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野戦糧食(Verpflegung)Part2

先々週は夏休み、先週は出張のため2週連続でお休みしてしまいました。今週からいつものペースでアップします!・・・と言いたいところなのですが、仕事がかなり忙しくなってきており、またプライベートの方でも近々大イベントがありそうで、週末更新できないことが続くと思います。

さて今後何回かに分けて、ドイツ軍の野戦調理について当時のマニュアルを中心に調べていきたいと考えています。


feldkochbuch1_20130803212856110.jpg  

こちらは1941年版のFeldkochbuch(野戦調理マニュアル)です。

このマニュアルには野戦調理の心得から、準備、調理方法、調理器具の種類や素材の管理など細かく書かれています。もちろんドイツ語はサッパリなので、英訳版を入手しました。(それでもなお??) ざっと読んでみて、気になった箇所を書き出してコメントしたいと思います。

【第一章 野戦調理部隊へ】

ここでは野戦調理部隊の心得について書かれています。

"新鮮な生野菜やハーブを加えることで栄養価を高めること。"
"自身や服、調理器具は常に清潔にしておくこと。不潔は戦友の健康に危機を及ぼす。"
"シチュー砲は炊事兵たる諸君に与えられた特別な武器であり、諸君と共に戦争を勝利へ導くであろう。"
"諸君が戦友へ美味しい料理を作って配給すれば、彼らの戦意は高揚するだろう。野戦調理は実にやりがいのある仕事だ!"


コック出身ではないのにも関わらず、炊事担当になってしまいテンション下がりまくりの兵士を鼓舞するような内容ですね。

fieldkichen3.jpg

【第二章 メニューリスト】

第二章は料理の種類がリストアップされています。

A. 鍋料理のメニュー

 基本的な準備と調理
 a) 肉を用いた料理(生、塩漬け、燻製、冷凍)
 b) 缶詰料理
 c) 手製の燻製ソーセージ

1. ジャガイモ料理

 a) 基本メニュー
 b) その他のメニュー
   トマト和え
   味付けしたキュウリ和え
   タマネギ和え
   オランダ三つ葉和え
   酢漬け
 c) 好ましい取り合わせ
   ザワークラフト
   キャベツ
   アオマメ
   混合野菜

2. 野菜料理

 a) 基本メニュー
 b) 好ましい取り合わせ
   白キャベツとジャガイモ
   カブとジャガイモ
   カブとシュペッツレ(ドイツ麺)、味付けキュウリ
   ニンジンとジャガイモ、エンドウ豆
   混合野菜と缶入りスープ
   ザワークラフトとジャガイモ
   ザワークラフトとエンドウ豆

書き写し疲れたので以下省略。(すみませんいい加減で) まぁ、こんな感じで、他にマメ、穀物、米、パスタ、缶入りスープを中心とした鍋料理とそのページ数が書かれています。

B. 一品料理

1. スープ

 a) コンソメ
 b) シチュー(アイントプフ)
 c) パンスープ

2. 肉

 a) 大きな塊の肉
 b) 薄切り肉
 c) 小さな塊の肉
 d) ひき肉

3. 魚

 a) 姿焼き
 b) 切り身
 c) 角切り
 d) ひき肉
 e) 塩漬け

さらに省略 (^^; この後、グレイビーソースやジャガイモや野菜、米、パスタ、缶入りスープ、サラダなど単品料理が続きます。
正直ジャガイモとパン、ソーセージのイメージしかなかったドイツ軍の糧食ですが、なかなかレパートリーが豊富ですね。もちろん食材が手に入ればの話ですが。

C. 複数の鍋を使った料理

1. フィールドキッチン : オーブンもしくは補助器具なし
2. フィールドキッチン : 補助器具あり
3. フィールドキッチン : オーブンあり

フィールドキッチンは鍋やオーブンを備えているので同時平行で複数の調理が可能です。
fieldkichen1.jpg

【第三章 準備】

第三章は準備に関する内容です。

A. 一般

1. 食料の現地調達による補充

"食料の補充は栄養、軍の在庫、輸送事情、地域の経済状況に応じて頻繁に現地調達にて行われるべきである。"
"特に家畜やジャガイモ、野菜などを現地で完全に調達できることが好ましい。"

