山岳猟兵用背嚢(Gebirgsjäger Rucksack) その3

ご無沙汰しております。エーデルマンです。年末年始は何かと忙しく、ブログを更新できませんでした。

本日は初期型の山岳猟兵用M31背嚢(Gebirgsjäger Rucksack 31)を紹介します。
以前こちらで後期型の背嚢をアップしましたが、今回は初期型の背嚢となります。それでは特徴を見ていきたいと思います。

earlyGJRruck_1-1.jpg
まず初期型背嚢には革の縁取りがあります。この縁取りは戦争が激化すると工数削減や革の温存の為に省かれるようになります。この辺りは、M31衣嚢や突撃背嚢と同じですね。

earlyGJRruck_16.jpg
険しい山岳地帯を行軍する山岳猟兵の背嚢は消耗しやすかったようで、古い製造年のものほど残存数が少なく、コンディションもあまり良くありません。

GBRruck_0-1.jpg

一方、後期型は比較的ミント状態のものが多い感じです。こちらの背嚢もほとんど使われた痕跡がありません。

earlyGJRruck_2-1_20180127180734206.jpg
反対側。負革は生成り状態でいかにも"初期"です。同じく初期らしく金具は全てアルミ製です。戦時中のアルミの重要性についてはこちら

earlyGJRruck_5.jpg earlyGJRruck_4.jpg 
ナス環はアルミ製削り出しで、ぽってりしています。弾盒用のフック金具は後期タイプのYサスペンダーと同じ形状です。

earlyGJRruck_3.jpg 
『RUDOLF KURZ BIETIGHEIM/WÜRTT 1940』の刻印があります。
earlyGJRruck_6-1_20180127191056527.jpg 
雨蓋を開けたところ。中身が飛び出さないよう主室はドローコードで縛れるようになっています。

earlyGJRruck_11.jpg
雨蓋の裏側にはベルトx3で留める副室があり、すぐに取り出したいものが収納できるようになっています。

earlyGJRruck_7-1.jpg  
雨蓋の裏側には、このようなパネルが別パーツで取り付けられています。これはループを縫い付ける台座の役割を担っています。なお、このパネルも後期型では省略されています。

earlyGJRruck_14.jpg 
こちらは別の背嚢の同パーツ部分の写真ですが、破れているので中身が見えます。どうやら材質は樹脂のようです。

earlyGJRruck_8.jpg
ドローコードの先端は金具が取り付けられており、さらに抜け防止用にカシメられています。

earlyGJRruck_10.jpg
ネームタグを発見。この背嚢は、M.HARTELさんの所有物だったようです。

Marcel_Hartel_2017.jpg
ちなみに『M.HARTEL』で検索すると、ドイツ人のサッカー選手がヒットしました。内田篤人選手が在籍するウニオン・ベルリンのMFのようです。ケルン出身22歳。

今回は初期型背の特徴を取り上げましたが、初期型の良い点はなんといってもメーカーや年号の刻印がある点ですね。

下記は、戦前に作られた背嚢。
earlyGJRruck_12.jpg 
『X.ESTER AUGSBURG 1936』

earlyGJRruck_15.jpg 
同じ背嚢に押された第一山岳師団 第99山岳猟兵連隊 第5中隊のスタンプ。

輜重部隊や糧食部隊が随伴できない山岳地帯を行軍する兵士にとって、容量の大きい背嚢は生命を守る大事なアイテムだったと思います。今回紹介した背嚢はどちらもかなり使い込まれており、補修しながら大事に使っていたことが分ります。
earlyGJRruck_18.jpg
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