アフリカ従軍カフタイトル (AFRIKA Ärmelband)

本日紹介するのは、北アフリカ戦線に従軍した兵士に授与されたアフリカ従軍カフタイトル(AFRIKA Ärmelband)です。
africa ct4 africa ct5
1940年9月のイタリアによるエジプト侵攻で始まった北アフリカ戦線。1941年3月エルヴィン・ロンメルの率いるドイツアフリカ軍団、通称DAK(Deutsches Afrikakorps)はイタリア支援を目的に北アフリカでの戦闘を開始します。(北アフリカ戦線の戦歴についてはそれだけで本一冊分要するので割愛します)

africa ct9  
前線で指揮を執るエルヴィン・ロンメル上級大将(1942年春)

実は本来アフリカ軍団と呼べるのは第5軽師団と第15装甲師団の2個師団のみなんですね。恥ずかしながら、つい最近までアフリカに派遣されたドイツ軍=アフリカ軍団と思っていました。正確には「アフリカ軍集団」という呼称になります。

      africa ct10
1941年7月18日には「AFRIKAKORPS」の文字が刺繍されたカフタイトルを制定、アフリカ軍団そして後にはアフリカ軍集団に所属する兵士は制服の右袖への着用を認められます。
このカフタイトルの位置付けとしては「グロスドイチュラント」のような師団カフタイトルに近く、北アフリカ戦線を離れた時点で取り外すことになっていました。
 
そして、北アフリカでの敗色が濃厚となる1943年1月15日に、前線の兵士を鼓舞する目的で新しいカフタイトルが制定されます。それが「AFRIKA」のロゴの入ったアフリカ従軍カフタイトルです。下記の要件を満たす兵士に授与されました。

   afrika ct19
AFRIKA カフタイトルのBesitzzeugnis(所有証明書)

・北アフリカ戦線にて6ヶ月間従軍した者(1943年5月6日以降は4ヶ月に減免)
・同戦域にて戦闘で負傷又は戦死した者
・同戦域にて3ヶ月間の従軍後に熱帯性の傷病兵として免役された者
・同戦域にて勲章・戦功章を授章した者

「AFRIKAKORPS」カフタイトルと違う点は、戦線を離れた後も着用が認められたことで「KRETA」や「KURLAND」と同様、従軍カフタイトルの一種と考えられます。

         kreta.jpg
        Kurland.jpg
        
上が「KRETA」下が「KURLAND」の従軍カフタイトルです。「AFRIKA」と合わせて3大従軍カフタイトルと言われています。
(「METZ 1944」を加えて4大とする考え方もあります)

africa ct11 
(AFRIKAKORPS, Besitzzeugnis,KRETA, KURLANDそして上記の写真はネットで拾ったものを使用しています)

アフリカ従軍カフタイトルの詳細を見ていきましょう。
africa ct12
ラクダの毛!!で織られたおよその長さ46cm、幅3cmの台布に大文字のアルファベットで“AFRIKA”、その両脇には椰子の木の刺繍がされています。
africa ct23
上記は裏側の写真ですが、上下に白いリボンが縫い付けられています。
africa ct16  



裏面のクローズアップ

機械による刺繍で右側の椰子の木から織り始め、A-F-R-I-K-A、そして最後に椰子の木の中央で終了しています。


africa ct19   

カフタイトルの取り付け位置は野戦服の左袖先から15cm上に付けることとされていました。
なお勤務服に付ける場合は7.5cm上、オーバーコートの場合はフレンチカフから1cm上となります。
通常ミシン縫いですが、手縫いの事例もあるようです。
(ちなみに写真は一時的に所定の場所に置いただけです)

また他のカフタイトルと併用の場合は、授章が古い方を上側に付けることになっていました。
実例で「KRETA」と「AFRIKA」のダブル授章した降下猟兵はKRETAを上、AFRIKAを下に着用しています。

※KRETAカフタイトルは1942年10月16日に制定

北アフリカ戦線ではドイツ軍(イタリア軍はオマケ)も連合軍(主に英軍)も共に正々堂々と戦い、敵でも困っている時には助けるといった中世の騎士道精神的な逸話が多く残っています。戦争に綺麗も汚いも無いですが、それが北アフリカ戦線は比較的クリーンな戦争と言われている所以で、さらに英雄ロンメル将軍と砂漠のロマンチックなイメージから“DAK”の熱狂的なファンは多く、希少性も相まって関連アイテムはどれも高値でなかなか手が出せません。
africa ct27

そんなDAKアイテムの中でもアフリカ従軍カフタイトルは残存数も多くカフタイトルの中では比較的安価で入手できる為、私のような隠れDAKファンには必須のアイテムでもあります。(ちなみに上記は残念ながら私の所有物ではありません)
スポンサーサイト


FC2 Blog Rankingに参加しています。

←ポチっと応援お願いします!