STEINER氏のサイトには東部戦線の場合、食材のうち5割は現地調達されていたという説明もあります。
確かに新鮮な肉や野菜は現地調達せざるを得ませんね。でも、そのほとんどは購入じゃなくて、搾取・徴発(略奪)だったんでしょうねきっと・・・

fieldkichen2.jpg

2.調理方法について

"野戦調理部隊は入手可能な素材を使い、充分な量で、美味しく、できればバラエティに富んだ料理を作ることが求められる。"
"多様な味付けのため、フィールドキッチンには常に各種スパイスがストックされているべきである。"


別の章に書いてあるのですが、"味付けは食欲増進、兵士の戦意高揚、栄養の吸収を早める効果があるため重要である"とあります。また食材は同じでも、味付けの工夫により連食による飽きを防ぐことができます。


maggi2.jpg  

こちらは有名なマギーのシーズニングソースの空瓶です。醤油に似た味で肉などにかけると旨みが増します。
ちなみにエーデルマンの勤める会社の食堂には醤油の代わりにこれが置いてあります。

kummel.jpg
こちらの袋には香辛料のクミンが入っていたようです。
正直クミンって何?状態なので、Wikipediaに書いてある意味をそのまま転載します。

南 アジアや中東の料理によく用いられる。インド料理には必須のスパイスのひとつで、様々な料理を作る際に、まず始めに油に香りをつけるためにクミンシードを 油で熱する。ガラムマサラやチャツネを作る際にもよく使われる。テクス・メクス料理ではチリコンカーンなどに用いられるチリパウダーに配合される。またト ルコ料理、ポーランド料理、レバノン料理、モロッコ料理、スペイン料理、メキシコ料理、満洲料理でも非常によく用いられる。スープ、パン、ケーキ、ピクル ス、ソーセージなどにも用いられる。漢方では胃薬として用いられる。

熱帯地方では、スパイスの効いた食事を取るよう指導されていましたので、きっとクリミア半島や北アフリカに派遣された部隊の糧食にはこのクミンが多用されたことでしょう。
Alba3.jpg
こちらはフルーツのジャムを作る際の調味剤のようです。資料本にはピクルス用の調味剤が載っています。

さて第三章の続きを見ていきましょう。

"前線へ行軍している状況では鍋料理が簡単かつ要求を満たすと考えられる。"
"一品料理は治安が保たれている地域向きである。"

部隊が置かれた状況によって、料理の仕方が違うのは理解できます。いつ敵が攻めてくるか分からない状況で一品ごとになんて作ってられませんからね。前線では手っ取り早いのはやはり鍋に食材をぶち込んで作るごった煮(アイントプフ)でしょう。

B. 調理準備の基本ルール

1. 食材の準備
2. 野戦調理における調理方法
3. 食材の扱いと使用方法
4. 旨みや味付け
5. 材料の計算
6. 身近なものを使った計量
7. 調理時間

1. 食材の準備は洗う・皮むきなどの下拵え方法、2. 野戦調理における調理方法は蒸す・煮る・焼くなどの一般的な調理の方法が記載されています。
3. 食材の扱いと使用方法は食材ごとの適切な扱い方についてで、例えば肉は繊維に沿って包丁を入れること、塩漬けにされた魚は48時間水に付けて塩抜きすることなど書かれています。
また、余分な脂身はストックしておく、スープやブイヨンの表面に浮いた脂層は捨てずに置いておく、肉の缶詰はきれいに丸くカットすると取り出しやすいなど、少したりとも食材を無駄にしない工夫が見られます。

FC3.jpg
なお豚の脂身は精製するとラードとなります。兵士はそれをファットコンテナーに入れ雑嚢で携行しました。


Schweine2.jpg
こちらは防水紙製のラード袋です。

6. 身近なものを使った計量では、計量の方法が書かれています。

フィールドキッチンの桶(大)18リットル
フィールドキッチンの桶(小)15リットル
フィールドキッチンの柄杓1リットル
飯盒(本体)1 3/4リットル
飯盒(蓋)1/2リットル
通常サイズのコップ1/8リットル
大さじですり切り一杯分の小麦粉10g
大さじですり切り一杯分の大豆12g
大さじですり切り一杯分の砂糖20g
大さじですり切り一杯分の獣脂20g
大さじですり切り一杯分の食塩20g
大さじで山盛り一杯分のハーブ粉20g
大さじで山盛り一杯分の乾燥ハーブ7g
1リットル(一掬い)のマメ類800g
1リットル(一掬い)の穀物800g
1リットル(一掬い)の米900g
1リットル(一掬い)の小麦の粗引き粉750g
1リットル(一掬い)の小麦粉720g
1リットル(一掬い)の食塩1,000g
1リットル(一掬い)の砂糖900g

