M31ツェルトバーン (Zeltbahn 31) イタリア迷彩

本日はドイツ軍がイタリア軍から摂取した迷彩生地で作った珍しいツェルトバーンを紹介します。

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1943年9月8日にイタリア王国が連合軍に降伏。その直後、ドイツ軍によるイタリア軍の武装解除作戦が開始されます。昨日までの盟友は敵となり、兵器や軍用車両などは摂取されドイツ軍が使用することになります。
また被服も徴発対象で、イタリア軍の被服倉庫は真っ先にドイツ兵に"襲撃"されたようです。

-おなじみの黒シャツは粋というので特に人気があった。ほかにもマウンテンブーツ、ベルト、褐色のつなぎの飛行服なども徴発され、以降、彼らの間で重宝がられた-『ヴィットマン LSSAHのティーガー戦車長たち』の中の一文です。

ヴィットマン―LSSAHのティーガー戦車長たち〈上〉ヴィットマン―LSSAHのティーガー戦車長たち〈上〉
(2005/08)
パトリック アグテ

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また完成品のみならず被服材料も摂取の対象となりました。その中にはイタリア軍の迷彩パターンが印刷された生地も大量に含まれており、その材料を使って野戦服やジャケット、今回紹介するツェルトバーンも作られます。

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イタリアの迷彩模様は一般に"まだら系"と呼ばれるパターンです。迷彩効果に優れているため、ドイツ軍には人気で戦後もイタリア軍で使用され最近まで現役でした。(戦後のパターンはもっと明るい色合いのようですが)


anonym.jpg
アルデンヌ ノルマンディーのW-SS兵士の写真です。イタリア迷彩生地で作ったつなぎを着用しています。

さて、ここからはイタリア迷彩パターンのツェルトバーンの紹介です。

italian-3JPG.jpg

生地はイタリア迷彩パターンを使用していますが、ドイツ軍ツェルトバーンと同じ仕様の三角形です。

italian-4JPG.jpg
こちらは裏面です。ドイツ軍のツェルトバーンは両面印刷ですが、イタリア迷彩の生地は片面印刷の為、リバーシブルでは使えません。

italian-10JPG.jpg
両端が違う布地で出来ていることが分かります。もともとイタリア軍のポンチョは四角形で生地もそのサイズに合わせて作られていた為、ドイツ軍のツェルトバーンを作るには両端に別の布地をつなぎ合わせる必要があったからです。

italian-13.jpg
点線のところでつなぎ合わされています。


italian-8JPG.jpg
ポンチョ用のスリットもドイツ軍仕様と同じく設けられています。

 
italian-5JPG.jpg  
生地の裏のスタンプです。


italian-6JPG.jpg  
センターのつなぎ目にはメーカー名と思われるスタンプが押してあります。
"AMERICA"という文字が見えますが、米国製のリプロではなく、こういう名前のメーカーだったようです。

なお、このツェルトバーンにはテントを作成する際に使用するボタンやグルメットがありません。

italian-11JPG.jpg

これは戦争末期でボタン等の取り付けが省略され前線に送られたという意見と、製作工場で未加工の状態で見つかったものという二通りの考え方があります。

もし後者のみが正解であればすべて新品に近い状態のはずですが、使い古された状態のモノも見つかっており前者の考え方もなきにしもあらずの気がします。(もちろん、後者のモノが戦後に使われた可能性もありますが・・・)
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この記事へのコメント

- 鍛冶屋 - 2013年07月02日 17:59:16

これ、俗に云うウッドランドパターンってやつですよね。
元祖がイタリア軍用だったとは(しかもWW2時代とは)意外でした。

しかし、武装解除をドイツ軍がする(できる)って変ですね?。
武装解除って言うより、ただの略奪行為なんじゃぁ・・・。

- Rikkie - 2013年07月03日 12:27:54

どもども、エーデルマン殿。

拙僧のカメラ趣味のジャンルでも、イタリアファンは特殊なジャンルです。彼らに言わせるとイタリア製カメラの魅力は革ケースだそうです。妙に納得する話ですが。
ミリタリーファンの中でもイタリア軍のファンは格別に稀ですが、彼らに言わせると軍服のスタイリングがイイらしい。確かに、イタリア軍がイイというような連中はイラストレーターとか服飾系でした。拙僧なんてセモベンテの自走砲を押し付けられたら逃げたくなりますが。もっとも、セボメンテは割と使い物になったらしいですな。むしろ、問題は正規戦車の方でしょう。あのリベット姿と言うのは我軍のそれと通じるものがあり、やはり積極的に乗りたい気分にはなりません。

イタリア人の敗戦意識の無さは、一度はちゃんと調べたいテーマであります。多分、国土の全域で地上戦が行われ、徹底的に破壊されてしまったドイツとの差があるのでしょう。
我国も危ないところでしたが。

Re: タイトルなし - エーデルマン - 2013年07月04日 04:03:53

> 鍛冶屋さん

迷彩模様についてはあまり詳しくないので、Wikipediaで調べてみました。
正式に迷彩服を採用したのはWW2の武装親衛隊が初めてのようです。
ただ親衛隊の迷彩模様はウッドランドパターンでは無いので、この種類はイタリアが元祖かもしれません。
イタリアは連合軍に対して降伏したのであって、ドイツ軍にではないことから武装解除というのは奇妙ですね。
略奪行為といわれても仕方ありません。

Re: タイトルなし - エーデルマン - 2013年07月04日 05:06:17

> Rikkieさん

カメラより革ケースに力を注ぐ・・・イタリア人に怒られるかもしれませんが、中身より外見を気にする国民性のようですね。
イタリア軍のスタイリングはよく知らないのですが、ゲートル巻きが一般的だったような・・・違ってたらすみません。だいぶん前に『コレリ大尉のマンドリン』を見たのですが、どんな制服を着ていたのか覚えてませんし、第一あまり興味が・・・でもおしゃれな人たちには訴えかける何かがあるんですね、きっと。
セモベンテ、Wikipediaで調べるとそれなりに活躍したようなことが書かれていますね。まぁ他と比べた相対論であって、ドイツ軍の三号突撃砲とどっち?と言われれば、間違いなく後者ですけど。

公式にはイタリアは敗戦国とされているようですが、日本やドイツのように戦後もホロコーストだ南京虐殺だと周辺国から非難をされていないことが大きいのかも知れません。国家の教育のあり方も関係しますしね。

- ハント - 2013年07月05日 15:03:15

エーデルマンさん、こんにちは。
いつも素晴らしい記事を有り難うございます。

ちょっと気になった点がありまして、書き込みました。
記事中の「アルデンヌのWSS兵士の写真」ですが、自分の記憶ではノルマンディーの12SSヒトラーユーゲント師団の一連の写真だったと思います。
確か兵士個人の名前も特定されていたような・・・。
うろ覚えの情報で済みません。

Re: タイトルなし - エーデルマン - 2013年07月06日 01:55:20

> ハントさん

ご指摘ありがとうございます。SSには疎いので適当に書いてしまいました・・・
「ヒトラーユーゲント12師団」でググッたらすぐに判明しました。
アルデンヌでは無く、ノルマンディーでしたね。1944年6月9日の午後2時半ごろに撮られた写真のようで、名前はOtto Funkという兵士のようです。
名前はともかく、撮影した時間まで特定できるとはすごですね。

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脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

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