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M38ガスマスク (Gasmaske 38)

こんにちは。本日はM38ガスマスク(Gasmaske 38)を紹介したいと思います。ところで、最近流行のミニチュア模型風の写真をご存知でしょうか?1/1の写真(主に風景)をまるで箱庭のように見せる加工技術なのですが、無謀にもガスマスクで挑戦してみました。結果はご覧の通り、ただの汚い画像になってしまいました。。。

gasmask53.jpg
gasmask54.jpg  
気を取り直して、M30ガスマスク(Gasmaske 30)との比較から始めたいと思います。

gasmask41.jpg

M30ガスマスク(左)とその後継モデル、M38(右)です。大きな違いはマスク本体がM30がゴム引き布製、M38がオールゴム製という点です。ガス攻撃に使われるマスタードガスは浸透性が強く、ゴム引き布では不十分という調査結果から1938年にM38ガスマスクが開発されましたが、結局終戦までM30の使用は続けられます。

 
gasmask38.jpg

M30はフィールドグレー色ですが、M38のゴムは黒、金具は青色に塗装されています。なお、バリエーションとして、金具がブルーやフィールドグレー、サンドイエローで塗装されたM30及びM38、本体ゴムの色がM30と同じフィールドグレー色のM38が存在しています。(金具が青く塗られている理由については後述します)

gasmask40.jpg

横から見たところです。M30はマスク縁の隙間からガスが入り込まないよう、ゴムで強化されています。面体とハーネスとの接続部はM30はマスク本体に縫い付け及び接着、M38は金具を用いています。

gasmask46.jpg  
後から見ると、ハーネスの構造の違いがよく分かります。M30は7点支持、M38は5点支持になっています。M30は支持基点部に緩衝皮革付の金具を用いた凝った造りになっていますが、M38は省力化されています。


gasmask45.jpg

上から見たところです。M30はより顔面にフィットするようハーネスが途中で4点支持になっています。

次はM38ガスマスクの細部を見てみましょう。
gasmask50.jpg
マスクの内側。M30ガスマスクの場合は、顔に当たる縁の部分にはスウェードによる加工がされていましたが、こちらはそういったお肌への配慮は一切ありません。

gasmask52.jpg
レンズにbwz 9 1944と刻印があり、1944年9月にAuer-Gesellschaft AG Werkで製造されたことが分かります。また額の2はこの面体のサイズを表します。(1から3まで、1が大、2が中、3が小)

gasmask47.jpg
額の部分には、clf、Hの刻印があります。clfがどのメーカーを意味するかは不明。

gasmask49.jpg
吸気口にはフィルターが入っており、脇に42とbwz(Auer-Gesellschaft AG Werk,Oranienburg)の刻印があります。

gasmask48_20120910072937.jpg  
バルブにはbtc(Honsel Werke A.-G, Meschede)と44の刻印があります。MP44と同じく、それぞれのパーツを別々のメーカーで作って組み立てる分散作業方式だったんでしょうか。

gasmask51.jpg
バルブを下から見たところです。フィルターを取り付ける為のネジが切ってあります。フィルターからの空気はここから入り、下の網目から出て行きます。
ventilation2.jpg  
空気の流れを分かり易くしてみました。青の矢印が吸った息、赤の矢印が吐いた息の流れです。
ventilation3.jpg
当時のマニュアルに排気システムの図解がありました。二つの弁により、逆流しないようになっています。

さて、このM38もそうですが、金具が青く塗装されています。理由を探していたら、以前M31水筒の日記の時にお世話になったTom氏のサイトで説明されているのを発見しました。氏の許可を得て、陸軍規制=Heeres Verordnungsblätter (H.V.Bl.)と英訳文を転載させていただきます。(Tom-san, Thank you again!)
magnetisch.jpg
                     171. Magnetical Gasmask
1.For raw material resons, in the future the bulk of gasmasks will be produced in magnetic form (Eye pieces and other metal parts will be made out of iron in stead of until now from non-ferrous metals).
2.Identification of the magnetical gasmask:

a. Fitting, protective screen, clamp to mount the connector and eye pieces will be painted in a dark blue colour

b. Retaining rings, ground rings, threaded ring for the exhaust valve, rivet eyelets, buckles and hooks are galvanized and unpainted.

3.Facilities:
The magnetic gas mask is provided for units not equipped with directional circuits and optical instruments with magnetic needle (except the marching compass).
Units with magnetic needle instruments retain the previously non-magnetic gas mask.
The operators of these instruments also receive the non-magnetic filter. This filter is to remain with the unit in case of dropping out of the operator and is to be given to the replacement operator. The drop-out is to be given the normal filter from the replacement instead

4.Moment of delivery:
The moment of delivery with the magnetic gasmasks and the exchange of current gasmasks for the units in question will be announced seperately.

Army High Command, July 5th 1943


(すみません、各自Google翻訳でお願いします・・・)
レンズとバルブの青いペイントがMagnetical Gasmask、つまりマスクの金具が磁性を帯びる材料=鉄製ということを意味すことは分かりました。(試しに磁石を近づけると青いペイントの方には付きましたが、そうでない方は付きません。アルミ製でしょうか?)しかしながら、いくら鉄が磁気針に影響を与えるからと言っても、こんな小さな部品を非磁性体で作る必要がある理由がさっぱり分かりません。収納缶も思いっきり磁石が付く鉄製です。そんなこと気にしてたら銃や大砲なんてどうなるんでしょう。この辺り、もし理由が分かる方がいらっしゃいましたら、ぜひともコメントをお願いします。
※朝トイレで用を足していてふと思ったのですが、計器というのは概ね細かい表示なので、よく見る為に顔を近づけますね。ガスマスクに磁性体である鉄がパーツで使われていると精度に影響を与えてしまう為・・・が答えでしょうか。


gasmask7.jpg

ガスマスクに関しては以上です。次回はガスマスク収納缶(Tragebusche)を取り上げたいと思います。
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