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M36 オーバーコート (Mantel 36)

前回の日記はドイツ軍に関係の無い前置きが異常に長くなってしまい、本題のアイテムに辿り着くまでにうんざりしてページを閉じてしまった訪問者の方も多かったと思います。今回はその点は反省していきなり本題に入りたいと思います。

本日のアイテムはドイツ軍下士官・兵用のM36 オーバーコート(Mantel 36)です。

coat1a.jpg     coat2a.jpg
M36野戦服と同時期に導入されました。野戦服同様ダークグリーンの襟とフィールドグレイの生地で作られています。
ボタンは6つx2列の計12個、腰には調整用のハーフベルトが付いています。

coat30.jpg
以下、詳細を見ていきたいと思います。

coat4.jpg
大型の襟が付いています。しかしながら、ロシアの冬はこれでは不十分で、1942年には改良型のより大型の襟のコートが導入されます。

coat24.jpg
釦を外して開襟状態にすることも可能です。



coat9.jpg
襟の裏は本体生地と同じフィールドグレイのフェルト製です。襟を立てた状態で固定する為のフラップが付いており、釦で留められるようになっています。
coat15.jpg

このように首全体を覆うことができ、首から体温が奪われるのを防ぎます。


coat4b.jpg coat6b.jpg

上記のように、左前、右前のどちらにも合わせることができます。ダブルスーツにも見られる両前合わせは、元々船員が着用していた服が起源と考えられています。甲板 (船上)で強風の時など、前が両前(二重)になっているので寒さがしのげ、また風向きによって釦を左右に取替えて風よけとして着ていたと言われています。 そう言えばピーコートも同じようになっていますね。


coat25.jpg
下士官・兵用のコートなので野戦服と同様に着脱式の肩章となっております。


coat36.jpg   coat37.jpg
ポケットは手袋をしたままでも手を出し入れしやすいよう、開口が大きく、斜めになっています。



 
いわゆる“フレンチカフ”と呼ばれる折り返しのついた袖です。袖は縫いつけられており、伸縮させることはできません。18世紀の軍服の名残と思われ、将校の勤務服もこのようになっています。

第3のポケットとして使用されたという説もありますがどうでしょうか?

coat18.jpg

続いて、内装部分です。

coat46.jpg  
内装も野戦服同様、コットン製の生地で内張りされていますが、腰までしかありません。

coat26.jpg  coat142.jpg
コートの上からベルトYサスペンダーで装備一式を取り付ける場合も、ベルトフックで支える必要があります。このコートには中に着る野戦服のベルトフックを通す、革で補強されたスリットがあります。右側の写真はベルトフックをスリットから外に出した状態です。

coat34.jpg  
ちなみにベルトフックスリットの隣には別のスリットと釦があります。
釦は左前に着た際に、右側一番下の外釦ホールに留める為のものだそうです。
スリットの用途について調べてみましたが、イマイチここにある理由が分かりません。
このスリットは体の真横にあるので、前のベルトフック用では無いし、ドローコード用のスリットでしょうか・・・?
ご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報願います。

coat3.jpg 
左胸の部分には野戦服と同じスタイルのスタンプが押されています。

<スタンプの拡大>

Lief-Verbi Köln〟ケルンのLief-Verbi社製
44〟 襟から肩の長さ 〝51〟 首回り
96〟 胸囲
122〟 着丈 〝67〟 袖丈
M38〟 ミュンヘン 1938年製
Erg.-B〟予備大隊(Ergänzungs Bataillone)
 


coat28.jpg
スタンプの下には内ポケットがあります。間口が16cm深さ20cmでかなりの容量があります。

coat47.jpg
ハンガーフックは両袖の付け根にあります。2つあるのは野戦服のように襟に一つでは重量を支え切れないからでしょうか。

そして個人的に最も感心したのはこの部分。
 coat50.jpg
コートの両サイド部分には糸で作ったループ(①の写真)があり、コートの裾の4隅にはフック(②の写真)が縫い付けられています。4隅のフックをサイドのループに引っ掛けると、裾をたくし上げることができます。

