二級鉄十字章 (Eiserne kreuz 2. klasse)

“2鉄”こと二級鉄十字章は佩用リボンのみ(下記写真)で済まそうと思っていましたが、一級鉄十字章を入手したら案の定比較対象として興味が出てきてしまい、知り合いの欧州のコレクターから譲ってもらいました。
I got interested in Iron Cross 2nd (Eiserne kreuz 2. klasse)after obtained Iron Cross 1st and bought from an European collector.

EK2_20110620110725.jpg  
二級鉄十字章(Eiserne kreuz 2. klasse)は一回の勇敢な戦闘行為を行った将兵へ与えられる戦功章として1939年9月1日に制定されました。

EK2-1.jpg
一級鉄十字章とサイズは同じですが、リボン取り付け用リング、裏面にもデザインが有る点が違います。

こちらは二級鉄十字章の勲記です。授与対象者は戦傷章で紹介したHeinz-Ulrich Kurrle兵長です。
(名前が“Hans”となっていますが、恐らく誤植でしょう)

IMG_20110620065338.jpg
Im Felde(前線にて) 1945年1月20日に授章しています。
Kurrle兵長は43年4月に退院した後、第194擲弾兵連隊に転属、授章時にはLeutnant(少尉)に昇進しています。

ここで一つ疑問が・・・それは下士官の最下位、兵長から少尉へ短期間(約1年数ヶ月)で昇進できるのか?です。
兵長から少尉までは、伍長・軍曹・曹長と長い道のりがあります。
Kurrle兵長は1944年11月に戦傷章(銀)を授章しているのですが、その時点ですでに少尉となっています。
鉄十字章で最下位である二級鉄十字章を終戦間近で授章する人物が戦功で大出世するとは思えません。

とすれば、Kurrle兵長は

・もともと尉官であったが、懲罰等でそれまでの授与歴を剥奪・格下げされていた。
・陸軍士官学校出の士官候補生(Fahnenjunker)であった。

映画のようなことがなければ、間違いなく後者でしょう。(病室の写真を見ると顔にどことなく気品が感じられます)

前線における授与者の記念写真です。

5_20110620071719.jpg
授与当日は写真のようにメダルとリボンを上着の第二ボタンから吊り下げておくことが伝統だったようです。

EK25.jpg EK24.jpg
二級鉄十字章は上記の紙袋に入れて兵士に贈られました。

二級授章後は、一級そして騎士鉄十字章とステップアップして行くのですが、多くの場合二級リボンを佩用し続けました。
リボンがフィールドグレイの野戦服にマッチする優れたデザインだったのも要因かと思います。

Oberfeldwebel.jpg

あるいは初めて経験した女性のことを男はいつまでたっても忘れない、そんな心理と似ているのかも知れません。

4_20110620065319.jpg
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この記事へのコメント

見た目が良いのはどっちダ? - marute_evo - 2011年06月20日 12:52:00

一級鉄と二級鉄を見比べた場合、二級鉄の方がの見栄えが良く見えるのは私だけなのでしょうか?

最後から2枚目の写真の人ってお偉いさんに見えて実は下士官?ですか。
それもGDの。
でも飾緒があるので教官か何かなのでしょうか?

>見た目が良いのはどっちダ? - エーデルマン - 2011年06月21日 21:49:50

>marute_evoさん
>二級鉄の方が見栄え・・・
私もそう思います。もっと言うと騎士鉄と比べても、遜色無さそうです。(騎士鉄は実物を見たことが無いので断言できませんが)
お偉いさんの肩章から判断すると、先任曹長のようですね。後ろの兵士の肩章も共に角型で部隊番号付(GDではなく数字?)からすると39年の開戦時あたりの写真でしょう。彼が教官かどうかは判りませんが、顔の拭け具合から第一次大戦を経験した叩き上げの「おやじ」的存在だったのかも知れません。あと、襟のトレッセ(リボン)が途中までしか無いのは興味深いです。

追記です - marute_evo - 2011年06月22日 06:02:10

39年の開戦時であれば、騎士鉄をソッコーでゲットというのも?かと。
服の質から40~41年頃であるとは思いますが。
そうなると数字の刺繍された肩章というのもズレてきてしまうように思います。

判別難しいですね。

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