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

この記事へのコメント

- marute - 2012年05月15日 03:54:08

アフリカ軍団モノでしたので久しぶりにこちらにコメントを残しちゃいます。
タミヤの箱から情報を仕入れていた小僧の頃は AFRIKAKORPS をアフリカ・コープスと信じてました。
アフリカ・コーアだったと知ったのは20歳代だったと思います。

アフリカ従軍カフタイトルの件ですが、ノルマンディ当時の写真にクレタとアフリカのダブルタイトルの人が写っていました。
ラムケの降下猟兵だったと記憶していますが、興味深い写真でした。

Re: タイトルなし - エーデルマン - 2012年05月16日 11:52:25

>maruteさん
普通、アフリカ・コープスと読んじゃいますよね。大丈夫です、タミヤも最初は同じ過ちを犯しています。
今でも〝アフリカ・コープス〟でググるとやっぱりコーズと読むのが間違いではと思うほどです。
ちなみに私がCORPsをコープスと発音しないことに気づいたのは映画「フルメタルジャケット」を見た時です。

> アフリカ従軍カフタイトルの件ですが、ノルマンディ当時の写真にクレタとアフリカのダブルタイトルの人が写っていました。
> ラムケの降下猟兵だったと記憶していますが、興味深い写真でした。

ラムケ降下猟兵なら、クレタとアフリカのWタイトルの可能性は十分に有り得ますね。アフリカ前線で戦闘中に本隊からはぐれてしまって、部隊丸ごと損失とカウントされたにも関わらず、遭遇した英軍の補給車列を鮮やかに奪って本隊に合流する話はぜひ映画化して欲しいですね。

トラックバック

URL :

Profile

エーデルマン

Author:エーデルマン
脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

↓管理人へのMailはこちらからどうぞ↓

Category
FC2 Counter
Comments
Archive
Links
eBay
エーデルマンの参考文献
Ss-brigadefuhrer Und Generalmajor Der Waffen-ss Theodor "Teddy" Wisch
Ss-brigadefuhrer Und Generalmajor Der Waffen-ss Theodor "Teddy" Wisch
個人秘蔵の未公開写真が満載でLSSAHファンは必読の書。著者は友人

WWII ドイツ軍兵器集 〈火器/軍装編〉 (1980年) ワイルドムック
WWII ドイツ軍兵器集 〈火器/軍装編〉 (1980年) ワイルドムック
長年教科書だった本。小宮氏の「ドイツ軍の全貌」の解説がすごい

最強の狙撃手
最強の狙撃手
ドイツ軍No.2スナイパーの回顧録。狙撃シーンもすごいが、当時の兵士の生活も垣間見れる一冊

第2次大戦ドイツ軍装ガイド
第2次大戦ドイツ軍装ガイド
鮮明な写真による軍装品説明はブログ写真撮影の参考にしています

ドイツ軍装備大図鑑: 制服・兵器から日用品まで
ドイツ軍装備大図鑑: 制服・兵器から日用品まで
軍装品のカタログとも言えるボリュームは圧巻。実は密かに打倒を狙っていたり・・・

第2次大戦ドイツの自動火器
第2次大戦ドイツの自動火器
実物のFG42実射レポートを読めるのはこの本だけ

“グロースドイッチュランド”師団写真史―東部戦線におけるGD機甲擲弾兵師団1942‐1944
“グロースドイッチュランド”師団写真史―東部戦線におけるGD機甲擲弾兵師団1942‐1944
ドイツ国防軍好きなら買って損はなし

図説ドイツ軍用銃パーフェクトバイブル (歴史群像シリーズ Modern Warfare MW)
図説ドイツ軍用銃パーフェクトバイブル (歴史群像シリーズ Modern Warfare MW)
ドイツの軍用銃の専門書でビジュアル的に見ていて楽しい

ドイツの小銃拳銃機関銃―歩兵兵器の徹底研究 (光人社NF文庫)
ドイツの小銃拳銃機関銃―歩兵兵器の徹底研究 (光人社NF文庫)
ドイツ軍用銃のバイブル的な書。ドイツ軍スナイパートップ3への一問一答が興味深い

Feldbluse: The German Soldier's Field Tunic, 1933-45
Feldbluse: The German Soldier's Field Tunic, 1933-45
M33からM44までドイツ陸軍の野戦服を網羅。特にM36以前の野戦服は必見

Rations of the German Wehrmacht in World War II
Rations of the German Wehrmacht in World War II
とにかく当時のドイツ兵が食べていた糧食にこだわった一冊

武器と爆薬―悪夢のメカニズム図解
武器と爆薬―悪夢のメカニズム図解
迫撃砲はどうやって砲弾を飛ばすのか?小銃擲弾は?ほかにも大砲や爆弾のしくみを源文マンガでわかりやすく解説

グラフィックアクション GRAPHIC ACTION 1993年 No.17
グラフィックアクション GRAPHIC ACTION 1993年 No.17
このシリーズは市場で見つけたら買うべし

ドイツ武装親衛隊軍装ガイド (ミリタリー・ユニフォーム)
ドイツ武装親衛隊軍装ガイド (ミリタリー・ユニフォーム)
WSS専門だけど全部実物!

鼠たちの戦争〈上〉 (新潮文庫)
鼠たちの戦争〈上〉 (新潮文庫)
映画「スターリングラード」の原作本的な内容だが100倍面白い

鼠たちの戦争〈下〉 (新潮文庫)
鼠たちの戦争〈下〉 (新潮文庫)


スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1943 (朝日文庫)
スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1943 (朝日文庫)
塹壕から故郷へ送った兵士の手紙が興味深い「クリスマスはドイツ風に」の章は涙なくしては読めません

ケルベロス 鋼鉄の猟犬 (幻冬舎文庫)
ケルベロス 鋼鉄の猟犬 (幻冬舎文庫)
ヒトラーが暗殺された後の撤退戦を描いた架空小説。小道具にこだわるところがマニアっぽい

Flag Counter
QR CODE
QR