coat42.jpg  coat4374.jpg
久々に1/6フィギュアで再現。これで走り易くなり、また泥が跳ねて裾に付くことを防げます。現代のコートにもぜひ欲しい機能ですね!(見た目の善し悪しは別にして)

coat44.jpg   coat49.jpg
高い位置までたくし上げられるよう、センターベントも深くなっております。なお、右側の写真で分かるとおり、裾は切りっぱなしになっており、まつり縫いやかがり縫いなどのほつれや破れ防止の処理は一切されていません。

coat143.jpg
野戦服と違いなんとなくスマートさに欠けるイメージがありましたが、こうやって細部をじっくり見てみると、70年以上前の衣服とは思えないほど機能が詰まったコートであることに今更ながら気がついた次第です。
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この記事へのコメント

海外サイトより引用ですが - ハルトマン - 2012年05月10日 07:27:26

 初めてコメントさせていただきます。
普段、様々な記事を読ませて頂いております。
この記事を見て、ふと気になったので調べてみたところ、このような記述が海外のサイトで見つかりました。

The ordinary leather belt may be worn, run through slits on the side so that it runs inside the rear of the overcoat without interfering with the cloth belt at the back.(通常の革製ベルトが後ろで、コートの背面のベルトに干渉しないようにするためにスリットを通して内側にくるように用いられたと思われる。)
http://www.ibiblio.org/hyperwar/Germany/HB/HB-9.html
Ⅸ-4 (3) 下から2行目

この記事は、米軍の陸軍省が1945年3月15日に配布したのか作成したと思われる、ドイツ軍のマニュアル(?)から抜粋されたもののようですが、信用できるものかは判りません。
というのも、ベルトフック用のスリットが別に設けられていますので。
平時は中に通し、重量のある物をベルトに吊る場合は通さずに着用したのでしょうか・・・?

初めてのコメントで長々と失礼いたしました。

Re: 海外サイトより引用ですが - エーデルマン - 2012年05月10日 15:06:11

ハルトマンさん

コメントありがとうございます。また普段より当サイトに訪問いただきありがとうございます。
なるほど、サイドのスリットはコートの背面のベルトに下士官・兵用ベルトが干渉しない為のものだったんですね。
スリットの幅を測ってみたら、ベルトとぴったりのサイズでした。納得です。
ただ、装備を付ける場合はベルトは当然外に出さざるを得ず、そうなると嫌でも背面ベルトと干渉してしまいます。
(当時の写真を見るとだいたい背面ベルトが下側にあり、あまり干渉しているようには見えません)
干渉よりも装備の取り付け・取り外しさが優先されて、結局無用の長物に終わってしまった気がします。

ご紹介いただいたサイトは他にも参考になる記述がたくさんあります。ハルトマンさんのサイトと共にぜひ今後の
参照とさせて下さい。

Re re:海外サイトより引用ですが - ハルトマン - 2012年05月12日 03:02:58

 自分のような若輩者でもお役に立てば幸いです。

>>ご紹介いただいたサイトは他にも参考になる記述がたくさんあります。ハルトマンさんのサイトと共にぜひ今後の参照とさせて下さい。

 自分のものは、アメリカ人リエナクターグループのものを個人的に翻訳させて頂いてるものなので、誤訳や勘違い等も多々あるかと思われますが、見ていただけるのであれば光栄です。

 もし宜しければ、リンクさせて頂いてもよろしいでしょうか?

Re: Re re:海外サイトより引用ですが - エーデルマン - 2012年05月12日 03:52:47

ハルトマンさん

再度のコメントありがとうございます。

>  自分のものは、アメリカ人リエナクターグループのものを個人的に翻訳させて頂いてるものなので、誤訳や勘違い等も多々あるかと思われますが、見ていただけるのであれば光栄です。
見返りもないのに、海外のサイトを翻訳して日本語にするというのは素晴らしい行為です。ドイツ軍関連の情報、かつ日本語にはいつも飢えているのでこれからも貪欲に見させていただきます(笑)

>  もし宜しければ、リンクさせて頂いてもよろしいでしょうか?
もちろんです。こちらもリンク貼らせて下さい。宜しくお願いします。

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Author:エーデルマン
脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

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