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山岳猟兵用背嚢(Gebirgsjäger Rucksack) その2

もうすぐ10月ですね。苦手な夏が終わって食欲旺盛の秋、一日一本は焼き芋を食べているエーデルマンです。
さて、今回は前回に引き続き、山岳猟兵用背嚢(Gebirgsjäger Rucksack)をアップします。

GBRruck(k)_3.jpg

だいたいナップサック位の大きさです。この背嚢には制式な名称はありませんが、コレクターの間では小型山岳猟兵用背嚢(Kleines Gebirgsjäger Rucksack)や突撃背嚢(Sturmrucksack)と呼ばれています。

GBRruck(k)_17.jpg 
当時の写真。
GBRruck(k)_8-2.jpg    
山岳猟兵用M31背嚢と小型背嚢の比較。小型は一泊分の荷物がやっと入る大きさです。駐屯地から周辺の偵察、デポ地点から頂上へのアタックに使われたのでしょうか。
 

GBRruck(k)_4-7.jpg      
形はまさに袋(Sack)、非常にシンプルですね。雨蓋は一本のストラップで閉じられるようになっています。

GBRruck(k)_5.jpg 
山岳猟兵用の背嚢はビルトインのショルダーベルトが特徴です。よく砲兵用背嚢(Artillery-Rucksack)と間違えられますが、背面を見ると明らかな違いがあります。

orig_rucks_rear.jpg
こちらが砲兵用背嚢です。砲兵用背嚢はショルダーストラップは無く、Yサスペンダーに接続するDリングがあるのみ。
山岳猟兵用背嚢にショルダーベルトがビルトインされているのは、山岳部隊にはYサスペンダーが支給されなかったことが理由と言われています。確かに今までYサスをした山岳猟兵の写真を見たことがありません。

Yサスに背嚢を装着する方式が山岳部隊に導入されなかった理由として、この方式の欠点である装備の取り外しに時間がかかるところにあったのではないかと考えています。
GBRruck(k)_23.jpg  
山登りをされた方ならお分かりかと思いますが、急な斜面の登り降りや、トラバース時などの場合、背嚢を外してバランスを取ることが頻繫にあります。このような時に4点留めのYサス方式では素早い対応ができません。

それでは、ショルダーベルトの詳細点を見ていきます。

GBRruck(k)_12.jpg 
ショルダーベルトは左右で違う金具で接続されています。

GBRruck(k)_13.jpg 
こちら側はバックルで固定されています。

GBRruck(k)_14.jpg 
こちら側はDリングとフックで繋がっています。M31山岳猟兵用背嚢も同様に、簡単に取り外しができるようになっています。滑落の際など素早く背嚢を外す必要があり、これに対応したものと思われます。

GBRruck(k)_26.jpg 
ショルダーベルトはハート(半円形の革パーツ)にリベット留めされています。刻印はありません。雨蓋には装備を括り付ける為の金具があります。
GBRruck(k)_6.jpg 
雨蓋を開いたところ。主室の口は紐で縛ります。内側にベークライト製のボタンが見えます。

GBRruck(k)_16.jpg 
裏返したところ。ボロボロですが、主室は一枚の布で仕切りられており、ベークライト製のボタンで留めます。
GBRruck(k)_22.jpg 
紐の先は金具で覆われており、口に通しやすいように処理されています。

GBRruck(k)_21.jpg 
本体両側にある装備を装着する為の革製ループ。上は滑らかで下側はシボ加工がされています。

GBRruck(k)_11.jpg
Carro Veloceが映っているのでイタリア戦線でしょうか。今回は山岳猟兵マニアの方以外にはつまらないネタですが、備忘録的に取り上げてみました。
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