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M34野戦服 (Feldbluse 34)

こんにちは、エーデルマンです。いや〜週末の台風は凄かったですね。選挙結果よりも次の日の電車の運行状況が気になって仕方がありませんでした。
さて本日は、M34野戦服(Feldbluse 34)をアップしたいと思います。

M34tunic1-2.jpg    
国防軍(ヴェアマハト)以前のライヒスヴェーア時代、1934年11月に採用された明るめのダークグリーンの襟が特徴の野戦服です。
非常に短い期間に製造された野戦服で、元々数が少ないうえに多くが兵士の好みでダークグリーンの襟に改造された為、オリジナル状態の襟のM34野戦服は残存数が少なくなっております。 (なお襟がダークグリーンに変更されたM34野戦服はこちらで取り上げています)

M34tunic28.jpg  
野戦服の年表です。(『FELDBULSE』を参考に作成)M34野戦服が製造された期間は1934年12月10日から1935年9月10日までの10か月間となっています。もちろん、この期間はあくまで通達ベースで現場での切り替えは多少のタイムラグはあったと思います。

M34tunic6.jpg 
襟章は1933年採用のタイプで、センターのライン(リッツェン・シュピーゲル)や台布は襟とマッチした色で両側の兵科を表す線は白=歩兵となっています。

M34tunic7.jpg 
襟の裏地はコットン製です。なお襟の端が縫い付けられており裏返すことができません。襟がめくり上がることを防止するためと思いますが、果たしてこの処理は個人的に行ったものか、当時の標準仕様だったのかは不明です。

M34tunic8.jpg 
襟を止める真鍮製のフックは後に補修されたようで台布は別の生地で作られています。

M34tunic9.jpg 
この野戦服には1935年11月10日に採用された旧型の肩章が付いています。先が角ばった肩章で先の丸いタイプの肩章が採用された後も1938年まで使用されました。

M34tunic13.jpg 
国家鷲章は1937年6月19日採用のダークグリーン地に白糸で鷲章を縫った兵・下士官用タイプです。年表にある通り、時代的にマッチするのは、ライトグレー地の国家鷲章ですが、当時の写真を見るとM34野戦服に37年タイプが付けられていることも多く特に不自然ではありません。
M35tunic27.jpg 
当時のプライベート写真です。左側の兵士はM34野戦服で国家鷲章は37年タイプです。一方で右側の兵士はM35野戦服を着用しています。
M34tunic1-3.jpg 
お遊びでライトグレー地の国家鷲章を合成してみました。

life_262.jpg 
当時としては珍しいカラー写真で、襟の色の違いがはっきりと分かります。 1939年9月に撮影された写真なのでポーランド侵攻時でしょうか?ソータッシェの色から砲兵部隊のようです。

M34tunic10.jpg 
左胸ポケットには勲章を佩用する為のループが二つあります。戦前で二つ佩用する勲章の例を探していたら、資料本『FELDBLUSE』には、国家スポーツ章とSA体力章を佩用している歩兵科伍長の写真がありました。


Feldbluse: The German Army Field Tunic 1933-45
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M34tunic5.jpg 
腰ポケットはサイドプリーツの両端が本体にベタっと縫い付けられています。プリーツが開かない分、ポケットの収納スペースは少なく、このようにわざわざ縫い付けている理由が分りません。

Heer soldier3 
当時の写真でも同じ処理をしているポケットを見ることができます。

M34tunic2.jpg 
後からの写真。ベルトフック金具を通す穴が左右に3つずつ空いています。うっすらですが、ライナーの縫い目が識別できます。

M34tunic3-1.jpg 
M35野戦服までは、ライナーの生地が少なくなっています。 背中の四角い布地は色が違いますが、こちらは1936年12月15日付け通達により背中の部分を補強する目的で後付けされたものです。

M34tunic12.jpg 
ライナーの目的は汗の吸収や着心地アップというより、内蔵サスペンダーを通したり、ボケット縫い付け時の補強の為ような気がします。

M34tunic15.jpg M34tunic16.jpg 
ウエストを絞るドローコードが付いています。実際に絞れる範囲は狭く、あまり役に立ちそうにありません。(1936年3月末に廃止されます)

M34tunic4.jpg 
戦前ならではの情報満載(笑)のスタンプ。“KURZROCK”は直訳ではショートスカートですが、普通に考えると被服工場の名前でしょう。真ん中の数字はサイズで胸囲96cm、その他は・・・省略します。
“E.35“はエルフルト補給廠 1935年製で合ってますかね。“J.R.18”は第18歩兵連隊、大隊の数字は消されており下に“II”のスタンプがあるので第2大隊へ支給されたということかと。(肩章の部隊番号とマッチしないのは、まぁご愛嬌ということで。)
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この記事へのコメント

- kaccha - 2017年11月18日 18:52:09

これぞドイツ兵!といった軍服ですね。

Re: タイトルなし - エーデルマン - 2017年11月19日 23:21:03

>kacchaさん

そうですね。この頃のドイツ軍は勢いがありました。

軍服の下には何を着ていたのでしょうか - いつも楽しく読んんでいます。 - 2017年11月22日 12:33:00

いつも楽しく読んんでいます。
今回の記事を読んで疑問がでのですが、軍服の下には何を着ていたのでしょうか。
よく見るのが袖無しシャツの様な服を着てその上に直接軍服を着ている写真ですが、一般的にはどんな服を着ていたのでしょうか。
私、気になります!

Re: 軍服の下には何を着ていたのでしょうか - エーデルマン - 2017年11月23日 09:23:04

> いつも楽しく読んんでいます。

ありがとうございます。

> 今回の記事を読んで疑問がでのですが、軍服の下には何を着ていたのでしょうか。
> よく見るのが袖無しシャツの様な服を着てその上に直接軍服を着ている写真ですが、一般的にはどんな服を着ていたのでしょうか。

下着については過去に記事にしたことがあります。
http://gerhard03.blog61.fc2.com/blog-category-92.html
下着の上にはヘムトという長いシャツや、寒い時はセーターを着ていました。

> 私、気になります!

以上の説明で良いでしょうか?千反田さん。

ご返事ありがとうございました! - いつも楽しく読んんでいます。 - 2017年12月05日 21:22:51

ご返事ありがとうございました。
なれない端末で拙い文を投稿しまして申し訳ありません。
過去に記事にされてたんですね。
読みました。
教えてくださりありがとうございました。
最後に、私、名乗りました?
不思議です!

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Author:エーデルマン
脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

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