M31ツェルトバーン (Zeltbahn 31) 後期型

皆さんこんにちは。ゴールデンウィークをいかがお過ごしでしょうか?私は昨夜一週間の出張から帰ってきたばかり。来週に備えて家でのんびりと疲れを癒しております。(なお悲しいかな、現在GWとは無縁の国に住んでおります)
さて、本日は陸軍のM31ツェルトバーン(Zeltbahn 31)後期型を紹介したいと思います。

zelt45-01.jpg
こちらは1945年に製造されたツェルトバーンです。パッと見はいたって普通のツェルトバーンですが、通常のものとは細かい点でいくつかの違いがあります。(後期型といってもメーカーや時期によっていろんなパターンもあるのでバリエーションに一つとお考え下さい)

zelt45-04.jpg
まずはスタンプから。"Reichsbetriebs(RB=国家工場)"とその番号、製造年の"1945"が押されています。
この製造年が1945年という点、やはり色々と考えさせられますね。西から東から連合軍の包囲網が狭まり、戦線がドイツ本国に迫ってくる一方で、国内の主要都市は英米の昼夜を問わない無差別爆撃で壊滅状態。。。

zelt45-26.jpg

 zelt45-25.jpg  
そのような状況下で工場は通常運転できたのか、材料や工作機械を動かす燃料はどう調達したのか?工員への給料はきちんと支払われていたのか?前線までの輸送手段はどうしたのか?等々、なんとか現物から読み取ろうとします。

ちなみに、戦争末期の44-45年に生産されたものは"Last-ditch"(最後までがんばる,死力を尽くしての意)と呼ばれ人気があります。物資難の中で生産工程、材料を削らざるを得ず、耐久性・外見の面ではそれ以前の比較的豊かな時代に作られたものより明らかに劣るのにも関わらず、コレクターを魅了して止まないのはそういった探究心を刺激するからかも知れません。

さて、それではこの"Last-ditch"のツェルトバーンの細部を一つずつ見ていきましょう。

zelt45-02.jpg
一番上の写真と見比べて下さい。同じ写真のようですがこちらは反対側。裏表のパターンが同色となっています。

zelt39-05-1.jpg
上記二つの写真は1939年製のツェルトバーンの両面です。ノーマルパターンはこのように"秋"と"夏"用で違う色になっています。両面を同じ色にしたのは省力化の為、それとも2パターンの無意味さに気づいたのか・・・今となっては判りません。


zelt39-07-1.jpg  zelt45-22-2.jpg
こちらは裏表の差が判りやすい写真です。上がノーマルで下が後期型です。


zelt45-07.jpg
その他にはボタンがアルミ製からスチール製に変わっています。これは末期という理由よりは、42年頃からアルミ製の水筒や飯盒がスチール製に変わったのと同じ理由でしょう。なお、スチール製以外に亜鉛やベークライト製のボタンも存在しているようです。


zelt45-08.jpg
ボタンホールはキーホール形からスクウェア形になっていますが、これはメーカーの違いによる可能性もあります。


zelt45-09.jpg
大小グルメットがスチール製から亜鉛製に変更になっています。

zelt45-05.jpg
底辺両サイドと中央にある小グルメットの数も2つから1つに省略されています。


zelt39-04.jpg zelt45-06.jpg
最後にスプリンターパターンの比較です。後期型(下)の雫模様はノーマルに比べて細くて薄く間隔も空いています。クオリティも落ちていますが、1939年と45年のドイツ国内の生産事情の変化を考慮すれば、むしろ高度な技術である迷彩プリントの品質がこれだけ保たれているのは賞賛すべきことかも知れません。

以上、後期型、それも末期に作られたツェルトバーンの紹介でした。
なおスプリンターパターンのみという印象の陸軍のツェルトバーンですが、他にもいくつかのバリエーションがあります。また機会があれば、別のパターンも紹介していきたいと思います。
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この記事へのコメント

- ルドルフ - 2013年05月06日 05:36:56

おはようございます。

いつもお疲れ様です。
更新がなくてもちょくちょく見にきさせてもらってます。

迷彩の記事、嬉しいですね。
ツェルトバーンにこういうマイナーチェンジがあったのも知りませんでした。

当方国防軍好きでして、
国防軍のその他のパターンも楽しみにしておりますw
アノラックやスモックなんかも余裕があれば見てみたいですね(後者はすでに現物なさそうな気がしますが...)

これからも頑張ってください!

Re: タイトルなし - エーデルマン - 2013年05月06日 09:36:22

ルドルフさん

いつも訪問いただきありがとうございます。

W-SSに比べるとバリエーションの少ない国防軍の迷彩パターンですが、重箱のスミつつき的に見ていくとツェルトバーンだけでもあと2-3回は記事が書けそうですね。(アイテムが入手できるかとうかは別の話で・・・)
しかしアノラックはともかく迷彩スモックは実物が売りに出されていても、余裕で給与一ヶ月分はするので記事にできるのはいつになることやら・・・(もちろん、どなたか貸していただけるならすぐにでも記事にします!)
4月からちょっと本業の関係でこれからは2~3週間更新が途絶えることが多くなると思います。でも細々とは続けて行きますのでぜひ今後も宜しくお願いします!

- 鍛冶屋 - 2013年05月07日 08:36:49

中段の破壊された街の様子が、痛々しいですね...。
この瓦礫の山も、終戦後は時を置かずして復興されて行ったの
は凄いですが・・・果たして人間は偉いのか愚かなのか判りません。

Re: タイトルなし - エーデルマン - 2013年05月08日 03:02:49

鍛冶屋さん

人間は賢愚どちらにもなり得ることは歴史が証明しています。もし悲惨な歴史を繰り返すならば
やはり愚かな生き物と言うしかありませんね。
日本は焼け野原、ドイツは瓦礫の山からの復興したことは大変すごいことだと思います。
しかしどこかの国と戦争を起こして、再び焦土と化したらこんな奇跡は二度とは起きないでしょう。

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