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FF33野戦電話(Feld Fernsprecher 33)

こんにちは、エーデルマンです。今回はFF33野戦電話(Feldfernsprecher 33)を取り上げたいと思います。野戦電話は工兵限定のアイテムではありませんが、電話線の敷設作業は工兵部隊が行っていたということで、工兵のカテゴリーに入れたいと思います。
歩兵連隊所属の通信小隊(Nachrichtenzug)が行っていたようです。
Fieldphone1-1.jpg

FF33野戦電話は1933年に採用、1934年に部隊配備されます。24社で製造され終戦後もドイツ連邦軍の他スイス、ノルウェーなどで1970年代まで使用され続けます。

Fieldphone33.jpg

【ケース外部】

Fieldphone4-2.jpg  
電話は横28cm x 高さ21cm x 奥行10cmのベークライトのケースに収納されており、重さは約5kgです。
正面には開閉ラッチ、その下には通信機や副電話機に接続するためのソケットとカバー、呼び出しベルのスリットがあります。

Fieldphone27.jpg 
防塵カバーを開くとソケットが露出します。

Fieldphone35.jpg
無線機に接続することができます。


Fieldphone5-2.jpg  

裏にもベルのスリットがあり、蓋と本体を接続するヒンジが全体に取り付けられています。
Fieldphone12.jpg 
蓋の上部には、電話機固有の番号やコールサインが書き込める空白のパネル、フォネティックコード(おなじみ"アルファ"、"ブラボー"、"チャーリー"のドイツ軍版)の表があります。

Fieldphone28.jpg  Fieldphone19.jpg 
空白のパネルには簡単に消せるよう鉛筆で記入します。ドイツ軍のフォネティックコードはドイツ語圏の典型的な名前。ちなみに独ドラマ『ジェネレーション・ウォー』の登場人物の名前、Whilhelm、Fiedrich、Victor、Charlotteはフォネティックコードから取ったものと思われます。

Fieldphone9.jpg 
キャリングストラップ用のノッチが両サイドに、右側にはクランクポートがあります。

Fieldphone23.jpg 
最初クランクポートがねじ式になっているのを知らず、いくらハンドルを引っ張っても抜けないので焦りました。
Fieldphone22-1.jpg  
映画でもおなじみの「グルグルグル」ですね。発電機(ダイナモ)で電気を発生、接続先の野戦電話のベルを鳴らします。ちなみに1秒間に3回まわすと70-100V発生させることができるようです。

Fieldphone43.jpg 
発電機のイラスト。野戦電話が非常に重いのはこの発電機が原因です。

【ケース内部】

Fieldphone36.jpg  
開閉ラッチを解除して蓋を開けるとハンドセットが鎮座しています。
Fieldphone24.jpg
上蓋の裏側には回路パネルとハンドセットを固定する板バネがあります。

Fieldphone26.jpg Fieldphone25.jpg 
上蓋の裏側には回路図のプレートがあります。左側は1.5Vバッテリーからハンドセットまでの回路図、右側は発電機から呼び出しベルの回路図になっています。

【ハンドセット】
Fieldphone14.jpg

ハンドセットはケースと同じくベークライト製。コードの長さは118cmです。

Fieldphone20-2.jpg 
握りの部分がスイッチ(PTTボタン)になっていて、バッテリー温存の為、押している間だけ通電しこちらの声が相手に届くようになっています。
Fieldphone29.jpg 

本体に接続するプラグでこちら側には回路図の刻印されています。
1番と5番ピンはハンドセットへ、2番と4番ピンは電話へ接続。

Fieldphone30.jpg

反対側には製造年号の刻印。コネクター上部にあるのは引っ張る為のリングです。

【内部詳細】 
 
 Fieldphone13-2.jpg
トップパネル左がバッテリーボックス、中央が接続コネクタープレート、クランクハンドル、右がハンドセット受けです。左の淵はゴム張りされたスリットがあり、配線接続したままでもケーブルを圧迫せずに蓋を閉められるようになっています。

ff33_2.jpg 
屋外では、雨や砂などが入らないよう蓋を閉めて使用することとされていました。

【バッテリーボックス】

Fieldphone16.jpgFieldphone17.jpg

バッテリーボックスはスチール製の蓋を開け、1.5Vの角型バッテリーが収納できるようになっています。蓋の裏側にはバッテリーの+-の電極を接続する端子があります。

Fieldphone34-1.jpg 
標準的な野戦電話用バッテリー。(写真はお借りしています)

【コネクター部】

Fieldphone15.jpg 
上からハンドセットのソケット、その下には電話/アース線を接続するスクリュー式の端子があります。"La"(Leitung a)通信線用、"Lb/E"(Leitung b/  Erde)はアース用です。右には呼び出しベルのテストボタン "Prüftaste"、ヘッドセットのソケットが配置されています。発電機用のクランクハンドルは取り外すことができます。

Fieldphone18.jpg 
ハンドセットの送話部の部分が窪みになっています。その下にはシリアルナンバーと製造年の刻印があります。

razrez.png   
野戦電話の外ケースを取り除くと内部はこのような構造になっているようです。(写真はお借りしています)

 
【使用手順】

1. 電話を安定した場所に設置
2. 開閉ラッチを解除して蓋を開ける
3. ハンドセットを外す。その時コードはケースの淵のゴム張りのスリットにかかるようにする
4. クランクハンドルを外して右面のクランクポートに接続する
5. 上部のスクリュー式端子(La、Lb/E)を緩める
6. アース線をLb/E端子に接続
7. 電話線をLa端子に接続
8. ハンドセットコードと電話/アース線がゴム張りのスリット上に乗っていることを確認
9. 蓋を閉める
10. ハンドセットを耳にあて、スイッチ(PTTボタン)を押しノイズが増幅されるのを確認
11. クランクハンドルを回し相手側のベルを鳴らし、返答を待つ

Fieldphone40.jpg 
当時、野戦電話は精密な電子機器という扱いで直接地面には置かず、ツェルトバーンや毛布の上に置くことが望ましかったようでです。

Fieldphone47.jpg
こちらの写真には、地中にアース棒を刺してアースを取る様子が写っています。

【ケーブルスプール】

最後にケーブルスプール(Abspuler)をアップします。
  

Fieldphone31.jpg 
こちらは電話線を敷設したり巻き取る場合に使用するスプールです。

Fieldphone44.jpg Fieldphone45.jpg 
ビーレフェルトのNIRONA製造所1937年製です。 他にもアムト"WaA433"が刻印されています。

Fieldphone50.jpg 
通話距離は電線の種類によって違いますが、最短で3km、架空かつ特殊なケーブルを使えば120kmまで延長することが可能でした。
Fieldphone10.jpg
現在市販されている電池やケーブルを使って機能を再現することが可能なようです。いつか実現してみたいですね。
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