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山岳ズボン(Berghose)

こんにちは、エーデルマンです。すっかりと冬らしくなった今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?
本日は山岳ズボン(Berghose)をアップします。今回はコレクター仲間である冬野ソナタさんと Köpkeさんのご厚意により、両氏のコレクションも併せて紹介します。

20171120190902722.jpg
山岳ズボンは山岳猟兵(Gebirgsjäger)に支給されたズボンで山岳靴(Bergstiefel)ゲートル(Gamaschen)を着用する為、最初から膝から下を絞ったデザインとなっています。


Berghose_1-3.jpg Berghose_1-4.jpg  
こちらは戦前に製造された極初期の山岳ズボンです。緑色が強いフィールドグレイ生地から、国境警備隊(Zollgrenzschutz)に支給された山岳ズボンと思われます。

Berghose_4.jpg
まずは山岳ズボンの特徴である裾部分から。脱ぎやすいようスリットが設けられおり、端はボタンで留めるようになっています。

Berghose_10-1.jpg  
裏はコットン生地で補強されています。

Berghose_2-1.jpg
フロントポケットと懐中時計用ポケットには、雨避けのフラップが付いています。サスペンダーを取り付ける4つのアルミ製の皿ボタンが付いているのは、ストレートズボンと同じです。
Berghose_3.jpg 
内装もストレートズボンと同じく白いコットン生地になっています。

Berghose_9.jpg 
“社会の窓”はボタンフライでかつ山岳ズボンの標準仕様の黒いプラスチックボタンです。ボタンホールはグレイのコットン生地で補強されています。


Berghose_5.jpg 
ウエストの調整ベルトは両サイドにあります。
Berghose_6-1.jpg
背後のカットもストレートズボンと同じです。

こちらはフランスとの国境に配置された国境警備隊の写真。
Berghose_8.jpg


続いて冬野ソナタさん所有の大戦初期の山岳ズボンを紹介します。

Berghose_early_1-1.jpg 
戦前・大戦初期のドイツ軍のズボンといえばストーングレイ(Steingrau)ですが、ほとんどが大戦中に消費されてしまった為、種類・状態に関わらず希少です。その中でも山岳ズボンは非常に珍しく、しかもミント状態という超超レアな逸品です。

Berghose_early_3.jpg 
ズボンの裾の状態。ストラップを土踏まずの下に通し、細紐を穴に通した後、足首に巻き付けて結びます。(一番下の写真の左側兵士の足首を参照)

Berghose_early_2-1.jpg 
このズボンも“社会の窓”がボタンフライになっています。

Berghose_early_5.jpg 
調整ベルトの金具はスチール製で黒染めされています。

Berghose_early_4.jpg
内装のスタンプ。股下 88cm ウエスト82cm 全長114cm 腰周り98cmで1941年製です。一般的にズボンの色は1940年頃からストーングレイからフィールドグレイに変更されますが、生地は在庫がある限り使われる為、1940年以降もストーングレイ色のズボンは製造されています。

こちらも冬野ソナタさん所有の1941年製の山岳ズボン。

Berghose_late_1-2.jpg
フィールドグレイ色生地で大戦中のもっともポピュラーな山岳ズボンです。臀部と内股の部分が丸い布で補強されていることが分ります。これはこの部分が特に摩耗しやすい為で、乗馬ズボンにも同様の補強がされています。(乗馬ズボンの場合は革)
またこの当て布は1943年採用のカイルホーゼ(Keilhose)にも適用されます。

Hammber10.jpg 
この写真のように登攀ロープによって擦れて摩耗することも多かったと思います。
Berghose_late_2.jpg
こちらのズボンも内装は白いコットン生地です。

Berghose_late_3.jpg 
サイズスタンプ。股下 79cm ウエスト88cm 全長114cm 腰周り102cmとなります。“WB41”はバイエルン州のヴュルツブルク(Würzburg)の被服廠で1941年製。

最後に Köpkeさん所有、1944年製の山岳ズボンです。

Berghose_Policai_4-2.jpg
こちらはSS-Polizei-Gebirgsjager-Regiment所属の隊員若しくはGendarmerie(国家地方警察)所属のHochgebirgsjägerに支給されたズボンとのこと。カイルホーゼ(Keilhose)に近いシルエットです。

Berghose_Policai_5.jpg 
このズボンの特徴として土踏まずに通すストラップの両端が本体に縫い付けられています。

Berghose_Policai_6.jpg 
M43野戦服によく見るレーヨン生地の内装です。また社会の窓の一つ目のボタンが内側に付いているところがこのタイプのズボンの特徴です。
Berghose_Policai_7.jpg 
サイズスタンプとRB.Nb。股下 110cm・・・恐らく全長110cmで、76cmの方が股下でしょう。

GJRb-20.jpg 
最後に、貴重なコレクションを公開することを快諾いただいたKöpkeさんと冬野ソナタさんに感謝の意を表します。豪華にもオリジナルの山岳ズボンを4本同時に紹介することができました。
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