なるほど、こういう早見表があると便利ですね。

さて、マニュアルはまだまだ続くのですが、この辺りで一度区切りたいと思います。
       
               
fieldkichen5.jpg 
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この記事へのコメント

- 鍛冶屋 - 2013年08月05日 00:53:10

軍隊って、戦闘部隊よりそれを支える裏方の方が、
実はずっと大勢要るんですよね。
糧食部隊など、まさに兵隊を支える最たる物ですが・・・、
>炊事担当・・・テンション下がりまくりの兵士・・・
ってなりますよね 実際^^)。

陸自の糧食班勤務は、3ヶ月の特別勤務なんですが、
実は・・・ちょっと懲罰的意味合いもある様な・・・ない様な。
誰某が"糧食行き"って聞くと、「何やらかしたんだろう...」
って噂になったり・・・とか^^;)。

Re: タイトルなし - エーデルマン - 2013年08月05日 22:22:36

鍛冶屋さん
コメントありがとうございます。

後方支援部隊は第一線部隊の倍から2.5倍くらいいたようです。
1万人規模の師団だと、7000人は直接戦闘に関らないということになりますね。

> 実は・・・ちょっと懲罰的意味合いもある様な・・・ない様な。
> 誰某が"糧食行き"って聞くと、「何やらかしたんだろう...」
> って噂になったり・・・とか^^;)。

ドラマ『バンド・オブ・ブラザース』でウインターズ中尉がソベル大尉と揉めて
糧秣担当将校に任命されてましたね。懲罰というか個人的な確執からですが・・・
最近読んだ『野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ兵」 』には、通信部隊に
配属された兵士が家族に宛てた手紙の中で、自分は専門兵として前線で戦わずに
すみ、良かったと思う一方で、後ろめたさを感じるという心境を書いていました。

戦闘・後方どちらの部隊も祖国のために働く兵士とはいえ、やはり前線兵士の方が
受勲しやすく昇進も早いですから花形に感じるんでしょうね。

- Rikkie - 2013年08月06日 10:30:28

どもども、 エーデルマン殿。

うーむ、基本的には握り飯に塩、良くて沢庵と鯨缶という旧皇軍から比べると、なんともきめ細かいサービスですなあ。戦後に海自が「くおしお(ガトー級)」を米軍からもらった時に、元伊号の潜水艦兵が福利厚生の概念の違いに驚いたそうですが。

米と言うのは水もいるし焚かなきゃだし戦争向きではないと思っていたのですが、乾燥さえ維持すれば腐らないし、焚いた物を乾燥して粉末にすれば保存食にもなるし、なかなか使い勝手が良い物と言う気がしてきました。パンは「発酵」ってい面倒な工程が要りますしね。

輜重というのがいかに重要なのか、前大戦で我が国も思い知った(はずな)のですが。
ヨーロッパの「焦土作戦」ってのは、本当に酷いですよねえ。我が国は限定的にしか地上戦が行われなくて助かりましたが、沖縄の方々の凄惨な歴史に真摯に向き合わなければでしょうね。

糧食班というのは「そういう事しか任せれられない方々」という噂は小松辺りからも効いたことがあります。それでも、大戦まであれば食事に肉が出ることもあるだけで、寒村から兵隊になった買いがあったのかもしれませんが。

Re: タイトルなし - エーデルマン - 2013年08月07日 16:48:05

Rikkieさん

個人的には握り飯と鯨缶がいいです(笑)パンはどうも腹持ちが・・・やはり前線で戦う兵士の健康とやる気を維持するには、その国の主食がどれだけ手間がかかっても一番のような気がしますね。もちろん、某国のように北アフリカで水がないのにパスタをゆでるのに拘ったりしては駄目ですが・・・
戦争は補給戦といっても良く、米軍は当時のどの国よりも優れたロジスティックスを構築したことは確かで、ドイツ兵にとっても米軍の糧食の内容は非常に羨ましかったことでしょう。

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脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

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