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HBT作業着(Drillichrock)

本日のネタはドイツ軍兵士に支給されたリードグリーンのHBT(ヘリンボーン・ツイル)の作業着(Drillichrock)となります。ライヒスヴェーア時代の1933年4月に導入された作業着の後継モデルとして、1940年2月12日付で制定されました。後継といっても生成りだった状態がリードグリーンに染色されただけでほぼ何も変わっていません。

Drilltunic1.jpg

兵士にはウール製の野戦服と一緒にコットン製の作業着が支給され汚れてもおいそれと洗濯できないウール製の野戦服に代わって訓練や作業用に使用されました。

Drilltunic12.jpg
Soldbuchの支給品目録。Feldbulseの隣にDrillchrockの項目があります。

HBTpants15.jpg
当時のプライベート写真。国家色のデカールが貼られたヘルメットを着用していることから1940年頃に撮影されたものでしょうか?同じ分隊でも生成りとリードグリーンの作業着が混在しています。

Drilltunic2-1.jpg
後ろから。 二枚の布が中央で張り合わせとなっています。

Drilltunic10.jpg
腰ポケットは単純な貼り付けで雨蓋がありません。

さて、ここでHBTについて軽く触れておきたいと思います。HBTはHerring Bone Twillの略で、Herringは"ニシン"、Boneは”骨”で、模様がニシンの骨に似ていることからそう呼ばれるようです。
Drilltunic16-2.jpg
タイセイヨウニシン。北海で捕れるニシンは北ヨーロッパではマリネ、燻製、缶詰、塩干などにして食べられます。

Drilltunic14.jpg
タテ糸がヨコ糸の上を2本(3本)、ヨコ糸の下を1本、交差させて織られることでニシンの骨模様が出来上がります。タテ・ヨコの糸の組み合わせにより、軍用でも耐えられる頑丈な生地となります。

Drilltunic3-1.jpg
野戦服のような内装が無く、乾きやすい構造になっています。ウエストサイズを絞れるヒモが付いています。

またまた余談ですが、当時のマニュアルには洗濯方法について下記のように書かれています。

-ウール(フェルト)製制服:いつ何時も洗濯してはいけない。ブラシもしくはハタキで叩き落とすのみとする。ワイヤーブラシの使用は厳禁。 染みはガソリンもしく希釈した塩化アンモニウムを使用する。野戦服は汚れがひどい場合のみ、短い毛のブラシと石鹸で洗濯してよい。

-HBT制服:毛ブラシと湯に溶かした石鹸で洗濯可能。しかし長時間の煮沸は避ける。

wash1-1.jpg
こちらは、当時使用されていた汚れ落としのハタキと洗剤各種(ほう砂石鹸、SUNLICHT社の固形石鹸と粉末石鹸が入った箱)

wash3.jpg
LUXの裏に掲載されている洗濯方法。

シュテンペルのクローズアップ。
Drilltunic5-1.jpg

メーカー名は判読不能
41〟 襟から肩の長さ 〝44〟 首回り
96〟 胸囲
70〟 着丈 〝62〟 袖丈
  "F4?" フランクフルト4?年製
Drilltunic7.jpg
ボタンの裏側の折り返し部分にはS字金具があります。

Drilltunic8.jpg
S字金具のクローズアップ。

Drilltunic11-1.jpg
袖口は筒状で調整スリットとボタンが省略されています。

リードグリーンの作業着は徽章や肩章を取り付けて夏季戦闘服としても利用されました。
image_4761910.jpg
二級鉄十字章の授与式と思われる写真。隊長から授与されている兵士の両脇には襟章と肩章(胸章も?)を取り付けた作業着を着た兵士が写っています。ほとんどの兵士が開襟状態の為、暑い季節だと思われますが、この徽章付き作業着が戦闘中も着用されていたのか、野戦服が補修中などでセレモニーに間に合わず、急遽誂えたのかは不明です。

しかし授与済みの兵士が詰襟状態で控えている兵士が開襟状態なのが興味深いですね。ドイツ映画『スターリングラード』の冒頭のシーンを思い出しました。

この作業着、見た目が軍服らしからぬということで官給シャツと同様、戦後に消費され、残存数が少なくなっています。特にズボンは野戦ズボン以上にレアアイテムでずーーーと探しているですが、なかなか見つかりません。

さらに記事を書いていて発見したのですが、戦前・戦後に作られたリネン生地の古着の愛好家も多く存在しており、その中でもフレンチ・ヴィンテージと呼ばれるジャンルは特に人気があるようです。

150892305.jpg
こちらはフランス軍の作業着でBourgeron(ボージョン)と呼ばれています。(画像をクリックすると販売サイトにアクセスできます)市場では高価に取引されており、その人気はドイツ軍の作業着にも波及しているのかも知れません。(Bourgeronについてはこちらのサイトを参考にさせていただきました)
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この記事へのコメント

- 何時も見てます - 2021年07月06日 20:23:44

昭和の自衛隊でも、転用してました😅古い戦闘服を、新隊員の戦闘訓練に使ってました😅

Re: タイトルなし - エーデルマン - 2021年07月23日 10:20:56

何時も見てますさん

コメントいただいていたのに気づかず、返事が遅くなってすみませんでした(汗)
訓練着はパリパリの新品よりも、使い古した服の方が体に馴染んで良いかも知れませんね。

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脳内の99%をドイツ軍が占めている、そんなアラフィフ親父です。
注)当時のドイツ軍の装備・生活用品に興味がありますが、特定の団体・思想を支持するものではありません。

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