg
再生ウールのカバーです。(右側は裏返した状態)
再生ウールは、糸屑や裁断屑などを解きほぐして繊維に戻した「再生繊維」から作られたものでウールらしい風合いは完全に失われてしまっています。ちなみにフェルトも圧縮した動物の毛(主に羊毛)から作られており、再生ウールに変えられた背景には羊毛が入手しずらくなったということが理由にあるのかも知れません。
また再生ウールのカバーの口はコットン製の縁取りがされており、通常4つあるボタンは3つに減っています。

canteenlate8.jpg canteenlate7.jpg
0.8ℓ入りのボトルはスチール製で、赤い錆止め塗装がされています。錆止め塗装が緑色のものも存在しており、これはメーカーによる違いと思われます。
ボトルのネック部分には“DMN 44”の刻印があります。(DMNはTornado, Fabrik elektrischer Maschinen und Apparate社のメーカーコード)

canteenlate5.jpg
スチール製のカップはオリーブグリーンで塗装されています。

canteenlate9.jpg
取手の基部にはボトルと同じ“DMN 44”の刻印があります。(おぉー!!マッチングです)

canteenlate6.jpg
カップの内側もオリーブグリーンで塗装されていますが、縁の部分をよく見ると赤い錆止めの下地処理が見えます。

ratecanteen9.jpg
こちらは前回アップしたカップ(左・44年製、右・HRE43年製)ですが、左側は下地処理なしのオリーブグリーン塗装のみ、右側は下地処理のみでこれでは亜鉛中毒の問題があると書きました。しかしDNW 44のカップは下地処理の上に塗装がされているので、錆にも強く、亜鉛中毒の心配もありません。
      CT5.jpg      ct1.jpg


   RC1.jpg RC3.jpg

M31水筒をボトルにある刻印の年代順に並べました。上は42年、下は左から43年、44年製です。
M31水筒は1931年3月23日の採用から終戦に至るまで、ほぼ姿形を変えることなく生産が続けられますが、戦況が一変した42年以降は資材の温存や生産工数の削減により、メーカーの違いは別にしても上記のような多くのバリエーションが存在する結果となりました。
この標準型の水筒以外にも、熱帯仕様、山岳仕様の水筒があり、またそれぞれに細かいバリエーションがあります。
熱帯と山岳仕様の水筒はまた別の機会にアップしたいと思います。
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